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の25%をマルトビオン酸Caに置換えて調製した飼料(MBCa-25群),50%を置換えた飼 料(MBCa-50群),そして全てを置換えた飼料(MBCa-100群)の計4種を用いた。なお飼 料は各群の Ca 摂取量を合わせるためにペアフィーデングを行い,7 日間の予備飼育 後,28日間本飼育を行った。体重と飼料摂取量を毎日測定し,各飼育週の終わり3日 間,糞と尿の回収を行なった。飼育期間終了後,麻酔下で解剖を行い,血液および盲 腸,大腿骨を採取した。Ca 吸収率は,C 群と比較してマルトビオン酸 Ca の置換えが
25%を越える群で有意な上昇が観察された。また大腿骨中Ca量も,C群に比べマルト
ビオン酸Caの置換えが50%を越える群で有意に高い値を示した。よって安価である が吸収性に乏しい炭酸 Caの一部をマルトビオン酸 Caに置換えるだけでも Caの吸収 増進効果を発揮し,また効率的に腸管吸収された Ca は体外に排泄されることなく骨 形成に向かうことが推測された。Ca吸収率は,C群と比較しマルトビオン酸Ca 25%置 換え以上で,有意に高い吸収率であり,マルトビオン酸はCaだけではなくMg吸収増 進効果を併せ持つことが明らかとなった。
第4章(Exp. 3)では,腸管反転サック法によるin vitro系でのマルトビオン酸の 吸収性の評価を行った。粘膜側溶液 Ca源を炭酸 Caまたはマルトビオン酸 Caとでの Caの腸管吸収量を経時的に比較したところ,空腸,回腸ともにマルトビオン酸は炭酸 Caと比較して有意にCa吸収量が高い結果が確認された。このことから両群の溶解度 の違いが,Ca の腸管吸収量に大きな影響を及ぼしたことが本実験により明らかとな った。同様に,in vivoにおけるマルトビオン酸Caの優れたCa吸収増進効果は,自 身の高い溶解度により腸管内で Ca が可溶化した環境を保ち続けたことが大きな要因 であったと推測された。
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第5章(Exp. 4)では,腸管結紮ループ法によるin situ系でのマルトビオン酸Ca の吸収動態について検証を行った。マルトビオン酸Ca溶液を15,30,60,120,180 分間導入することによりマルトビオン酸Caの動態について調べた。ループ内のCa量 は,顕著な低下は見られなかったが,マルトビオン酸と比較して有意に低下していた。
これらの結果より,マルトビオン酸CaのCa部分は空腸で吸収され,マルトビオン酸 は小腸で吸収されず,大腸に到達することが明らかとなった。
第6章(Exp. 5)では,潜在性鉄欠乏状態のラットにマルトビオン酸Caを添加した 回復飼料を与え,早期回復効果を検討した。SIは0日目においては鉄欠乏飼料群にお いて有意に低い値であったが,回復 4 日目および 11 日目においてはマルトビオン酸 Ca投与群において有意に高い値となった。UIBCおよびTSATは,有意な回復が認めら れた。一方で赤血球数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値,血小板数,平均赤血 球容積,平均赤血球ヘモグロビン量,平均赤血球ヘモグロビン濃度については全群間 において有意な差は認められなかった。
第7章(Exp. 6)では,潜在性鉄欠乏状態より貧血状態が重篤な鉄欠乏貧血状態に誘 導したラットにマルトビオン酸 Ca を添加した回復飼料を与え,早期回復効果を検討 した。見かけの鉄吸収率は実験期間(4 週間)中,1週目,2週目でマルトビオン酸 Ca 添加による有意な増加が確認され,マルトビオン酸による鉄吸収促進効果が明ら かとなった。3,4週目では有意な差は見られなかったが,貧血の改善に伴い,生体内 での鉄の要求が少なくなったためと考えられる。ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット 値,は実験開始から 3週目およびや 4週目にマルトビオン酸Ca 添加による有意な増 加が確認され,このことからマルトビオン酸 Ca が貧血の改善に有益な素材であるこ
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とも明らかとなった。ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット値の増加は腸管内において マルトビオン酸が鉄の可溶化を維持させ,腸管吸収を亢進させたことにより,生体内 で造血に利用できる鉄が増加したと視察された。
結論として,マルトビオン酸にCaを付与したマルトビオン酸Caは,ラットを用い た投与実験において非常に優れたミネラル吸収増進効果を有することが明らかとな り, マルトビオン酸が腸管全体のミネラルの可溶化状態を維持したことで,効率的 なミネラル吸収が行われたためと推測された。またマルトビオン酸 Ca が小腸で吸収 を受ける際,Ca部分が選択的に吸収され,一方でマルトビオン酸の大半は小腸での吸 収を免れ大腸に到達し,大腸内発酵に寄与することが明らかとなった。
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