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Regenerative cooling performance analysis for liquid rocket engines

80. 完全再使用型宇宙輸送システムの空力解析

Aerodynamic analysis for the full reusable space vehicle

今年度の成果

今年度は,スパコンを用いた数値流体力学による解析結果と,風洞実験結果を比較することで新たに 開発する格子生成法と解析コードの評価を目標とした.

前半期は,その比較対象となる実験結果取得を目指し,風洞試験を実施した.図1に,風洞実験に用い た模型形状を示す.スピードブレーキやボディフラップといった空力部品を持たない形態を基本形状と し,そこにスピードブレーキと3つの舵角を持ったボディフラップ,そしてダウンノーズを一つずつ搭載 する計6の形状において,空力特性を評価した.なおマッハ数Mは0.5および2.0の2ース,迎角は-4°~20°

を1°毎,横滑り角なしの条件で各試験を行った.図2は,実験結果を代表して基本形状(図1 (1))とスピ ードブレーキ搭載形状(図1 (2))についての結果を示す.両マッハ数において迎角0°におけるピッチン グモーメント係数が,基本形状と比較してスピードブレーキ搭載形状でより大きくなっており,スピー ドブレーキが正のピッチングモーメントを発生させる役割を果たしていることが確認できた.また基本 形状における舵角0°でのトリム迎角は,各マッハ数において3°(M=0.5),2°(M=2.0)であり,同様に B-スピードブレーキ搭載形状では,8°(M=0.5),17°(M=2.0)であった.したがってスピードブレー キ搭載の有無が,舵角0°でのトリム迎角に差を生じさせる要因となっている事を確認した.同じマッハ 数条件でA形状とB形状両者に生じたこの差は,スピードブレーキが超音速飛行においてより有効である ことを示した.

後半期には機体形状の3次元CAD モデルの作成および格子の生成を行い,試験的な数値計算を行っ た.今回用いた格子生成法には,物体表面の近傍をプリズム層で覆い,その外部を四面体セル等で離散 化するハイブリッド非構造格子生成法を用いている.そのため,これまでの既存の解析コードが使用で きず,現在東北大学と共同でハイブリット用解析コードを開発している.しかし,開発中のコードを用 いた解析を完了する事ができなかった.今後,その原因を突き止め,解析コードの改良に努めたいと考 えている.

(1) 基本形状 (2) スピードブレーキ

(3) ボディフラップ: (4) ボディフラップ:−20°

(5) ボディフラップ:+20° (6) ダウンノーズ 1 試験形状

2 試験結果

【計算情報】

1ケースあたりの経過時間:

ケース数:

ジョブの並列プロセス数:

プロセスあたりのコア数(=スレッド数) : プロセス並列手法:

スレッド並列手法:

利用計算システム:

MPI なし JSS-M

成果の公表状況 口頭発表

1) Yusuke Ura, Yuki Kutsuna, Koichi Yonemoto, Takaaki Matsumoto “Aerodynamic Trim Characteristics of Winged Rocket Tested by Subsonic and Supersonic Wind Tunnel” 30th International Symposium on Space Technology and Science,2015.(発表予定)

年間利用量

※ JSS-Mの利用

事業形態 大学共同利用

事業の責任者・構成員

責任者:宇宙科学研究所 GEOTAILプロジェクト,斎藤義文(saito.yoshifumi@jaxa.jp) 構成員:宇宙科学研究所 GEOTAILプロジェクト,小川匡教(ogawa@stp.isas.jaxa.jp)

宇宙科学研究所 GEOTAILプロジェクト,篠原 育(iku@stp.isas.jaxa.jp)

宇宙科学研究所 GEOTAILプロジェクト,清水健矢(k.shimizu@stp.isas.jaxa.jp) 宇宙科学研究所 GEOTAILプロジェクト,藤本正樹(fujimoto@stp.isas.jaxa.jp)

事業の目的

ジオテイル衛星観測データによる科学研究を進める.

事業の目標

ジオテイル衛星観測に関連する科学成果を創出する.

事業の中でスパコン利用が果たす役割

ジオテイル衛星観測データの理解に数値的裏付けを与える.

今年度の成果

高精度MHDスキームを用いて,リコネクション様相の解像度依存性を明らかにした.

S.Kawai [2013] によって提案された高精度MHDスキームを用い,解像度を変更して計算を行った.

その際それぞれの計算でリコネクションの様相がどのように変化するかを確認した.

電流層幅をDとし,グリッド幅を1/2D(低解像度)—1/12D(高解像度)に変更して求めたリコネクシ ョン率を図1に示す.この場合のリコネクション率はz=0におけるBzの絶対値の積分により求めている.

図1より,低解像度よりも高解像度ほど速いリコネクションが起こる傾向があることが分かる.これは高 解像度計算ほど複数のX-lineが発生したからである.次に最も卓越したX-lineのみ注目し,それぞれの解 像度で,注目するX-lineにおける電場からリコネクション率を求めて比較した.その結果を図2に示す.

図2から,それぞれの解像度でリコネクション率がおよそ0.1に収束することが分かった.

以上の結果から,高解像度計算では複数X-lineが発生しリコネクションの様相が変化するが,最もリ コネクションが卓越した1つのX-lineに注目すると,そのリコネクション率は変化しないことが分かっ た.

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