第 4 章 :結合インダクタの 3 相化への拡張
4.3 特性解析
4.4.2 最大出力電力容量解析
84 小に効果的であることがわかる。
85
各デューティ比領域でそれぞれ(4.35)-(4.37)式で求めることができる。
s Lave
Lpp 2
Lpp Lave
2 max mo 3
/ 1 o_d
1 3 1 1
1 4
1 3 1
1 )
3 1 (
1 3 1 1
3
T d d I d
d I d I
I
R Φ P
··· (4.35)
2 s Lave
Lpp 2
2
Lpp Lave
2 max mo 3
/ 2 d o_1/3
) 1 ( 3
2 9 1 9
1 4
1 3 1
1 )
3 1 (
) 1 ( 3
2 9 1 9
3
T d d
d d d I
d I d
d d I
I
R Φ P
··· (4.36)
s Lave
Lpp 2
Lpp Lave
2 max mo 3
/ 2 o_d
2 1 3
1 4
1 3 1
1 )
3 1 (
2 1 3
3
T d d
I d d I
d I
I
Φ P R
··· (4.37)
また, 同様に非結合インダクタに関しても(4.32)式, (4.33)式とΦmax≥Φpを考慮す れば, 非結合インダクタの最大出力電力容量は次式で求めることができる。
s Lave
Lpp Lpp
Lave
2 max m o
4 1 1 3
T I d
I I
I
Φ P R
··· (4.38)
ここで導出した最大出力電力容量算出式を用いてコアサイズ, 磁束密度を規定 した条件における電力密度を比較する。比較条件の回路定数を表 4.2, 結合インダ クタと従来の非結合インダクタの磁性体コアの仕様を表4.3にそれぞれ示す。
また, 最大電力容量を比較する上では, 結合インダクタのエアギャップ長を
1.5mmとし, 従来の非結合インダクタでは3脚コアのすべての脚に0.75mmのエア
ギャップを設けた状態(形成される閉磁路では1.5mmとなる)を想定する。この理由 としては, 磁気抵抗を大きくすればするほど直流磁束が抑えられてしまうこと, 巻 線巻数が非常に大きくなってしまうことから, ここではエアギャップ長さを統一
86
させることで評価するものとする。なお, この表 4.3中の磁気抵抗値についてはコ アの構造の平均磁路長, 断面積から決定された計算値である。
上記を条件として, 結合インダクタの最大出力容量を示す(4.36)式と非結合イン ダクタの最大出力容量を示す(4.38)式をそれぞれ適用するとインダクタ電流リプル 率ILpp/ILaveに対する最大出力電力容量の比較結果は図4.13のように示される。この
表4.2 評価回路定数
Input voltage Vi 120V
Output voltage Vo 285.7V
Duty ratio d 0.583
Switching frequency fs 50kHz
表4.3 結合インダクタと従来の非結合インダクタの磁性体コアの仕様
Customized core of coupled inductor
Gap length lg 1.5mm
Sectional area of outer leg Ao 203mm2
Sectional area of center leg Ac 642mm2
Theoretical magnetic reluctance of outer leg Rmo 0.18A/Wb Theoretical magnetic reluctance of center leg Rmc 1.89A/Wb
Ratio of magnetic reluctance 10.2
Designed maximum flux density in outer leg Bmax 300mT Non-coupled inductor (PC40EC70)
Gap length (all leg) lg 0.75mm
Sectional area of center leg non 210mm2
Theoretical magnetic reluctance Rm 4.5A/Wb
Designed maximum flux density Bmax 300mT
87
図で横軸はインダクタ電流リプル率 ILpp/ILaveを示しており, 0<ILpp/ILave<2 の領域は 電流連続モードでの駆動を示し, ILpp/ILave=2 では電流臨界モードでの駆動であるこ とを示す。非結合インダクタの場合では, 電流臨界モードで出力容量が最大となる ことが確認される。この駆動方法はメインスイッチS1, S2, S3でゼロ電流ターンオン やダイオードD1, D2, D3でのゼロ電流ターンオフを実現できるのでスイッチング損 失の面から有効な駆動であるものの, 車載用を想定した大電力用途にはインダク タ実効値電流増大によって他の能動・受動素子の導通損失増加が懸念される(84)。
これに対して, 結合インダクタは大電力用途に適した電流連続モードで出力容 量 が 最 大 と な る こ と が 確 認 さ れ る 。 図 4.14 に は イ ン ダ ク タ 電 流 リ プ ル 率
0 500 1000 1500 2000 2500 3000
0 0.5 1 1.5 2
Output power [W]
Ratio of inductor ripple current (ILpp/ILave) Coupled inductor
Non-coupled inductor
図4.13 三相結合インダクタと非結合インダクタの最大出力電力容量の比較
Proposed core Conventional core (PC40EC70) Weight: 690g Total weight: 760g Max power: 2731.8W Max power: 1058.3W
Weight: 690 g Output power: 2731.8 W
Total weight: 760 g Output power: 1058.3 W
図4.14 インダクタの出力容量とサイズ比較結果(ILpp/ILave=0.3)
88
ILpp/ILave=0.3 における電力容量の比較と実際に比較に用いたインダクタの外観を示 す。この図から結合インダクタコアは690gで 2731.8Wであるのに対して, 従来の 非結合インダクタの合計は760gで1058.3W であり, ほぼ等しいサイズの条件では 電力容量が大きくなっていることから大幅な高電力密度化を実現していると言え る。仮に, 電力容量を統一した場合では, 結合インダクタは従来の非結合インダク タと比較して小型軽量化を実現できる。