︵N量旦日
800
600
表4−2−2成膜速度を変化させて作製したSrS:Ce薄膜EL素子における輝度(L、。, L、。),発 光効率(η、。,η、。)およびCIE色度座標値.1kHzのパルス波電圧駆動の場合で ある.
Deposition Rate Lω(cd/m2) η・・(豆mハv) CIE(x, y) Lω(cd垣2) ηω(lm/W) C肥(x,y)
17nm/m{n. 190 0.61 (0.25,0・47) 265 0.53 (0.25,0・47)
340nm/min. 370 0.71 (0・30,052) 540 0.71 (0.30,0.52)
(〉
j唱
﹀口⑪嵩⇒
3
)2
1
0
SrS:Ce TFEL Devices
0
Deposltlon Rate
50 100 150
Time t(μs)250
200
150ε
〉 品
…§
〉
200 50
0
図4↓11成膜速度を変化させて作製したSrS:Ce薄膜EL素子における電流時間応答特 性i(t).周波数100H乞の台形波パルス電圧を用いて測定した. EL素子のAl電 極側を正極として測定した場合である.
れる。それぞれの素子における、しきい電圧よりも40Vまたは60V高い場合の輝度(L、。,
Lω)、発光効率(η、。,η、。)およびCIE色度座標値を表4−2−2にまとめる。
次に、同EL素子に周波数100 Hzの台形波パルス電圧を印加した場合の電流時間応答 特性i(t)を測定した。図4−2−11に成膜速度を変化させて作製したEL素子の輌(t)特性を示 す。このi(t)特性は、EL素子のA1電極側を正極として測定した場合である。つまり、
ITO透明電極側のSi、N、/SrS:Ce界面から電子が注入している場合のi(t)特性である。図4−
2−11を見ると、成膜速度を速くした場合の方が、SrS:Ce発光層内の空間電荷の生成によ るスパイク電流が大きいことがわかる。(445)成膜速度が速い場合においてスパイク電流が 大きいのは、SrS:Ce発光層申にCe3・−V、,複合中心が多く生成されていること、⑭もしく はSrS:Ce発光層の成長初期段階に見られるDead Layerが多いこと⇔が原因であると考 えられる。図4−2−10において成膜速度が速い場合の素子において移動電荷量が大きかっ たのは、このスパイク電流の大きさが原因であると考えられる。
以上の結果より、SrS:Ce発光層の成膜速度を速く制御することにより、 Ce3÷発光中心の SrS格子中への取り込みの促進ならびに膜厚方向に対するSr/S組成比とCe3+発光中心の 均一化による高輝度化・高発光効率化の実現が可能であることがわかった。しかし、同 時にCe・・−V、,複合中心の生成による発光ピークの長波長側へのシフトが生じることもわか
った。
4−2−3.硫黄供給の方法一ZnS共蒸着とH2Sガス供給一
本項では、成膜時における硫黄供給の最適な方法について検討を行う。図4−242に示 す蒸気圧曲線より、(447)1000K(727°C)以下の温度領域において、硫黄の蒸気圧はSrのそ れよりもかなり高い。ゆえに、化学量論比を満足するSrS薄膜を作製するためには、何ら かの方法で外部から硫黄供給を行う必要がある。硫黄の供給方法の一つに、硫黄粉末を 150〜300°Cで熱することにより作り出した硫黄蒸気を基板上に直接吹き付ける方法があ
る。(4−10,13,15,48)しかし、この方法は大きな問題がある。それは、硫黄粉末を200〜300°Cで
熱することにより生成される硫黄蒸気には、硫黄の供給として必要な低分子のSやS、に 比べて、高分子のS、やS、が多く存在することである。⑭高分子系の硫黄は、効果的な
一161一
10
00 1
4
10
︵目島︶2霧︒・㊤慮8昔﹀
認s2 z醜驚z髄s
稔e→ 10
200 600 1000 1400 1800
Tempera飯e(K)
図4−242 蒸気圧曲線[(4−47)日本真空技術株式会社:「真空ハンドブヅク」、オーム社、
(1992)p.145]
硫黄供給ができないだけでなく、反応性の乏しさから、真空槽内に付着して、真空度を 悪化させるような悪影響を及ぼす。一方、高分子系の硫黄の生成を抑制するために、硫 黄蒸気を600〜800°Cで熱分解して供給を行った場合の検討が行われ、SτS:Ce薄膜の結晶 性に対して硫黄蒸気の熱分解が効果的であることが見出されている。(卿硫黄の同素体に
は、斜方硫黄(α硫黄)、単斜硫黄(β疏黄)、ゴミ状硫黄、そして無定形硫黄の4種類が 存在するが、室温で熱力学的に安定な形態は斜方硫黄である。これは、かんむり形をし たS、の環でできている。硫黄の沸点は444.674°Cで、その温度にてS、、1000°CにてS、、
