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関西大学自己点検・評価委員会

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第Ⅱ編  正課教育活動〈学部・大学院〉 

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(1)  教育理念・目標 

関西大学の前身である関西法律学校は、1886年(明治19年)11月  4 日、大阪西区京町堀の願宗寺で開校され た。これは、関西における最初の法律学校であった。「法律が市民のものであり、市民は法律によって自らを 守るべきである」とする「正義と自由」を愛する学風がここから生まれた。旧制大学令による大学への昇格 を目指して、関西大学の運営にあたった関西財界の指導者山岡順太郎は、大学昇格後の新大学建設の指導理 念として「学理と実際との調和」「国際的精神の涵養」「外国語学習の必要」「体育の奨励」を提唱し、「学の 実化」を説いた。 

第  2 次世界大戦後の復興期、関西大学を率いた岩崎卯一学長は、新制大学への転身を果たすと共に、就任に あたって広く外に目を向けた「関大ルネッサンスの構想」を提唱した。また、同学長は、「深い思索と広い視 野をもって関大アカデミアを築こう。世界観に裏付けられた確固とした信念に基づいて理論を立て、文化協 同体を作り出してほしい」と学生に訴えた。1960年代末以降、学園紛争と改革の時代をへて関西大学で提唱 されたのが「開かれた大学」の理念であった。この理念は、「国際化の促進」「情報化社会への対応」と並ん で今日にいたるまで学内に定着している。 

また、1986年11月、関西大学創立100周年の記念式典において、大西昭男学長(当時)は、関西大学の草創 期を支え、激動の明治に大阪を舞台に活躍した創設者の心を「心」として関西大学の第  2 世紀にむけて新たな 展開をとげること―「大阪の大学」「日本のなかの大学」から「世界のなかの大学」へ―を表明している。こ れは、建学の精神を見つめなおす機会であった。 

このように、現在、関西大学の教育理念は、「正義と自由」(「正義を権力より護れ」)と「学の実化」を建 学の精神とし、「開かれた大学」「国際化の促進」「情報化社会への対応」の  3 本柱に支えられている。しかし、

変革の時代にあって、21世紀の関西大学の発展を期するためには、新しい教育理念を構築し、前進していく 必要がある。その理念を支えるキーワードとしては「人間」を中心にし、「情報」と「技術」、そしてそれら を包む「社会」を含むことが望ましい。そのために「個性化と多様化」「グローバル化とネットワーク化」

「開放と交流」といった理念的目標を21世紀の関西大学の新しい教学方針とすべきであるという提言もある

(『関西大学の将来構想―創造的に前進する大学を目指して―:最終報告』1998年  9 月  関西大学将来構想計 画委員会)が、いまだ具体化されまでには至っていない。 

関西大学を構成する各学部・外国語教育研究機構及び各研究科では、それぞれ独自の教育の理念と目標が 定められている(表Ⅱ‑  1  ‑ 1 )。これらを設定する際に、建学の精神や理念とどのように関連づけ、また、変 化を常とする現実にあうように具体的な独自の下位目標をどのように設定するかが一つの課題となる。各学 部で刊行されている『学部案内』には学部独自の教育理念や目標が掲載されているが、それぞれ観点を異に し、時として建学の精神や「  3  本柱」との関連性が希薄なものもみられると、これまでも指摘されてきた

(「自己点検・評価報告書(1997−1998)」)。 

これまでは各学部・研究科の自己点検・評価報告書等で指摘されていたのは、関西大学の教育理念や目標 が、各学部・外国語教育研究機構及び各研究科に共通する教育のカリキュラムやそれぞれ独自に組まれる専 門教育のカリキュラムと具体的にどのような対応関係にあるか、という点である。そして、これについては、

各学部・外国語教育研究機構及び各研究科において独自の努力が行われてきた。例えば、「国際化の促進」で は、各学部・外国語教育研究機構及び研究科がこの課題に対する取り組みのパブリシティをもっと高める努 力が必要であろう。また「情報化社会への対応」では、この社会に生きていく学生たちのために情報処理と その関連分野における力量を高めていくことが一層求められるであろう。さらに「開かれた大学」では、関

西大学で行われている教育や研究の具体的内容について国内と海外の両方の交流拠点を含めて、学内外に周 知する体制の充実や地域の人々との交流を通じて関西大学の存在意義を確かなものとする地道な日常の営み が求められるであろう。 

