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産学連携の取り組みにおける成果

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 産学連携に関する成果として、大きく以下の 2点が挙げられる。

⑴ 教育における大規模/体系的な産学連携の 枠組みの構築

 従来、産学連携は協同研究でなされており、

教育に関しては意思疎通のとれた十分な連携が なされているとは言い難かった。本プログラム では、日本経団連、CeFIL、九州経済連合会、

および地場企業(富士通九州ネットワークテク ノロジーズ)の協力を得て、大規模で体系的な 産学連携の枠組みを構築できた。

⑵ 産業界を巻き込んだ新形態のFDの実施  従来、FDは、学内の閉じた形態で行われて

いたため、大学と企業との問題認識の共有が欠 落していた。本取り組みでは、産学・大学間連 携の枠組みの中で、各種委員会(アドバイザリ 委員会、運営委員会、非常勤講師を含めた産学 合同合宿)により認識/問題の共有を深め、新 たなFDを構築できた。

教育設備

 本取り組みにおいては教育設備として、全て の学生へのノートPCの貸与、専用の演習室と 講義室、約2千冊の蔵書の整備を行った。とく に学生がいつでも気軽に質問や相談に来たり、

PBLのレビューを実施するためのスペースとし て推進オフィスを設置し、企業側の常勤教員と オフィスのスタッフが常駐する体制を整えた。

教 育 実 績

 修了予定者の数(年度ごとに記載)、修了予 定者に対する採用企業数は次のとおりである。

平成20年度修了者数:26名、延べ採用企業数:

18

平成21年度修了予定者数:17名、延べ採用企 業数:16

平成22年度修了予定者数:13名

※平成21年度注記:

「修了予定者数」は、ドイツでインターン シップ中(1年間)の学生1名を除く。

1名が博士課程進学予定。

※平成22年度注記:

「修了予定者数」は、ドイツでインターン シップ中(1年間)の学生1名を含む。

⑴ 人材育成 1)学生の成長

ア 主体的/積極的行動の増加

 学生自らが、インターンシップの期間延長、

講演会の企画、企業訪問、講義におけるタス クチームの編成などを行い、主体的/積極的 行動が増加した。これはPBLなどのチーム活 動をとおした学生の「自律エンジン」発動と 考えている。

 以下に、具体例を挙げる。

① 学生主催合宿実施(平成20年10月)

 学生自身がコースの在り方について、分 科会を設けて様々な角度から議論する合宿 を、事前の準備段階の詳細な議論も含め、

主体的に実施。

② 学生組織の発足

 ①の合宿を契機に、平成19年度入学生(以 下「1期生」)中心に発足し、現在は平成 20年度入学生(以下「2期生」)のコアメ ンバーにより運営中。2期生は継続的・定 期的にランチミーティングを実施して意見 交換を行っている。学生の情報・意志発信 のみならず、将来卒業後の本コースへの貢 献等についても検討中。

③ 海外インターンシップに自主応募・採用

(2期生1名)

 ドイツ自動車部品会(平成21年度1年間)

④ 各種勉強会の運営

・ビジネス英語(2期生)

・クラウドコンピューティング(1期生、

2期生)

・アルゴリズム勉強会(1期生)

⑤ サン・マイクロシステムズのCampus Ambassador採用(2期生1名)

 学生が自主的に応募し、採用決定。日本 で未だ当学生を含め11人しか採用されてい ない(各大学1名の制限あり)。世界30国 で約500人の学生のネットワークを築きな がら次世代ICTのリーダーを目指す試みの 1つ。

⑥ ベンチャー企業との交流会主催(2期生)

 学生自らがベンチャー企業約10社を集め て討論する企画を実施。ポスター作成など の宣伝活動や集客も含め、全て学生が主体 的に実施。交流会の結果は、あるブログで の紹介をきっかけに、他の企業から本コー スへのアクセス希望を初めとする様々な反 響あり。

⑦ 学生の他PBL実施拠点への相互訪問(2 期生)

 インターンシップ期間中の経団連主催交 流会をきっかけに、まず、本コースの学生 が、他大学の訪問を自主企画・実施。その 後、相互の大学間で交換が継続中。

⑧ 外部コンテストや各種企画への応募・受 賞

 PBLへの取り組みや既述の年2回のカリ キュラム検討合宿参加などをきっかけとし て外界を知り、「自分の力を試してみたい」

という動機から外部コンテストにエントリ したり、様々な企画に自主的に応募する学 生も出てきている。

・UCEEネット活性化アイディアコンテス ト奨励賞を受賞(平成21年7月):2期 生

・ 学 生 企 画( 合 宿 型 就 職 セ ミ ナ ー) が 九 大 の ベ ン チ ャ ー ビ ジ ネ ス ラ ボ の Communication & Challengeプロジェク トで採用(応募19件中、採用2件のうち の1つ):2期生

