Regenerative cooling performance analysis for liquid rocket engines
61. ロケットリフトオフ時の音響振動解析技術の開発と低騒音射点設計検討
Numerical simulation of lift-off acoustic
今年度の成果
・熱的完全気体を取り扱い可能な圧縮性CFDソルバに高次精度計算手法 (6次精度Compact法)を実装
し,H2/Airジェットの空力騒音解析を実施した.
・イプシロンロケット開発時に実施した模擬射点音響環境計測試験結果,及びイプシロン試験機フライ ト結果を利用したCFDの定量的予測レベルの比較検証を実施した.
・新型基幹ロケット用の射点検討を実施.特に,発射台の影響をCFDにて調べた.
図1 イプシロンロケットリフトオフ時の空力騒音解析.
【計算情報】
1ケースあたりの経過時間:
ケース数:
ジョブの並列プロセス数:
プロセスあたりのコア数(=スレッド数) : プロセス並列手法:
スレッド並列手法:
利用計算システム:
1週間~2ヶ月 約10ケース
約160@JSS-M,約100@SORA-PP 4@JSS-M, 3@SORA-PP
MPI OpenMP
JSS-M,SORA-PP,SORA-LM
成果の公表状況 査読付論文
1) S. Tsutsumi, et al., "Study on Acoustic Prediction and Reduction of Epsilon Launch Vehicle at Liftoff," Journal of Spacecraft and Rockets, Vol.52, Issue 2, 2015, pp.350-361.
査読なし論文
2) 堤 誠司,他,“フレームディフレクタから発生する超音速ジェット騒音の数値解析,”第45期日本航空 宇宙学会年会講演会, 2015.
3) 堤 誠司,他,“イプシロンロケット試験機打上げ時の音響環境データに関するポストフライト評価,” 第46回流体力学講演会/第32回航空宇宙数値シミュレーション技術シンポジウム,2015.
4) Seiji Tsutsumi, et al., “Assessing Prediction and Reduction Technique of Lift-off Acoustics Using Epsilon Flight Data,” AIAA Paper 2015-1007, 2015.
口頭発表
5) Seiji Tsutsumi, et al., “Post-Flight Acoustic Analysis of Epsilon Launch Vehicle at Lift-Off,” Journal of the Acoustical Society of America, Vol.136, No.4,2014, pp.2137.
その他
6) 堤 誠司,高木亮治,嶋 英志,“ロケット打上げ時のエンジン排気噴流による音響振動低減化に向けた 射点設計,”日本流体力学会学会誌,ながれ,第33巻,No.5,2014年10月,pp.437-444
7) 堤 誠司,清水太郎,伊海田皓史,“散水によるロケット打上げ時の音響振動低減化,”日本液体微粒化 学会学会誌,微粒化, ol.23,No.80,2014年11月,pp.81-86
年間利用量
SORA-PP SORA-LM
コア割当時間[コア・h] 151856.72 1791.50
※No.59とNo.62の報告書に按分 JSS-Mの利用実績あり
事業形態 研修生
事業の責任者・構成員
責任者:航空本部 数値解析技術研究グループ,青山剛史(aoyama@chofu.jaxa.jp) 構成員:東海大学 工学部航空宇宙学科,岩男拓実(takumii@chofu.jaxa.jp)
事業の目的
宇宙往還機の空力係数の算出をこれまで行われてきた飛行実験を行う代わりに CFD を用いて算出す ることにより,宇宙往還機の最適形状の解析を行う.
事業の目標
今回の解析で用いる機体には揚抗比が低いという欠点がある.そこで揚抗比の改善が効果できる機体後
方にあるVtailの角度を変更していくことで,各空力係数にどのような変化が見られるかを検証していく.
事業の中でスパコン利用が果たす役割
スパコンを用いることにより,これまで行われてきた飛行実験を行う必要がなくなるので,飛行実験に 必要な機体の作製や実験に必要なコストの削減ができる.またさまざまな機体形状で実験を行うためには その分,機体を作製しなければならないがスパコンを用いればこのような実験は容易に行える.
今年度の成果
図1にVtail角度を変化させた時の揚抗比の変化を示す.このようにVtailの角度を倒していくと揚抗
比が改善していることが分かった.このような結果となったのはVtail の角度を倒したことによる揚力 の増加が原因であると考える.ここで,Vtailの翼面のCp分布を図2に示す.それぞれ迎角はなしの場 合であり,図2の左側がVtailの角度が10°,図2の右側がVtailの角度が40°である.このCp分布 を見てみるとVtailの角度を倒すことにより高いCpの箇所が翼面上を後方へ移動し,全体的に赤くなっ ていっているのがわかる.このように翼の下面側のCpが高い方がより揚力が増加するため,Vtailの角 度を倒した方が揚力を増加させる結果となることがわかる.
62. FaSTAR を用いた宇宙往還機の Vtail 角度による空力依存性解析
The aerodynamic dependency analysis by Vtail angle of space planes using FaSTAR
図1 揚抗比の変化
図1 Cp分布
【計算情報】
1ケースあたりの経過時間:
ケース数:
ジョブの並列プロセス数:
プロセスあたりのコア数(=スレッド数) : プロセス並列手法:
スレッド並列手法:
利用計算システム:
8時間 30ケース 64プロセス 12コア MPI
OpenMP,自動並列
JSS-M,SORA-PP, SORA-LM
成果の公表状況 口頭発表
1) 2014年度東海大学工学部航空宇宙学科卒業研究発表会 年間利用量
事業形態
JAXAプロジェクト
事業の責任者・構成員
責任者:第一衛星利用ミッション本部 ミッション運用システム推進室,
竹島敏明(Takeshima.Toshiaki@jaxa.jp) 構成員:第一衛星利用ミッション本部 ミッション運用システム推進室,
齋藤紀男(saitoh.norio00@jaxa.jp)
事業の目的
a. GPM及びTRMMプロダクト再処理速度の飛躍的向上によるユーザビリティの大幅な向上.
b. スパコン利用の技術的蓄積.
