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信号切り替わり時の停止/通過挙動の分析に使用したビデオ映像の対象交差点および分析対象とした流 入部に関する諸量を表 4.1に示す.

𝐿 = 𝜏𝑉 +𝑉 2𝑑 ジレンマ・ゾーン 

黄信号開始時の走行位置 X [m]

黄信号開始時の

オプション・ゾーン

𝐿 = 𝑌𝑉

停止領域 通過領域 

30

表 4.1  停止/通過挙動の分析に使用したデータ(直進車)  交差点 流入部 停止線セットバッ

ク[m]

黄時 間[s]

全赤時

間[s] 分析対象時間 サンプル数 停止 通過 合計 末盛通2 東 18.0 3 − 9:00~12:00 25 35 60 太閤通3 北 17.7 3 −

7:30~10:20 24 24 48

南 22.3 3 − 23 26 29

西大須 北 30.2 4 −

9:30~12:30 27 34 61

西 26.7 4 − 2 4 6

桜山 北 19.5 3 3 7:20~10:20 39 34 73

熱田神宮南

西 8.7 3 4

7:00~10:00

41 42 83

南 8.1 3 5 18 17 35

北 9.4 3 5 40 38 78

西大須西流入部は直進青に十分余裕があり,黄開始時には停止線上流に車両が存在しない場合が多かっ たためにサンプル数が少ない.単純4現示制御である末盛通2,太閤通3,西大須の各交差点では丸青と右 折矢の間に全赤時間は設けられておらず黄時間のみであるが,矢印制御の熱田神宮南では右折矢の前に全 赤時間が設けられている.また,単純4現示制御の交差点では右折車は直進青の間,交差点内で待機する ことができるが,熱田神宮南は矢印(右直分離)制御であるため,直進青の間,右折車は交差点内に進入で きずに停止線で待機することになる.

4.3.1 単純 4 現示制御 

単純4現示制御である末盛通2,太閤通3,西大須の3交差点の計5流入部について,図 4.3のように X-V図を描き傾向を比較する.サンプルは普通車のみである.全体的に,通過領域の車両は通過し停止領 域の車両は停止しており,それぞれの領域に応じた判断がなされているといえる.しかし,通過領域であ っても停止した車両や,逆に停止領域でありながら通過した車両も存在する(以後,誤判定と称す).また,

ジレンマ/オプション・ゾーンに存在する車両も少なからずみられ,それらの判断は停止/通過一意に決ま らず,ドライバーによって判断が分かれている.

通過領域に存在するにも関わらず停止する車両を「停止(通過領域)」,停止領域に存在するにも関わらず 通過した車両を「通過(停止領域)」とし,各流入部についてその台数と全体のサンプル数に対する割合を 調べた.これとジレンマ/オプション各ゾーンに存在する車両台数と割合を表 4.2に示す.

末盛通2東流入部や太閤通3南流入部では,誤判定をする車両は比較的少なく,誤判定があったとして も各領域の境界付近の車両もしくはジレンマ/オプション・ゾーン内の車両のみである.各車両が黄開始時 の速度と位置に応じてほぼ一様な判断をしている.停止線のセットバック量が比較的小さいためと考えら れる.しかし太閤通3北流入部は最もセットバックが小さいにも関わらず,誤判定は多く,停止と通過が 混在している.接近速度のバラツキが大きいことが影響していると考えられる.

停止線の後退した西大須では,これら誤判定をした車両が多く存在している.特に,通過可能であって も停止する車両が全体の15%以上を占めている.停止領域からかなりはずれた領域に存在するにも関わら ず,停止判断をする車両も特徴的である.この理由として,西大須は交差点サイズが大きく,例え黄時間

31

内に停止線を通過できたとしても,交錯点到達までに時間を要するため,対向右折車との交錯を恐れて停 止したためと考えられる.車両の接近速度が比較的高いことも影響要因として挙げられる.

表 4.2  誤判定とジレンマ/オプション・ゾーンの件数(単純 4 現示制御) 

交差点 流入部 停止(通過領域) 通過(停止領域) ジレンマ オプション 台数 割合 台数 割合 台数 割合 台数 割合 末盛通2 東 3 5.0% 3 5.0% 4 6.7% 2 3.3%

太閤通3 北 2 4.2% 4 8.3% 2 4.2% 0 0.0%

南 0 0.0% 2 4.1% 0 0.0% 0 0.0%

西大須 北 10 16.4% 5 8.2% 0 0.0% 10 16.4%

西 1 16.7% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0%

また,西大須北流入部ではオプション・ゾーンに存在する車両が多い.これは黄時間が4秒と他より長 く設定されていることに起因すると考えられる.黄時間長が変わればドライバー挙動も変化するため一概 にはいえないが,仮に黄時間3秒としても今と同じドライバー判断が行われるとすれば,L2は破線の位置 に変化し,オプション・ゾーンの車両は0台となる.しかし,その場合,今度はジレンマ・ゾーンに5台 の車両が存在することとなる.

これらの特徴により,西大須北流入部の X-V 図では,たとえ同じ領域にあっても停止/通過の挙動が混 在した結果となった.このような状況では先行車の挙動を誤って予測し,追突する危険が高いといえる.

また,停止可能であっても通過する車両は,どの交差点にも存在した.この原因として,黄時間中の加速 と追従状態による影響が考えられる.X-V図では,黄開始時の車両の接近速度のままで走行すると仮定し て通過領域を決定しているが,実際には車両は黄時間中に加速すると予想される.