 

表Ⅱ‑1‑1  各学部・外国語教育研究機構・大学院各研究科の教育理念・目標 

学  部  等  学部等の教育理念  学部等の教育目標 

部  「人権の確立と尊重」  リーガルマインド(法規範を判断基準として諸問題を総合的 に分析し一定の結論を導き出す思考方法)の育成

内外の政治、行政、政策を多角的に分析・研究し、グロー バルな視野と幅広い知識をもった人材の育成

部  人間存在の全体像と学問的真理の追究  人間がつくりあげた文化遺産ともいえる言語・文化や、哲 学・思想・歴史・地理などの学問を通じて、幅広い教養的知 識と高度の専門的知識を備えた人材を養成する 

部  地球的視野に立って経済学の本質を究明 し、地球市民として経済学を活用できる学 識の育成を図る 

古今東西にわたる広い視野に立ち、経済社会の実際を的確に 把握できるよう、「理論」「政策」「歴史」を教育体系の柱とし て、「空理空論に陥ることなく、確固たる理論を歴史的実証で 裏打ちした政策論を展開できる人材」を育成する  部  ボーダーレス化する将来の社会に対応でき

る能力の育成を図る 

広範な情報を収集、分類、分析、加工して新たな価値を創造 し、的確な意思決定を行える能力の育成 

部  「伝統と革新の調和」「専門性と学際性の 調和」 

「理論研究と実証分析の調和」を図る 

部  人間と社会にかかわる幅広い領域を「情 報」「コミュニケーション」「国際化」の視 点から分析し、人間の可能性を拡大させる 

「問題解決能力」と「国際性」を兼ね備えた「情報ジェネラ リスト」の育成 

部  科学技術の急速な進展と複雑に高度化する 産業社会に対応できる人材の育成 

創造性のある高度な技術者・研究者の育成 

外 国 語 教 育 研 究 機 構  高度な外国語能力を有し、国際社会において活躍できる人材の育成   

研  究  科  研究科の理念・目標 

科  法学に関する理論及び応用を教授研究し、その深奥を究めて、人類文化の進展に寄与する  社会の変動に敏感に対応した研究・教育の推進と優秀な人材の育成 

科  それぞれの道で研究・研修を重ねたスペシャリストの養成 

洋の東西にわたる文学、思想・哲学、また歴史学、地理学及び教育学、心理学の各分野で、高度の教育と研 究を行い、優秀な大学教育・研究者と高度専門職の人材の養成 

科  経済学の研究及び教育水準を維持・向上させ、経済学に関する新知識を普及するため、魅力的で良質のカリ キュラムを提供し、高度の研究・教育環境を整備する 

科  流通・ファイナンス・国際ビジネス・会計・経営の各分野において次代の学術研究の発展を担う高度の研究 能力を持った研究者の育成並びに複雑化し激しく変動する企業行動を高い専門知識をもって分析し、諸問題 に対処していくのに必要な能力を備えた高度専門職業人の育成 

科  高度な創造的能力と自立的活動力を持つ専門家の養成 

理論と実践の両側面を視野に入れ、生産的な展望を持ちながら具体的な問題解決に当たることができる人材 の育成 

総 合 情 報 学 研 究 科  関西大学の理念である「学の実化」に基づき、21世紀の高度情報社会において社会の各分野で指導的役割を 担う広い視野と問題解決能力を備えた「高度な専門知識を有する職業人(情報スペシャリスト)」の養成  科  研究・開発に対する独創性と指導性を兼ね備えた広い視野を有する技術者、研究者の養成 

独創性と高度かつ幅広い専門知識を持った研究者・技術者の養成と、さらには幅広い視野と豊かな人間性を 持ち、基礎学力を十分身につけた、国内はもちろん国際社会でも活躍できる創造性豊かな人材の育成 

(注)「関西大学『学の実化』データブック2001」P.  6  より   

(2)  正課教育の概況と問題点 

ア  変動する社会のなかでの高等教育 

今日、大学及び大学院への進学率は上昇し、バラエティに富んだ入学試験を経て実に多様な動機を持った 学生が受け入れられるようになっている。これまでも各学部及び各研究科では、どのようなアドミッショ

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