第 4 章 高機能半導体表面洗浄技術の開発と理論的考察
4.1 高機能表面洗浄技術
4.1.2 パターン剥離を伴わない新しい超音波洗浄法
4.1.2.4 結論
以上の結果から、プレート型枚葉回転湿式超音波洗浄装置を用いた新しい超音波洗浄技 術について開発を行った結果、以下の結論を得た。
1. 石英/水プレートによるパターン剥離数は、超音波出力の増加とともに急激に増加 した。
2. アルミ/テフロンプレートによるパターン剥離数は、石英/水プレートの場合と同 じ超音波出力である2 W/cm2まで10個以下であり、さらに高い出力の4 W/cm2でも 3個と非常に少なかった。
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3. 振動子上の音響エネルギーはアルミ/テフロンプレートの場合の方が高い値を示し たが、実際にウェハ表面に到達するエネルギーは石英/水プレートと比べ低い。こ の結果から、プレートの材料はアルミ/テフロンが最適であることが明らかになっ た。
4. ウェハとプレート間の距離が粒子除去率に大きな影響を及ぼす。この結果より、
粒子除去率を向上させるために、この距離を最適化することが非常に重要である ことが明らかになった。
5. ウェハとプレート間の距離が最適化されていない場合、超音波出力はランダムに 発生し、全ての場所で同期していない。そのため、超音波出力が効率的にウェハ に供給されないため、粒子除去率が低くなる。
6. ウェハとプレート間の距離が最適化された場合、全ての超音波出力は同期し、結 果としてウェハへ効率的に超音波出力が供給されるため、粒子除去効率が向上す る。
7. 超音波距離測定器を利用して波形の変化情報を解析することにより、自動的にウ ェハとプレート間の距離を最適化できる技術を見出した。
8. APM中の酸素の濃度が15 ppm以上になると急激に粒子除去率が上昇する。
9. 薬液中の酸素濃度を増加することにより弱い超音波出力でも気泡の生成が可能と なる。高い酸素濃度より形成された気泡は、超音波のため圧縮されるが、出力が 低いため崩壊することはない。したがって、パターン剥離を起こす強い力を発生 するキャビテーションは生成されない。気泡は崩壊せず、圧縮と圧延を繰り返す ことになる。この作用により、パターン剥離をともなわず、微小粒子を効率的に 除去できる。
10. 新しい超音波洗浄技術により65 nm以下の微細窒化物微粒子を0.9以上除去でき、
さらに粒子除去率 0.9 以上が得られた、超音波出力 1.5 W/cm2の条件においてもパ ターン剥離は観測されず、4 W/cm2までパターン剥離が発生しないことが明らかに なった。
11. 振動子を構成する材料の最適化、ウェハとプレートの距離の最適化、洗浄液中の 酸素濃度の最適化を行うことにより、高い粒子除去率でパターン剥離をともなわ ない超音波洗浄技術を確立できることが明らかになった。
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【参考文献】
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6) K. Okitsu, Y. Maeda, Journal of The Surface Seience Society of Japan, Vol. 26, No. 10, pp.593 ( 2005).
97 4.1.3 電気化学的な働きかけによる新たな洗浄法