• 検索結果がありません。

3 生体認証システム導入・運用事例

3.6 福岡メンテック

37

38

図 3-7 顔認証システムを用いた認証

福岡メンテックの顔認証システムは、勤怠管理と作業割当表の作成を目的としてい るため、認証失敗(本人拒否)時には、候補者一覧が画面上に表示される。従業員は、

そのリストの中から自身の名前を選択することで、出勤したことをシステムに伝える 仕組みとなっている。この際、取得した顔画像も生体情報として登録し、次回認証時 に利用する。

(3) ユーザに対して配慮した点

認証システムの選定においては、写真撮影等のなれを考慮して従業員の心理的障害 が少ないこと、認証に係る時間が1秒程度と短いことなどから顔認証システムを導入 することとした。

導入前、従業員には、顔認証システムを導入することの告知を行った。システム管 理を行う管理者には1日程度の講習を実施した。また、システム導入時の混乱を低減 するため、面着板と顔認証システムの並存期間を1ヶ月程度設けた。

導入後、認証精度を向上させるために、認証に用いる顔画像は複数枚サーバに保管 しておき、認証を行う際には、前回の認証時に成功した画像を1番はじめに用いる様 に、システムの改修を行った。また、従業員従業員の認証に係る負担をさらに低減す るために、認証端末画面に表示される顔画像を大きくすると共に、認証時にナビゲー ションを表示し、適切な位置に移動しやすいようにした。

39 (4) システム管理に配慮した点

システム設計時に、氏名と生体情報を暗号化して保管することと、3ヶ月に1度あ る停電時に自動で起動するように設計を行った。

システム導入前には、認証精度の確認を実施し、システム稼動後も含めて、システ ムの改修を実施して認証率の向上をはかった。

また、システムの導入を行ったベンダの社員が、システムが不慮の停止をした場合 には、すぐに対応できるような体制が取られている。

(5) 運用状況

導入当初は、認証率に不満があったが、システム改修により性能が向上し、現在で はほぼ正確に認証ができるようになっている。

また、現在据え置きのPCにPCカメラを設置して認証装置を構成しているが、ほ こり等がたまり故障する危険性があるため、扇風機を用いてほこりがたまりにくいよ うにしている。カメラ付きのモバイル端末が市場に出回っていることから、現在据え 置きのPCからカメラ付きモバイル端末への意向を検討している。

それ以外では特に大きな問題もなく、良好に稼動している。

(6) システム導入の効果

従業員の出退勤管理並びに、作業割当にかかっていた手間が削減され、業務効率の 改善がなされた。また、従業員の休憩所に設置された大型ディスプレイに生体認証結 果を含めた勤務情報が投影されることにより、従業員は自身の仕事の割当が見やすく なり、作業効率が向上した。

40