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統合巻線結合インダクタの推定小型軽量化効果

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第 6 章 :巻線構造の改良による結合インダクタの性能向上

6.8 統合巻線結合インダクタの推定小型軽量化効果

6.8.1 評価仕様

設計方法の妥当性が確認されたので, 理論的なアプローチから統合巻線結合イ ンダクタ導入による磁性体コアの小型軽量化効果について推定する。また, 小型軽 量化の効果を議論するに当たり, 比較する対象として従来の非結合インダクタと 疎結合インダクタで比較する。また, 汎用のコアを想定する場合では断面積や磁路 長に関してサイズが容易に変更できないため, ここでは仮想的な磁性体コアの窓 面積や断面積を設計し評価する。また, 評価に当たっては, 以下の点を考慮してい る。

<評価回路定数> 評価回路定数としては車載用モータ駆動用電力変換システム

内の昇圧チョッパ回路を想定する。評価する回路定数は表6.9に示し, 最大負荷を 30kWとして評価する。スイッチング周波数はSiC-MOSFETを使用することを想定

して30kHzとする。

<インダクタコアと巻線の仕様> インダクタコアの仕様は表6.10に示す通りJFE

社製のJNEXコアを使用することを想定して, 最大磁束密度Bmaxは1Tを想定する。

巻線の被膜や絶縁距離を考慮した窓面積に対する巻線占有面積の割合kwは0.8程 度する。また, インダクタ巻線の電流密度Jwについては最大負荷時間は数秒程度な

ので20A/mm2としている評価する(49)

6.8.2 仮想的な統合巻線結合インダクタコアサイズの設計

次に, 磁性体コアの設計について述べる。想定する磁性体コア形状は各脚部にお ける断面積, 窓面積については正方形とし, 統合巻線結合インダクタと疎結合イン ダクタに関しては図6.13 (a), 従来の非結合インダクタに関しては図6.13 (b)の形状 とする。ここでは, 統合巻線結合インダクタのコアサイズの決定する手順のみ記載 する。

統合巻線結合インダクタの外側脚断面積を Ao, 中央脚断面積を Ac, 窓面積を Aw

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とすると, 外側脚磁気抵抗 Rmoと中央脚磁気抵抗 Rmcは次式より求めることができ る。





+ ⋅

= +

⋅ +

≅ ⋅

c 0

g c

r 0

g o w mc

o r 0

o w

mo

3 3

A l A

l A R A

A A R A

µ µ

µ µ µ

··· (6.20)

従って, 中央脚におけるエアギャップ長lgは次式より算出される。

r

r 0 mc c w o

g 1 µ

µ µ

= A + A A R

l ··· (6.21) 表6.9 評価回路仕様

Input voltage Vi 150V

Output voltage Vo 600 V

Duty ratio d 0.75

Switching frequency fs 30kHz

inductor average current ILave 100A

Ratio of inductor current ripple ILpp/ILave 0.2

Inductor ripple current ILpp 20A

Output power Po 30kW

表6.10 インダクタコアと巻線の仕様

Magnetic core JNEXcore (JFE)

Relative permeability μr 23000

Designed maximum flux density (all legs) Bmax 1T Bulk density of the magnetic material db 7.49 g/cm3

Space factor kw 0.8

Winding current density(at maximum load) Jw 20A/mm2

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統合巻線結合インダクタにおいては, 中央巻線 N1と外側巻線 N2に対する窓面積が それぞれ必要になりAwは次式より算出する。

( )

w w

Lave 2 1 w

2

J k

I N A N

= + ··· (6.22)

次にコアの断面積を決定する。窓面積を示す(6.22)式を(6.20)式の Rmo に代入し, このRmoを(6.16)式に代入するとAoに関する4次不等式を得る。この式に任意の外 側脚巻線 N2および巻数比 β を代入すれば, 磁束密度およびインダクタ電流リプル を規定した状態における外側脚断面積Aoを導出することができる。また, 外側脚と 等しい磁束密度にするため中央脚の断面積Acは次式より求めることができる。

max cp

c B

A = Φ ··· (6.23)

