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課題と今後の展望

ドキュメント内 利用者視点を重視した新たな交通政策の展開 (ページ 144-155)

第7章 おわりに

第 3 節 政策提言と今後の課題

3.4. 課題と今後の展望

課題と今後の展望について述べる。課題としては、市場における需給の状況などに基づく 弾力的な料金設定をどのように行っていくべきか、そのような枠組みをどのように構築し

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ていくかという点がある。また、料金、規制、存続について、地域や交通機関との連携をど のようにつくっていくかという点がある。

タクシーにおいては、流し主体であるのか、呼び出し主体であるのかによって、地域別に 採るべき政策は異なる。今のような全国一律のタクシー規制のあり方から、地域別規制のあ り方に踏み出していくべきである。地域別にタクシー行政を行う主体が求められている。

高速道路においては、債務返済をどのように行っていくかという点や、地域別に高速道路 料金の高い地域、安い地域があったときに、その公平性をどう考えるか、という問題がある。

その際に、これまでの整備費に基づいて地域別に債務を割り振ることができればある程度 の公平性が確保されるが、地域の定義など、実現性についての検討がさらに求められる。

鉄道においては、鉄道の復旧が必要と認められる場合についての政策提言を行った。鉄道 の復旧が必要という地域の合意を形成していくのかは大きな課題である。「地域に鉄道があ るといいな」と思うことと、実際に利用することの間には大きな差があるからである。立派 な鉄道が復旧したとしても利用されなければ完全な無駄となってしまう。三陸鉄道とJR山 田線のあり方について検討されている一方で、三陸縦貫自動車道の整備が決定した。鉄道と 道路、その他の交通モードを組み合わせて移動の利便性を利用者視点で高めていくことは、

重要なテーマである。災害復旧計画の中で、地域の土地利用、交通利用計画の中に鉄道利用 を位置づけ、長く利用され愛される鉄道となっていくことが重要である。そうした地域と鉄 道・道路・他の交通機関との連携のあり方について事例を蓄積し、検討していくことが望ま しい。

地域交通の活性化という観点においては、既存事業者の反対をどう乗り越えていくか、と いう問題がある。交通事業計画作成に際して、行政や事業者だけでなく、住民の参加も強く 求められる。また、地方交通線問題の解決策として地域負担を認めた場合に、その地域負担 にどのように応えていくかという問題がある。交通インフラ整備の優先順位も、どのインフ ラを維持・運営し続けていくかという問いに答を見出すことは難しい。交通インフラには冗 長性の観点があるため、その問題はさらに複雑になっていく。都市と交通を一体的に考えて いく取り組みが求められる。

このようにみていくと、様々な交通モードと地域交通計画を一体として考えることので きる仕組みが必要であることが分かる。各種の交通モードをそれぞれ縦割りだけでなく横 割りで見ていくことが必要である。そして地域交通計画と地域開発計画との関係性を一緒 に考えていく仕組みが必要である。

自由化の進展によって公的規制の領域が狭まることで、政策の分権化が進展していくこ とが予想される。利用者視点に立った交通政策を進めていくことで、利用者に近いところで の政策が展開されるべきである。利用者視点と地域振興を両立させる交通政策はどういう ものか、今後も検討を続けていきたい。

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