• 検索結果がありません。

3 生体認証システム導入・運用事例

3.10 多久市教育委員会

48

49

図 3-11 児童が顔認証でPCログインしている様子

サーバに保管されている顔画像は、最初は登録時に撮影した5枚の顔画像であるが、

認証を行うたびに、認証成功した画像と置き換えていき、最大3枚まで置き換える仕 組みとなっている。この機能により、顔認証システムが安定して稼働している。

(3) ユーザに配慮した点

顔認証では、児童生徒が喜んで登録操作している様子であり、導入の妨げにはなら なかった。また、クレーム等も発生していない。

市内全小中学校に1名ずつのICT支援委員を配置し、教職員や児童生徒へのサポー トを行っている。このため、システムの導入・運用がスムーズに進んでいる。

保護者に対しても、パソコン教室での授業参観を通して、顔認証システムを自分の 子供が利用している状況を実際に目にすることにより、理解をしてもらうようにして いる。このため、保護者からの不満や問い合わせ等があったことはない。

(4) システム管理に配慮した点

常時のパソコン教室の開放を目指し、カメラを3台設置して、室内の様子を職員室 から確認できるようにした。

また、生体情報の登録や再登録も児童生徒が自分で行い、教員が確認してからサー バに登録する仕組みとした。

認証システムの運用状況は月1回の認証ログの確認を納入業者が行っている。極端 に認証失敗する例がある場合は、ベンダから学校側に連絡し、学校で原因等の究明を 行う。

50 (5) 運用状況

安定的に運用されており、これまでに特に問題は発生していない。

(6) システム導入の効果

児童生徒のパソコン活用の動機づけにつながっており、セキュリティ意識の向上に もなっている。例えば、遊び目的やいたずら目的でのパソコンの利用はほとんどなく、

勉強や情報収集を目的とした利用が着実に増えてきている。特に電子コンテンツ(ド リル)への自発的な取り組みが増えてきている。

電子黒板については、紙の教科書ではできない授業のコンテンツで授業を行うこと ができたり、児童生徒が個々人の作品などを画面に写すなどができたりなど、よりダ イナミックな授業が展開できるようになり、児童生徒に大好評である。教員にとって も、スイッチひとつで直ぐに授業に入れるため、評判がよい。ICT支援員が授業に使 えるコンテンツを集めてくれるなどの支援もあり、教員の教材作成が行いやすくなっ ている。このように、システム導入を契機として、多久市の小中学校では教育面で非 常によい循環が生まれてきている。

51