Ao Ac

Wc

Sectional area in outer leg Ao

Approximation by square shape

AW AW

Approximation by square shape Ao

Ao

Aw

Aw

lg Ac

Winging area AW

Ao

Ao

Ao

Ao Aw Aw

Aw

(a) 疎結合インダクタと統合巻線結合インダクタ

Ao

Aw

Aw

Ao

Ao

Ao

lg

Sectional area in outer leg Ao

Approximation by square shape

AW

Approximation by square shape Ao

Ao

Aw

Aw

Winging area

(b) 非結合インダクタ

図6.13 仮想コアの寸法定義

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また, 図6.13 (a)に示す中央脚の幅Wcに関しては次式で決定される。

o c

c A

W = A ··· (6.24)

従って, 統合巻線結合インダクタに関しては次式でコア体積と重量は計算するこ とができる。

( ) ( )





=

− +

+ +

=

core

g w o

c o w

o

core 2 3 2 2

Vol db Wt

l A A A A A

A Vol

core

··· (6.25) このような手順で, インダクタコアのサイズを設計することができる。

6.8.3. インダクタコアサイズ比較

図6.14に最大磁束密度Bmax=1T, インダクタ電流リプルILpp=20Aの条件における 非結合インダクタ方式, 疎結合インダクタ方式, 統合巻線結合インダクタ方式のコ アサイズを比較した結果を示す。また, 表6.11には重量や体積を比較した結果を示 す。比較条件としては, 非結合インダクタの巻線数, 疎結合インダクタの巻線数を 各相それぞれ10turnとして, 統合巻線結合インダクタの巻線数はN1を5turn, 各相

N2を5turnとした場合の比較結果である。

この結果から, 統合巻線結合インダクタは従来の非結合インダクタ方式や疎結 合インダクタ方式と重量と体積共に比較して削減できており, 小型軽量化が実現 できていることが分かる。従来の疎結合インダクタ方式と比較すると, 約20%小型 軽量化を実現できている。この主な理由として, デューティ比が大きい場合には (6.10)式から分かるように入力電圧と出力電圧の差が大きいときには共通磁束成分 変化 com/dt が大きくなるが, 追加の中央巻線の追加により, 共通磁束成分を効果 的に抑制できた結果と考えられ, 直流磁束に関してはエアギャップを大きく設け ることでコア内磁束を低減でき, 磁束密度を規定した条件では小型軽量化が達成 できたと考えられる。しかしながら, 鉄損を含む発熱の面や総合的な鉄損・銅損の 損失比較の必要性もあり, これは今後の課題である。

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45.4mm 7.9mm 45.4mm 45.4mm

45.4mm 7.9mm

1.37mm

45.4mm 7.9mm 45.4mm 45.4mm

45.4mm 7.9mm

1.37mm

(a) 非結合インダクタ(2個)

28.5mm

7.9mm

48.4mm 7.9mm 28.5mm

28.5mm 28.5mm

1.37mm

26.8mm

9.7mm

35.0mm 2.06mm 26.8mm

26.8mm

26.8mm 9.7mm

(b) 疎結合インダクタ (c) 統合巻線結合インダクタ 図6.14 各方式のインダクタコアサイズ

表6.11 インダクタコアサイズの比較

Non-coupled inductors

Loosely coupled inductor(LCI)

Integrated winding coupled

inductor(IWCI)

Window area Aw 63mm2 63mm2 94mm2

Number of

winding tunes N 10(each phase) 10 turns (each phase)

Center:5turns Outer: 5turns (each phase) Sectional area Acore 2062mm2 Center: 1382mm2

Outer: 816mm2

Center: 939mm2 Outer: 720mm2 Volume Vcore

Phase1: 0.437 litter Phase2: 0.437

litter

0.220 litter 0.177 litter

Weight Wtcore

Phase1: 3.272kg

Phase2: 3.272kg 1.647kg 1.325kg

Air gap length lg 1.37mm 1.37mm

(center leg only)

2.06mm (center leg only)

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