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右左折走行軌跡の分析に使用したデータを表 6.1に示す.

前節で述べた分析手法により,走行軌跡データより右左折時の走行軌跡A1, Rmin, A2それぞれのパラメー タを推定した.これら走行軌跡を構成する線形要素パラメータのばらつきに道路構造および車両の進入条 件が及ぼす影響について分析した上で,線形要素パラメータを道路構造要因,進入速度などから説明する 右左折走行軌跡の推定モデルを構築する.

表 6.1  右左折走行軌跡の分析に使用したデータ 

交差点名 流入部 車線数 右折時の 交差角度

[°]

交差点中心*1から中 央分離帯までの距離

[m]

中央分離 帯ノーズ 付近のゼ ブラ

路面標示 の有無 (1:

あり,0:な し) 流入部 流出部 流入部 流出部 流入部 流出部 西大須 東 5 3 106 27.2 29.2 1 1

北 5 3 74 31.1 31 1 1

130

150

170

190

210 90 110

130 150

170

クロソイド1 円弧 クロソイド2 推定値 観測値 IP点

BC 交差角  EC点

方向角 

単位 [m]

61 桜山

東 4 3 84 31.5 27.7 0 0 南 4 2 90 22.9 29.2 0 0 北 4 2 96 29.7 28.8 0 0

末盛通2

東 4 2 113 15.3 19.4 1 1 西 4 2 88 15.3*2 13.9 1*2 0 南 3 3 93 17.2 12 0 1 北 3 3 67 23 13.6*2 1 1*2 川名 北 3 2 106 35.4 24.1 0 0 砂田橋 西 3 2 90 19.3 18.5 0 1 北 3 2 91 15.3 19.1 1 0

*1 中央分離帯の延長線同士の交点

*2 末盛通2交差点西流入部にはゼブラ標示上にラバーポールが設置されているため,これらは中央分離帯とみなした 6.3.1 右折走行軌跡 

(a) 流入部ごとの線形要素パラメータ 

表 6.2に流入部別の線形要素パラメータの算出結果を示す.これより,交差点サイズが大きいほどパラ メータの値も大きくなっている.また,川名交差点では交差点規模に比べRminが大きいが,これは,停止 線位置が大きくセットバックしており,かつ交差角度も鈍角であることから,大きな曲率半径で転回して いるためと考えられる.さらに,川名交差点ではパラメータのばらつきも他の交差点と比べて大きいこと から,右折時の動線の自由度が高い交差点であるといえる.

表 6.2  流入部ごとの線形要素パラメータ(右折) 

交差点名

流入部 A1 Rmin A2 サンプル数

平均 [m]

標準 偏差 [m]

変動 係数

平均 [m]

標準 偏差 [m]

変動 係数

平均 [m]

標準 偏差 [m]

変動 係数

西大須 東 36.4 1.7 0.05 31.6 2.7 0.09 31.9 2.8 0.09 3 北 23.6 2.9 0.12 22.3 2.3 0.10 27.5 3.0 0.11 7

桜山

東 26.7 1.7 0.06 22.6 2.0 0.09 24.4 1.7 0.07 5 南 23.6 2.6 0.11 21.2 3.7 0.17 23.7 2.3 0.10 6 北 30.5 1.1 0.04 24.7 3.9 0.16 25.2 4.5 0.18 2

末盛通2

東 22.0 4.3 0.20 27.2 2.2 0.08 27.6 3.4 0.12 5 西 19.2 2.2 0.11 19.2 3.3 0.17 19.1 1.7 0.09 4 南 22.1 3.1 0.14 20.5 2.9 0.14 22.3 2.1 0.09 6 北 24.5 1.5 0.06 15.0 0.9 0.06 17.4 1.8 0.10 4 川名 北 27.8 4.4 0.16 25.0 5.5 0.22 27.4 4.5 0.16 13 砂田橋 西 21.0 2.3 0.11 19.9 2.7 0.14 20.7 2.9 0.14 15

北 20.1 3.1 0.15 17.1 0.6 0.04 20.4 1.8 0.09 4 (交差点流出後に最内側車線を走行した車両のみ集計)

(b) 線形要素の構成比 

図 6.3に流出後最内側車線を走行した右折車両について,軌跡曲線部における線形要素の構成比を示す.

