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システム構成

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5.   負荷平準化モデルシステムの設定と経済性試算

5.4   分散型電源(燃料電池)モデルシステム

5.4.1   システム構成

分散型電源としては太陽光発電、燃料電池、風力発電、ディーゼル発電、タービン発電等 があるが、代表モデルとして燃料電池を選択した。

燃料電池はリン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体電解質型(SOFC)、固体高分 子型(PEFC)等各種のタイプが開発されているが、ここでは、オンサイト用として商用化 の段階に入りつつあるリン酸型燃料電池(PAFC)をモデルシステムとして設定する。

(1) リン酸型燃料電池システムの構成

都市ガスを原燃料とする 200kW 級常圧・水冷式燃料電池発電システムの構成例を図 5.4.1-1〜図 5.4.1-2に示す。また、表 5.4.1-1にその基本仕様を示す。図 5.4.1-2の例をも とにシステム概要について述べる。

燃料電池プラントに送り込まれた原燃料ガスは、硫黄分を脱硫器で除去した後、水蒸気 と混合され改質器内で高温雰囲気内(約 800℃)で触媒により水素を多く含んだガスに変 換される。このガス中には電池の電極触媒(白金系)を被毒する一酸化炭素(CO)が含まれ るため、これを一酸化炭素変成器により低減させた後、電池に供給する。電池では動作温 度180〜210℃で反応し電気を発生する。反応に使用されなかった水素は、改質器の加熱用 燃料として使用される。

電池での反応用空気および改質器バーナでの燃焼用空気はブロワにより供給される。

ポンプにより送出された冷却水は、電池の冷却板内の冷却管部を通って電池を冷却し150

〜170℃の蒸気となり水蒸気分離器にもどる。ここで発生した蒸気(高位排熱)は空調装置 などに使用される。改質器の排ガスおよび電池空気極排ガスを混合した排ガスは約 300℃ 程度であり、熱交換器で60〜70℃の温水(低位排熱)が回収できる。

電池で発生した電気は直流であるので、逆変換装置により交流に変換し使用される。

図5.4.1-3 リン酸型燃料電池(単電池)

の基本構成

出典:燃料電池発電システム  1992 OHM10月号別冊

集    電 多孔質支持層

ガス供給孔

リン酸マトリックス 多孔質触媒層

多孔質触媒層

燃料電池本体の基本ユニット である単電池(セル)基本構成の 一例を図5.4.1-3に示す。

濃厚リン酸溶液を含ませた電 解質(マトリックス)を中心にし て電極(燃料極、空気極)が密接 して配置されている。電極はガス の透気性が必要なため多孔質触 媒層とこれを支持する多孔質支 持層からなる。

触媒層には、通常白金またはそ の合金が担持されている。

セル当たりの出力電圧は0.7Vと低いので、セパレーターを介して直列に数百セル積層し たスタック構造として動作させる。

燃料電池の出力は直流であるので、逆変換装置(インバータ)で交流に変換する。

電力供給方式としては、電力網に並列接続して系統に電力を供給する系統連携運転方式 と、独立電源として設備単独で負荷に電力を供給する独立運転方式がある。

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-図5.4.1-4  燃料電池による電力供給システム(ツインインバータ)

出典:第25回・第26回新エネルギー講演会資料(1999年)

FC

常時 常時

LOAD INV2

INV1 FC停止時

バックアップ用高速スイッチ

図 5.4.1-4 にオンサイト用の電力供給システムの一例を示す。これは系統連携運転のツ

インインバータ方式の場合で、燃料電池の直流出力を分岐し、一方のインバータで自立負 荷、他方のインバータで系統へ電力を供給している。燃料電池故障時はサイリスタにより 無瞬断で系統からバックアップ電力を自立負荷へ供給する。自立負荷の余剰電力を系統へ 出力するため、常に高効率な定格運転が可能である。系統停電時にも無停電で負荷に電力 を供給継続する。

(2) システム特性 (a) プラント効率

図5.4.1-5に200kW級燃料電池のエネルギー収支の一例を示す。

発電効率は送電端で36〜40%、排熱回収効率は高位排熱回収(電池の冷却系統からの蒸

気)が 20%、低位排熱回収(改質器および電池の排ガス系統からの温水)が 20%程度と

なっており、燃料電池発電システムの燃料入力に対し 76〜80%程度の総合効率を見込む ことができる。

(b) 負荷応答性

起動時間は冷態(常温)の改質器に点火・昇温を開始する時点から定格負荷到達 までで3〜4時間である(冷態起動)。また、停止期間が 12時間程度の温態状態からの 起動では 1 時間程度で可能である(温態起動)。改質器の昇温が起動速度を左右する主要 条件となっている。

大幅な負荷急変は電池がガス欠乏状態になるため、電池の劣化を早める可能性があり、

現状では瞬時負荷変化幅は20〜25%程度としている。

(c) 環境適合特性

窒素酸化物(NOX)排出量は濃度 10ppm 以下が達成できる。硫黄酸化物(SOX)は前

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-述したように脱硫器が標準的に設置されており、全く問題ない。二酸化炭素(CO2)排出 量については、同容量クラスのディーゼルやガスエンジン方式に比較し高効率であること や燃料に炭素含有量の少ないメタンを主成分とする天然ガス等を使用するので他方式の 52〜70%となっている。

騒音・振動についても電池、改質器等の主要構成機器が静止機器であることから 発生は少なく、60dB以下(機側5m)であり、騒音の制約なしに都市部への設置が可能 である。

このように、燃料電池は良好な環境適合特性をもっている。

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-図5.4.1-1 オンサイト用燃料電池発電設備の構成(例) 出典:1998年第21回・22回新エネルギー講演会資料

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s       

図5.4.1-2 オンサイト用燃料電池システムフロー(例) 出典:1998年 21回・22回新エネルギー講演会資料

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-     項      目

出典:1998年第21回・22回新エネルギー講演会資料

表5.4.1-1

      仕          様

     

項       目

出典:1998年第21回・22回新エネルギー講演会資料

図5.4.1-5

 

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