事業の目標
a. JSS2を利用したGPM及びTRMMデータ再処理の準備として,プログラムの移植及びデータ検証を
完了させる.
事業の中でスパコン利用が果たす役割
大量のデータ(TRMM 17年分,GPM 2014年2月の打上げからの経過期間)を,最新アルゴリズムで高 速再処理を行いユーザに提供する事で,ユーザビリティの大幅な向上に貢献できる.
今年度の成果
a. 利用手順及び方法が明確になり,JSS2上でGPM/TRMMのデータを処理できる事を確認できた.
b. JSS2上で再処理を実施する事により,TKSC上の処理と比較し16倍以上の処理速度向上が期待でき
る結果となった.
【計算情報】
1ケースあたりの経過時間:
ケース数:
ジョブの並列プロセス数:
プロセスあたりのコア数(=スレッド数) : プロセス並列手法:
スレッド並列手法:
利用計算システム:
―
―
120プロセスまで 1コア
なし OpenMP SORA-PP
63. GPM/DPR のデータ受信処理におけるスパコン利用
Utilization of JSS2 for GPM/DPR data processing
成果の公表状況 無し
年間利用量
SORA-PP SORA-LM SORA-TPP
コア割当時間[コア・h] 8178.95 0.01 2.53
事業形態 一般研究
事業の責任者・構成員
責任者:航空本部,風洞技術開発センター,浜本 滋(hamamoto.shigeru@jaxa.jp) 構成員:航空本部,風洞技術開発センター,藤井啓介(keisuke@chofu.jaxa.jp)
航空本部,風洞技術開発センター,高間良樹(takama.yoshiki@jaxa.jp)
事業の目的
回収機能付加型HTV(HTV-R)を含めたカプセル形状再突入機におけるRCS干渉予測する能力を獲得 すること.
事業の目標
極超音速風洞実験によるRCS干渉の実験と,CFDによる風試条件・実機条件における干渉場予測と によって干渉による加熱率上昇・空力特性への影響評価を行う.
事業の中でスパコン利用が果たす役割
極超音速流中においてRCSガスジェットを吹いたときの影響(空力特性,加熱率)をCFDで計算する.
今年度の成果
CFDに苦戦したが,年度末にようやく計算できる目途が立った.
図1 HTV-R再突入カプセルのCFD(M=2, AOA=20deg, RCS ON, RCSの流量1/100)
64. RCS 干渉場予測技術の開発
Development of method to predict RCS interference flowfield
【計算情報】
1ケースあたりの経過時間:
ケース数:
ジョブの並列プロセス数:
プロセスあたりのコア数(=スレッド数) : プロセス並列手法:
スレッド並列手法:
利用計算システム:
n時間 2ケース 10プロセス 12コア MPI なし SORA-PP
成果の公表状況 無し
年間利用量
SORA-PP SORA-LM
コア割当時間[コア・h] 13923.93
事業形態
JAXAプロジェクト
事業の責任者・構成員
責任者:航空本部 FQUROHプロジェクトチーム,山本一臣(yamamoto.kazuomi@jaxa.jp) 構成員:航空本部 FQUROHプロジェクトチーム,伊藤 靖(ito.yasushi@jaxa.jp)
高石武久(takaishi.takehisa@jaxa.jp) 村山光宏(murayama.mitsuhiro@jaxa.jp) 坂井玲太郎 (sakai.ryotaro@jaxa.jp) 中野 彦(gen@chofu.jaxa.jp)
雨宮和久(amemy@chofu.jaxa.jp) 田中健太郎(kentaro@chofu.jaxa.jp) 平井 亨(thirai@chofu.jaxa.jp) 石田 崇(ishida.takashi@jaxa.jp) 川崎重工業,磯谷和秀(isotani_kazuhide@khi.co.jp)
上野陽亮(ueno_yosuke@khi.co.jp) 越智章生(ochi_a@khi.co.jp) 住友精密工業,井上 健(inoue-ta@spp.co.jp)
事業の目的
現在,国際的にも空港周辺地域の騒音低減のボトルネックになっている高揚力装置および降着装置に 対する低騒音化技術を,将来の旅客機開発ならびに装備品開発に適用可能な段階まで成熟度を高める.
これにより,国内航空産業界における国際競争力強化に貢献するとともに,空港周辺地域社会における 騒音被害,エアラインの運航コスト(着陸料)の軽減に貢献する.
事業の目標
旅客機の機体騒音の主音源である高揚力装置と降着装置それぞれに対する低騒音化技術を実機に適用 し,飛行試験により低騒音化の効果があることを実証することにより,実用化に必要な設計技術を獲得 する.
事業の中でスパコン利用が果たす役割
新型基幹ロケットは打上げ能力に応じてブースタ本数を可変とするなど,上記目標を達成するために,
迎角・マッハ数も含めた多数のケース数を解析する必要があることから,スパコンの利用が必須であっ た.