62

図 6.3  流入部別の曲線部における線形要素の構成比(右折) 

これより,交差角度が直角に近いとクロソイド1区間とクロソイド2区間の比率がほぼ等しく対称に近 い軌跡になるといえる.また,末盛通2交差点の北側流入部ではクロソイド1区間の比率が特に高い.こ れは右折後の西側流入部にラバーポールが設置されており,表 6.2より最小曲線半径が非常に小さいこと からわかるように,右折時にハンドルを素早く操作する必要があり,相対的にクロソイド2の区間が短く なることが要因として挙げられる.以上より,右折走行軌跡は交差点の道路構造要素と強い関係があると 考えられる.

6.3.2 左折走行軌跡 

(a) 流入部ごとの線形要素パラメータ 

表 6.3に流入部別の線形要素パラメータの算出結果を示す.これより,交差点サイズが大きいほどパラ メータの値も大きくなっている.また,川名交差点では交差点規模の割にRminが大きいが,これは,停止 線位置が大きくセットバックしており,かつ交差角度も鈍角であることから,大きな曲率半径で転回して いるためと考えられる.さらに,川名交差点ではパラメータのばらつきも他の交差点と比べて大きいこと から,右折時の動線の自由度が高い交差点であるといえる.

表 6.3  流入部ごとの線形要素パラメータ(左折) 

交差点名

流入部 A1 Rmin A2 サンプル数

平均 [m]

標準 偏差 [m]

変動 係数

平均 [m]

標準 偏差 [m]

変動 係数

平均 [m]

標準 偏差 [m]

変動 係数 西大須 西 22.6 2.5 0.11 19.6 1.9 0.10 26.8 3.7 0.14 11

川名 西 22.1 1.5 0.07 19.9 2.0 0.10 21.0 2.5 0.12 8

末盛通2

東 14.0 1.7 0.12 11.4 1.3 0.11 14.4 1.7 0.12 58 西 14.5 1.4 0.10 11.6 0.7 0.06 18.0 1.4 0.08 12 北 24.4 2.6 0.11 23.4 2.4 0.10 25.4 3.5 0.14 19 太閤通3 西 15.4 1.8 0.12 13.0 2.4 0.18 16.1 4.3 0.27 2

南 17.9 1.6 0.09 14.8 1.3 0.09 18.2 1.8 0.10 13

0% 25% 50% 75% 100%

西 西

砂田

末盛通2桜山

西大

クロソイド1 円弧 クロソイド2

63

地下鉄堀田 東 15.6 2.4 0.15 15.6 2.7 0.17 23.1 4.4 0.19 5 南 20.4 1.4 0.07 16.5 1.0 0.06 20.7 2.6 0.13 4

(交差点流出後に最内側車線を走行した車両のみ集計) (b) 線形要素の構成比 

図 6.4に交差点流出後に最内側車線を走行した左折車両について,軌跡曲線部における線形要素の構成 比を示す.

図 6.4  流入部別の曲線部における線形要素の構成比(左折) 

これより,隅角部半径が小さい交差点では,隅角部に沿って左折するためにクロソイド1区間とクロソ イド2区間の比率がほぼ等しく対称に近い軌跡になるといえる.一方で,西大須の西側流入部のように隅 角部半径が大きくなる左折では,クロソイド2区間の比率が高くなる.これより,隅角部半径が大きい場 合には,左折車は左折前半部分においては隅角部に沿って左折するものといえる.また,鈍角での左折と なる川名の西側流入部では,クロソイド1区間の比率が高いことから,隅角部に沿うように走行するので はなく,ショートカットして走行しやすいことが考えられる.左折走行軌跡は隅角部の影響が強いと考え られるが,流入部ごとに取得されたサンプル数が大きく偏っているため,詳細については後述するモデル 分析において考察する.

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