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各用途の負荷曲線モデルと負荷平準化パターン例

ドキュメント内 通_、_Y業_ネ_糟1エネルギ_[庁殿 (ページ 103-106)

6.   地域大での負荷平準化効果の試算

6.3   各用途の負荷曲線モデルと負荷平準化パターン例

電力の消費パターンは、住宅、店舗、ビル、工場などで千差万別であり、また需要家単位や日 によっても異なるが、ここではそれぞれの夏季の1パターンについて例示するとともに、それら のデータを各需要家の代表として扱って負荷平準化の効果について検証することにする。また、

負荷平準化の方法についても、二次電池システム、太陽光発電、蓄熱システムなどその種類によ り大きく異なるが、ここではそれぞれについてモデル例を設定して展開する。 

 

(1) 住宅の負荷曲線例 

図 6.3-1 は夏季の住宅の負荷曲線と負荷平準化対策後の受電電力例を示しており、A1 は従来のパ ターン、A2 は二次電池システムにより昼間電力の大半を夜間時間帯に移行するピークシフトを実 施した場合、A3 は太陽光発電システムのモデル特性、A4 は太陽光発電システムを導入した場合の 受電電力を示す。ここで A2 の太陽光発電システムは、約 3kW の太陽電池で年間の平均発電量に近 い特性をモデルとした。なお、蓄熱システムは、住宅用としてここでは対象外とした。 

 

A1.住宅の夏季負荷曲線例

0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

0-1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23

時刻

負荷電力(kW

A2.住宅のピークシフト後の受電電力曲線例

0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

0-1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23

時刻

受電電力(kW

  A3.太陽光発電の電力曲線例

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

発電電力(kW)

A4.太陽光発電設置時の受電電力曲線例

-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

受電電力(kW)

  図 6.3-1  住宅の負荷曲線と対策後の受電電力例 

 

(2) 店舗(コンビニ)の負荷曲線例 

店舗には昼間営業型の店とコンビニの様に 24 時間営業の店があるが、ここでは 24 時間営業の コンビニエンス・ストアー(以下コンビニと省略)をモデルとして選定した[3]。一般的に 24 時 間営業しているコンビニ等の場合、図 6.3-2 のB1 に示す様に一日を通して昼間の消費電力がわず かに多いだけで負荷率は非常に高いと言える。また、ピーク電力も 25kW程度で、このパターンで はこれ以上ピークシフトする必要がないと判断し二次電池システムと蓄熱システムは対象外とし

- 96 -

た。但し、やや大きい店舗では 50kWを超えることも想定されるので、この場合はピークシフトシ ステムを採用されることも考えられるが、ここでは検討の対象外とした。なお、太陽光発電は設 置される可能性があるので、その設置後の受電電力曲線を図 6.3-2 のB2 に示す。ここで太陽光発 電システムは 10kWシステムとし前記の図 6.3-1 のA3 の発電特性に比例させている。また、受電電 力が 50kW以下の店舗の場合は、従量電灯Cと低圧電力契約の併用と位置づけられており、負荷曲 線は双方の合計を示す。 

B1.店舗(コンビニ)の夏季負荷曲線例

0 10 20 30

0-1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23

時刻

消費電力(

       図 6.3-2 店舗の負荷曲線例 

B2.太陽光発電設置時の電力特性例

0 5 10 15 20 25

0-1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23

時刻

電力(kW)

(3) 事務所ビルの負荷曲線例 

業務用高圧電力または業務用特別高圧電力契約は事務所ビルや学校、デパートなどが対象となる が、ここでは約 400kW の契約電力の事務所ビルをモデルとした。この事務所ビルのデータに基づ き二次電池システム、太陽光発電、蓄熱システムのそれぞれを設置した場合について検討する。

まず、図 6.3-3 の C1 は、何も対策しない場合の昼間稼働型の事務所ビルの負荷電力の例を示した ものである。C2 は二次電池システムにより1日のピーク電力を低減する対策を実施した後の

C1.事務所ビルの夏季負荷曲線例

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

0-1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23

時刻

電力kW)

 

C2.ビルで二次電池システム設置時の 電力特性例

-200 -100 0 100 200 300 400 500

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

電力(kW)

電池 装置 受電 電力 負荷 電力

- 97 -

       

                C3.ビルで太陽光発電設置時の電力特性例

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

電力(kW) 負荷

電力 PV 発電 電力 受電 電力

C4.ビルで蓄熱システム設置時の電力特性例

0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

電力(kW) 負荷

電力

対策 後受 電

 

 図 6.3-3  事務所ビルの負荷曲線例   

受電電力の推移を示している。C3 は太陽光発電を設置した場合の受電特性、C4 は氷蓄熱システム を設置した場合の推定特性を示している。なお、C4 の蓄熱システムについては電力消費の約 30%

が空調に費やされているものと仮定して推察で図示している。 

(4) 工場の負荷曲線例 

工場の場合は動力用負荷として扱われ、小規模は低圧電力または高圧電力 A、大規模では高圧電 力 B または 2000kW 以上の特別高圧電力で契約されている。図 6.3-4 は、約1万㎡規模の工場の夏 季における負荷曲線例を示すが、左図の D1 は何も対策しない場合、右図 D2 は二次電池システム を設置してピークシフトを実施した場合を示す。とくに工場の場合は、容量が非常に大きい関係 で、ピークシフトできる割合が小さくなるのはやむ得ないと考えられる。また、D3 は最大出力 100kW の太陽光発電システムを設置した場合、D4 は負荷電力の約 10%が空調機負荷と仮定しそれ を蓄熱システムに置換した場合を示す。 

   

D1.工場の夏季負荷曲線例

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

電力kW)

D2.工場での二次電池システム設置時の 電力特性例

-400 -200 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

電力kW)

電池装

受電電

負荷電

D3.工場での太陽光発電設置時の 電力特性例

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

電力(kW)

負荷 電力 PV発 電電 受電 電力

D4.工場での蓄熱システム設置時の 電力特性例

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

電力(kW)

負荷電

対策後 受電

  図 6.3-4 工場の負荷曲線例 

 

(5)その他 

前記以外の負荷平準化システムとして、省エネ型清涼飲料用自動販売機(エコベンダー)につ いても検討に加える。図 6.3-5 は、あるエコベンダーの負荷曲線例を示しており、昼間の1時〜4 時の 3 時間の消費電力をカットしている。この1台当たりの消費電力は小さく見えるが街中至る 所に設置されている販売機がエコベンダーとなれば負荷平準化の効果は非常に大きいと言える。 

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0.0 0.1 0.1 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.4 0.5 0.5

0-1 4 7 10 13 16 19 22

時刻

電力(kW)

ピーク カット 通常時

  図 6.3-5  エコベンダーの負荷曲線例 

 

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