4000℃にてSが優i越する。(46G)
一方、低分子のSやS、による効率の良い硫黄供給を行うために、ZnS共蒸着、(4 14)
Ga,S、を用いた供給、(+7)およびH、Sガスによる供給(+11〜13)を行った検討がなされている。
ZnSの共蒸着を行った場合には、 SrS:Ce薄膜の結晶性やEL特性の改善だけでなく、発光 ピークの短波長化も生じる。(4つ4)また、Ga、S、を用いた場合には、安定な硫黄供給の実現 によりSrS:Ce薄膜の結晶性が改善されている。(+7)一方、 H,Sガスを供給源とした場合に おいても、その供給量の変化がSrS:Ce薄膜の結晶性やEL特性に影響を及ぼすことが報
告されている。(4−11〜13)
本研究では、硫黄の供給方法として、ZnS共蒸着ならびにH、Sガスによる供給を試み、
比較検討する。ZnS共蒸着は、 ZnS(chunk)をKセル内に入れ、 Kセル内温度を約980°C に設定することにより行った。一方、H、Sガスによる供給は、マスフローコントローラー により、厳密にガス供給量を制御(5sccm)して行った。いずれの供給においても、低分子 のSやS、による効率の良い硫黄供給が期待される。また、ZnS共蒸着の場合には、 Znに よるSr欠陥の補償効果も期待される。(鱒15)以下に成膜条件を示す。なお、成膜後の熱処 理は行っていない。
〈成膜条件〉
成膜方法:電子線蒸着法 基板:石英ガラス基板
蒸着源:SrS:Ce高密度焼結ペレット(Ce仕込量:0.2 mol%)
463一
基板温度:650°C
硫黄供給:ZnS共蒸着、 H、Sガス供給(5sccm)
エミヅション電流1,:350mA 成膜時間:4m輌n.
電子銃のエミヅション電流1。は、先の結果より350mAと一定にした。また、成膜時間に 関しては、いずれの条件においても4min.に統一した。
硫黄供給を行っていない、ZnS共蒸着またはH、Sガス供給(5 sccm)を行った計3種類の SrS:Ce薄膜において断面SEM像を観察した。いずれの薄膜も、柱状の多結晶体により構 成されていた。SrS:Ce結晶粒の粒径に関しては、硫黄供給を行わなかったSτS:Ce薄膜に 比べて、硫黄供給を行った場合(ZnS共蒸着、 H、S供給)の方が大きかった。一方、硫黄供 給を行わなかった場合ならびにZnS共蒸着の場合には、成長初期に見られるDead Layer が観測されたが、H、Sガス供給の場合には観測されなかった。
図4−2−13に硫黄供給を行っていないSrS:Ce薄膜、 ZnS共蒸着またはH、Sガス供給を行 った薄膜のXRDパターンを示す。すべての薄膜においてSrSのrocksalt構造に起因する 回折線が観測され、29°付近に観測される(200)面に起因する回折線が最も大きいことか ら、<100>軸に配向していることがわかる。また、(200)面に起因するXRDピークに着目 すると、硫黄供給を行っていない場合と比較して、ZnS共蒸着を行った場合には、回折線 強度が約4倍、H、Sガス供給を行った場合には約20倍大きくなる。つまり、何らかの形 で硫黄の供給を行うことにより結晶性が改善される。特に、H、Sガスの供給を行った場合 に顕著である。
図4−2−14に室温条件下におけるPLスペクトルの結果を示す。励起光源には、重水素ラ ンプを用い、励起波長はSrS母体のバンド間励起のエネルギーに対応する268 nmとした。
硫黄供給を行っていない薄膜におけるスペクトルは20倍の強度で示している。硫黄供給 を行っていない薄膜では、ピーク波長502nlnのPLスペクトルが得られた。 ZnS共蒸着 を行うことにより、PL強度が約25倍に増加すると共に、ピーク波長が8nm短波長側に シフトする。これは、Mauchらの結果と一致し、(梧)Zn2+が一部のSr欠陥を補償してい
2
1
ハU ∩δ /0 ・4 ︵∠ ∩U ︵U 4
(・・
ゥ員︶怠・・§醸昌8時自Q念ヤ×
図4.2.13
30
20
10 0
(111) →
SrS:Ce(0.2 mol%)Thin Films
@ (200) without any extra S supPly
@ CuK α
@ FWHM
@ =0.224°
@ (22・)(3・・)(222)
工一.一抱一●一●一●一●一●一●一■一●一一一●一
一
with ZnS co−evaporation
n.232°
・一・一●一 一●一■一●一錫一●一●一万一●一■一●{●一ひ一工一●一●一 一●一●一一一・一.一・一碧一●一一一.