(a) 末盛通2・東 (b) 太閤通3・北

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の停止線からの距離 [m]

通過(n=26) 停止(n=35) L1

L2

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の停止線からの距離 [m]

通過(n=24) 停止(n=24) L1

L2

32

(c) 太閤通3・南 (d) 西大須・北

図 4.3  X‑V 図(単純 4 現示制御)  (a) 追従状態別の影響 

また,黄信号に直面した車両が車群中にある場合,集団心理によって全赤時間中に先行車両に追従した まま交差点内へ進入しやすくなると考えられる.そこで,先行車との車間距離が30m未満である場合を追 従,30m以上の場合を非追従として,それらの関係を調べた(図 4.4).

これをみると,まず追従状態では非追従状態に比べて接近速度が低い傾向にある.また,等速で交錯点 を通過可能な領域から大きくはずれているにも関わらず,通過判断をしている場合が多くみられる.停止 車両についても,追従状態では停止/通過の判断が混在する領域に存在することが多い.追従状態にある場 合,先に述べたような先行車について駆け込みをする車両がいる一方,先行車が急ブレーキをかけること を危惧して,停止する車両も存在する.そのために両者が混在した領域が存在すると考えられる.ただ,

太閤通3南流入部や西大須などでは,非追従状態でも駆け込みをする車両も多く存在する.

(a) 太閤通3・北 (b) 太閤通3・南

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の停止線からの距離 [m]

通過(n=23) 停止(n=26) L1

L2

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の停止線からの距離 [m]

通過(n=27) 停止(n=34) L2(Y=3[s]) L1 L2

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の停止線からの距離 [m]

L2

Go(unfollow)(n=11) Go(follow)(n=13) Stop(unfollow)(n=12) Stop(follow)(n=12)

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の停止線からの距離 [m]

L2

Go(unfollow)(n=12) Go(follow)(n=11) Stop(unfollow)(n=15) Stop(follow)(n=11)

33

(c) 西大須・北 (d) 末盛通2・東

図 4.4   X‑V 図(追従状態別の比較) 

(b) 停止線位置と交錯点位置による比較 

黄開始時の停止線からの距離に基づいて分析をしてきたが,たとえ停止線からの距離が同じであっても,

交差点サイズやセットバックによって交錯点までの距離は異なる.もし黄終了(右折矢開始)までに停止線 を通過できたとしても交錯点を通過できなければ,次現示の右折車の発進に影響を及ぼすこととなる.ま た,交錯(右直衝突)の危険性が高くなる.そのため,X-V図のX軸の基準点を停止線位置から交錯点とし 傾向を調べた.なお,交錯点の位置は各通過車両と対向右折車の走行軌跡から求めるためにサイクルごと に異なっている.

各交差点を比較すると,末盛通2や太閤通3では比較的停止/通過の判断が速度と距離に応じて分かれて いるが,西大須では両方の判断をする領域が存在するという,停止線基準の時と同様の傾向がみられる.

L2は黄時間中に等速で進むことのできる距離を表すが,図 4.5からわかる通り,各交差点とも通過車両の 多くは接近速度のままでは右折矢開始までに交錯点を通過できない.このことから,通過車両は黄時間中 に加速していることが考えられる.

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の停止線からの距離 [m]

L2

Go(unfollow)(n=17) Go(follow)(n=10) Stop(follow)(n=12) Stop(unfollow)(n=22)

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の停止線からの距離 [m]

L2

Go(follow)(n=17) Go(unfollow)(n=9) Stop(follow)(n=11) Stop(unfollow)(n=24)

34

(a) 太閤通3・北 (b) 太閤通3・南

(c) 西大須・北 (d) 末盛通2・東

図 4.5  X‑V 図(交錯点を基準とした場合) 

(c) 黄時間中での速度変化 

黄時間中での速度変化について比較するため,黄開始時の速度と黄終了時の速度をプロットしたものが 図 4.6である.これより,太閤通3の北側流入部を除き,いずれの流入部において黄終了時までに速度は 上昇する加速傾向にあり,黄開始時よりも1割程度速度が上昇していることがわかる.特に西大須交差点 では黄時間長が他の流入部に比べ長めの4秒であるため,速度の増加割合が若干高くなっている.一方,

太閤通3の北側流入部では,他の流入部と比較して加速傾向は明確ではない.これは,太閤通3の北側流 入部の交通需要が高く,先行車との車間距離が狭まることで加速しづらい状況にあることが推測される.

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の交錯点からの距離 [m]

Go(n=24) Stop(n=24) L2

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の交錯点からの距離 [m]

Go(n=23) Stop(n=26) L2

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の交錯点からの距離 [m]

Go(n=27) Stop(n=34) L2

0 5 10 15 20 25

0 20 40 60 80 100 120 140 160

走行速度[m/s]

黄開始時の交錯点からの距離 [m]

Go(n=26) Stop(n=35) L2

35

(a) 末盛通2・東 (b) 太閤通3・南

(c) 熱田神宮南・西 (d) 西大須・北

図 4.6  通過判断車両の黄開始/終了時の速度変化  (d) 車種による比較 

図 4.7に車種別のX-V図を示す.大型車の場合,急な減速が困難なため普通車と同じ場面にあっても通 過判断をする可能性高いと考えられる.しかし,大型車の場合と普通車の場合を比較すると,ほぼ同じ挙 動を示しているように見える.大型車の接近速度が普通車に比べて低いため,そのような傾向が見られな かったと考えられる.

0 5 10 15 20 25

0 5 10 15 20 25

黄終了時の速度[m/s]

黄開始時の速度 [m/s]

0 5 10 15 20 25

0 5 10 15 20 25

黄終了時の速度[m/s]

黄開始時の速度 [m/s]

0 5 10 15 20 25

0 5 10 15 20 25

黄終了時の速度[m/s]

黄開始時の速度 [m/s]

0 5 10 15 20 25

0 5 10 15 20 25

黄終了時の速度[m/s]

黄開始時の速度 [m/s]

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