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値下げ都市の特徴

第3章 価格変化による交通サービス需要の変動に関する事例分析-タクシーの弾力運賃

第 1 節 タクシーとは

1.5. タクシー運賃の変化が市場に与えた影響

1.5.3. 値下げ都市の特徴

(旭川)

旭川はバブル崩壊以前から実車キロは減少傾向にあるにもかかわらず、1996年までは営 業収入がほぼ一定である(図3-1-3)。この間(1991年~1996年)実車キロは減少(-22.9%)43 していることから、運賃の値上げ(+23.1%)によって収入が維持されてきたことが分かる。

4km運賃は1998年に高止まりし、2008年まで同じ水準を維持し続けた。価格が一定の状

況(1998年~2008年)において実車率(-13.7%)・実車キロ(-35.8%)が減少するに従い営業

収入も減少(-36.8%)する。車両数は規制緩和後の2002年から2006年まで若干増加(+0.6%)

したが、2006年から2011年までは減少(-18.0%)に転じた。車両数減の影響もあって実車

率は上昇(+6.5%)している。

4km運賃は2008年から2011年まで低下(-10.9%)したが、全体的には車両数減(-6.3%)

の中で実車率は改善(+7.3%)したが、営業収入の増加はみられず(-8.2%)、実車キロの増加 もみられない(-6.6%)。ただし、実車率が若干上昇したことによってイールドは2008 年か ら2010年にかけて下落(-3.2%)したが、2010年から2011年までは改善がみられた(1.5%)。

4km運賃値下げの時期に車両数減もあって、実車率が改善したことからイールドの向上が みられる。

値下げによる需要増がみられるという仮説は、営業収入・実車キロからは当てはまらない。

車両数減によって実車率の改善がみられ、それによってイールドも向上した。

図3-1-3 需要量・供給量の変化(旭川)

43 以下、( )内の数値は対象年の変化率。

0 20 40 60 80 100 120 140 160

1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011

4km運賃 車両数 実車率 営業収入 実車キロ イールド

60

(仙台)

仙台はバブル崩壊以前から実車キロは減少傾向にあったにもかかわらず、1995年までは 営業収入がほぼ一定であり、運賃の値上げ(+29.5%)によって収入が維持(+3.7%)されてき たことは旭川と同様である(図3-1-4)。4km運賃は 1996年にピークを打ち、1998年まで

減少(-4.1%)し、その後一定が続く。1996 年から1998年までの値下がりにおいても、収

入(-12.0%)・実車キロ(-12.0%)ともに減少を示している。価格の低下が需要増にはつなが

らなかったことが示される。

車両数は規制緩和後の2002年から2006年まで増加(+15.4%)したが、2006年以降は減

少(-11.9%)している。実車率は2010年になって初めて改善(+9.0%)がみられた。2010年

以降イールドが改善(9.9%)しているのは、営業収入の増加(+16.6%)が実車率の増加(+9.0%)

に比べて大きいことによるものである。

図3-1-4 需要量・供給量の変化(仙台)

0 20 40 60 80 100 120 140 160

1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011

4km運賃 車両数 実車率 営業収入 実車キロ イールド

61

(京都)

京都はバブル崩壊以前から実車キロは減少傾向にある(図3-1-5)。1993年から1995年に かけて営業収入は増加(+2.7%)し、4km運賃値上げ(+8.4%)が収入増につながったことが 分かる。その後も4km運賃は値上がりし、高い水準を維持(1995年~2000年)したが、実 車キロの低下(-21.6%)にともない営業収入は減少(-16.3%)した。4km運賃は1997以降、

一定を保ち続けてきたが、2009年から 2010年にかけて値下がり(-9.4%)した。この間、

車両数減(-1.2%)にともなう実車率の改善(+1.0%)によって営業収入減の勢いが若干低下

(前年増加率が-1.4%が-1.3%へ)した。このことから、運賃値下げによって営業収入減の低 下を留めることができていることが分かるが、需要増にまでつながっているとはいえない。

2009 年以降、イールドが変化していないのは、営業収入が減少(-2.7%)・実車率が増加

(+3.5%)しているからである。

図3-1-5 需要量・供給量の変化(京都)

0 20 40 60 80 100 120 140

1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011

4km運賃 車両数 実車率 営業収入 実車キロ イールド

62

(大阪)

大阪はバブル崩壊以前から実車キロは減少傾向にある(図3-1-6)。1994年から1996年ま でで営業収入は改善(+3.4%)がみられた。それは 4km 運賃値上げ(+9.0%)が収入増につ ながったからである。その後、1996年から2009年にかけて4km運賃が一定を保つ中、実

車キロ(-33.9%)・営業収入(-39.2%)は減少がみられた。

また、規制緩和を受けて車両数は2002年から2008年にかけて増加したが、それに合わ せて営業収入(-3.4%)は微減、実車キロは若干増加(+3.8%)した。この間、景気が回復基 調にあったこともあるが、供給増が需要増をもたらした可能性も示唆される。しかしながら、

2008年9月に起きたリーマンショックの影響により、営業収入(-14.2%)・実車キロ(-16.5%)

が減少した。2009 年から 2010年までの4km 運賃値下げ(-6.4%)にともなって営業収入 (前年変化率が-14.0%から+1.0%へ)・実車キロ(前年変化率が-13.6%から+0.2%へ)の減少 傾向は緩和された。2006年以降、イールドが改善(+2.8%)しているのは、営業収入減と実 車率増加が同時に起きているからである。

図2-4-1 需要量・供給量の変化(大阪)

図3-1-6 需要量・供給量の変化(大阪)

0 20 40 60 80 100 120 140 160

1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011

4km運賃 車両数 実車率 営業収入 実車キロ イールド

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(徳島)

徳島は他の都市とは違って車両数が減少し続けている都市である(図3-1-7)。1991年から 2011年にかけて-14.7%減少している。1991年から1996年まで、実車キロが減少(-27.1%)

していく中で営業収入の減少(-3.5%)は小幅にとどまっている。これは4km 運賃が上昇

(+25.3%)したことによる。4km 運賃は 1998年にピークとなるが、その後2009年まで

は一定を保った。1998年から2009年まで、営業収入(-32.5%)・実車キロ(-31.3%)ともに 減少した。

そして4km運賃が2009年から2010年までに大幅に値下がり44(-42.2%)する中で、営

業収入(+0.2%)・実車キロ(-2.2%)は下げ止まりがみられたものの、2010年から2011年ま

での値上げ(+16.3%)に伴い、営業収入(-7.5%)・実車キロ(-8.6%)は減少した。2009年か らの4km運賃値下げの時期に、イールドは+3.6%上昇した。

図3-1-7 需要量・供給量の変化(徳島)

44 徳島における大幅な値下がりはたいへん興味深い。徳島市の市場構造を、車両数からみ ると、大手二社で全体の57.0%を占める非常に寡占的な市場である。このうち、二位の事 業者がたいへん格安な運賃(初乗り1.5kmで370円、加算運賃365mごと60円。(2014 年2月時点))を提示していることが統計に表れている。なお、一位の事業者の運賃はHP 上で調べることができない。参考までに同時期の東京の初乗り運賃(上限運賃)は2

km710円で加算運賃288mごと90円である。

0 20 40 60 80 100 120 140

1991 1993 1995 1997 1999 2001 2003 2005 2007 2009 2011

4km運賃 車両数 実車率 営業収入 実車キロ イールド

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