Study on a device for active flow control
事業の中でスパコン利用が果たす役割
【能動流体制御デバイスを用いた流体制御に関する研究】
次世代航空機/宇宙機や風力発電等への応用が期待される能動的流体制御デバイスの実用化を考える 際には高レイノルズ数,高動圧流れへの適用が問題となる.この為,乱流の持つ非定常性の強い微細な 渦構造を解像出来る大規模な流体計算を必要とし,高性能なスパコンを用いた解析が必須である.
今年度の成果
【能動流体制御デバイスを用いた流体制御に関する研究】
本年度は能動的制御デバイスを用いて剥離制御を行った際に,剥離流れから付着流れへと移り変わる 過渡状態の現象理解を行った.コード長に基づくレイノルズ数63,000のNACA0015周りの前縁剥離流れ を対象とし,時刻の異なる(初期解が異なる)流れ場からスパン方向に一様に配置したプラズマアクチ ュエータを駆動した計算を行い,それらのアンサンブル平均をとる事で各制御周波数における流れ場の 初期解依存性及び,過渡時間の依存性,各時刻における特徴的な現象に関して議論を行った.本研究で は制御周波数として過去の研究で効果が知られている周波数F+=1, 6(一様流,コード長基準)の2種類 の周波数各々において初期解の異なる20ケースのLESを行った.本研究では以下の事を明らかにした.
1) 各周波数において,準定常流れの初期解依存性は見られない.
2) 周波数に関わらず準定常状態に至る経過時間は一様流,コード長基準で4〜6である.
3) 過渡流れは,揚力・抗力が急激に低下する段階①,揚力が回復する段階②,揚力・抗力が準定常に収 束する段階③の計3つの段階(図1)に分ける事ができる.
4) 過渡流れの初期段階ではスパン方向に軸を持つ大規模な渦,収束段階では3次元的な細かな渦が剥離 抑制に重要な役割を果たす.
5) 本計算条件ではF+=6を用いた制御の方が揚力の収束がわずかに早く,制御パラメターとして好まし い.
【能動流体制御デバイスを用いた流体制御に関する研究】
【計算情報】
1ケースあたりの経過時間:
ケース数:
ジョブの並列プロセス数:
プロセスあたりのコア数(=スレッド数) : プロセス並列手法:
スレッド並列手法:
利用計算システム:
50時間 10ケース 200プロセス 4コア MPI
自動並列(VISIMPACT含む) JSS-M
成果の公表状況 査読付論文
1) “LES of Transient Flows Controlled by DBD Plasma Actuator over a Stalled Airfoil, ” K. Asada, T.
Nonomura, H. Aono, M. Sato, K. Okada and K. Fujii, International Journal of Computational Fluid Dynamics, Accepted.
年間利用量
※ JSS-Mの利用
事業形態
科研費
事業の責任者・構成員
責任者:航空本部空力技術研究グループ,伊藤 健([email protected]) 構成員:航空本部空力技術研究グループ,池田友明([email protected])
航空本部空力技術研究グループ,跡部 隆([email protected])
事業の目的
火星大気や超高々度のように低大気密度中の飛行で実現される,低レイノルズ数且つ高亜音速流れに 適した翼型設計を数値計算手法により実現する.
事業の目標
低レイノルズ数且つ高亜音速飛行時に卓越する非定常音響変動に着目して,それが翼の境界層遷移に 与える影響を翼形状との関わりにおいて定量的に明らかにする.特に剥離剪断層の不安定性と非定常変 動の出現による剥離抑制のメカニズムに着目して,より高い揚力係数と揚抗比を実現する翼型の開発に 向けた知見を得る.
事業の中でスパコン利用が果たす役割
ターゲットとするレイノルズ数104程度は層流~乱流遷移を伴う領域であり,RANSのような統計モデ ルの導入は不可能である.大きな計算リソースを必要とする直接シミュレーションが適しており,スパ コン利用によりパラメトリックに条件を変更して解析が行える.
今年度の成果
低レイノルズ数流れにおいて音響共鳴の有無により,負圧面側の剥離泡の大きさや再付着点の位置が 異なり空力特性に有意な影響を与えることが数値計算によって示され,東北大学の火星大気風洞や首都 大学東京の低乱低騒音風洞を用いて行った実験とも整合性の取れた結果が得られた.