with H2S supply(5 sccm)
O.240°
→
. { . 一 ● 一 一 一 ● 一
20 30 40 50
Dif症action Angle 2θ(deg)
60
硫黄供給の方法を変化させて作製したSrS:Ce薄膜のX線回折パターン. X線 源にCuK。を用いた.
一165一
(の
タ﹃£旦﹄↑目胃コ島
20
10
0
SrS:Ce(0.2 mo1%)Thin Films
・ …… no extra S(x 20)
e瀦Z55ZOIη
with H2S
400 500 600 700
Wavelength(nm)
図4−244硫黄供給の方法を変化させて作製したSrS:Ce薄膜のPLスペクトル.硫黄供給 を行っていない場合のスペクトルは20倍にして示している.励起波長は268 nmとした.室温条件下において測定を行った。
ると推測される。また、H、S供給を行うことにより、 PL強度はさらに増加し、硫黄供給 を行っていないものと比べると、約75倍のPL強度であった。しかし、ピーク波長は、
長波長側に10nmシフトする(硫黄供給を行っていない場合と比較)。
図4−2−15に同薄膜試料の室温条件下におけるPL励起スペクトルを示す。モニター波長 は、Ce3+発光中心の5d→4f(2F,。)に対応した約500 nmとした。なお、硫黄供給を行って いない薄膜におけるスペクトルは20倍の強度で示している。まず、430nm付近に観測さ れるCe3÷発光中心の直接励起帯について考察する。硫黄供給を行っていない場合には、
この励起帯は観測されなかったが、硫黄供給を行うことにより励起帯が現れる。特に、
H、S供給を行った場合に顕著に現れ、 ZnS共蒸着の場合と比較して約4倍にピーク強度が 増加する。つまり、H,S供給を行った場合に、 SrS格子中にCe3・発光中心が最も多く取り 込まれていると考えられる。次に、短波長側に観測されるSrS母体のバンド間吸収に起因 する間接励起帯について考察する。硫黄供給を行っていない場合には、256nmにピーク が観測されるが、ZnS共蒸着またはH、S供給を行った場合には、それぞれ27hmと272 nmにピークが観測された。このようなピーク波長の長波長側へのシフトは、 ZnS共蒸着
またはH,S供給を行った場合にSrS:Ce薄膜中にSr欠陥が多く存在していることを示唆す る。特に、270nm付近のピークは、 H、S供給を行った場合の方が、よりシャープな形に なっていることより、多くのSr欠陥が生成していると思われる。つまり、 H、Sガス供給 を行うことにより、SrS母体内にSr欠陥がより多く生成され、 Ce3・発光中心のSrS格子内 への活性化を最も促進すると結論できる。一方、H、Sガス供給によるPLスペクトルの長 波長側へのシフトは、Ce3・発光中心とSr欠陥の近接によるCe3・−V、,複合中心の生成に起因 すると考えられる。
続いて、測定面の違い、つまり成長終了直前[(a)面]と成長初期段階[(b)面]における PL特性について検討を行う(図4−2−8を参照)。測定方法は図4−2−7と同様である。図4−2−
16に室温条件下におけるPLおよびPL励起スベクトルを示す。それぞれ実線のスペクト ルは薄膜の(a)面、点線のスペクトルは薄膜の(b)面において観測したものである。ZnS 共蒸着の場合には、点線のPLスペクトル[(b)面]は、実線のもの[(a)面]よりも・ピーク 波長が9nm長波長側にシフトした。また、励起スペクトル[(b)面]においても、間接励
.167一