・情報処理学会九州支部2008年度奨励賞受 賞(平成21年/ 3月):平成21年度入学 生(以下「3期生」)

⑨ 学生による「社会情報システム工学コー ス」説明会の実施(平成21年7月)

 学生自ら、学生組織中心で、学部学生(大 学院受験生)向けの学生目線の本コース説

明会を開催。

⑩ ユヌス博士(2006年ノーベル平和賞受賞)

来訪イベント企画・運営(平成21年9月)

 2期生4名が、ユヌス博士との学生企画 トークセッションイベント開催に自主参 加。イベントに関わった教員からも、本コ ース学生がイベント企画学生全体の中心メ ンバとなりPBLでのチーム活動経験が生か されている、とのコメントをいただいた。

イ 学生自らの総括/提言の作成

 学生が自ら主体的に3大学間(九州大学、

九州工業大学、筑波大学)の学生同士の連携 をとり、「学生の立場から見た高度IT人材育 成コースの現状と今後への期待」の提言書を まとめた。また、九州大学の学生は、1年前 後期のPBLを自ら総括するなど、学生の主体 性が芽生え始めた。

2)教員のFD

 前述「産学連携の取り組みにおける成果」で 既述したもの以外に、下記がある。

・PSP Developper資格取得(大学教員2名)

・PBLにおいて、大学教員が企業派遣常駐教 員とレビューに同席して学生へ気づきを与 えることによるPBL実施スキル移転(平成 20年度より)

⑵ ICT全人教育(産学連携科目)の実施成果  産業界から計30名弱の非常勤を招聘し、ICT 全人教育の一環として産学連携科目を実施し た。これらの講義は連携大学である九州工業大 学、熊本大学、宮崎大学、福岡大学にも遠隔講 義として提供された。科目により多寡はあるが、

多い講義で遠隔大学からの聴講学生が50名を超 えるものもあった(平成21年度の例)。

⑶ PBLの実施成果

・1年前期に実施したミニプロジェクトでは、

特許になり得るレベルの発明があった(後日 調査すると、ある企業がすでに特許出願して いたことが判明)。

・平成19年度3大学合同PBL発表会において、

参加者からの評価結果では、九州大学グルー プが上位を占めた。

第2章 九州大学拠点

・学生の成果物(アンケート収集システム)を、

本コースで実際に利用している。

例:

・本コースの講義アンケート

・第3回先導的ITスペシャリスト育成推進 プログラム・シンポジウム(平成21年7月)

の参加者エントリ用ページとして

・九州大学 クラウドコンピューティングシ ンポジウム(平成21年/ 9月)の参加者エ ントリ用ページとして

⑷ インターンシップの実施成果

 インターンシップは、必修ではないが、ほぼ 全員の学生が実施している。

 学生の自主性とモチベーションを向上させる ためにいくつかの新しい試みを実施した。

 インターンシップ期間中は学生や企業側から 見た時の課題や問題点の調査を目的として、大 学教員が手分けし、インターンシップ先の全企 業を訪問した。これは学生のモチベーションを 向上させ、また大学教員がインターンシップの 内容や課題を把握する上で大きく役立った。

 平成20年8月に開催された経団連主催のイン ターンシップ学生合同イベントには本コースか らも約20名の学生が参加し、他大学学生との交 流を深め、学生の視点で本コースに対する提言 を行ったことは高く評価できる。

 毎年、インターンシップの終了後には、本コ ースの全学生によるインターンシップ学生発表 会を実施している。目的は実務を通しての様々 な経験や気づきを共有し今後の学習に生かすこ とである。学生からは、チーム作業や時間管理 の重要性、強化すべきスキル分野、ビジネスマ ナーの重要性、主体的行動の重要性、など多く の前向きな意見が出された。長期のインターン シップを通して、実務経験、企業スタッフや他 大学学生との交流ができたことは、大学の授業 だけでは得られない良い経験になり、学生自身 のキャリアを考えるうえでもプラスであり、効 果的であった。

⑸ 海外連携に関する成果

ア 独ポツダム大学ハッソ・プラットナー・イ

ンスティチュート(HPI)を本プログラム担 当教員が訪問して、ICT分野における高度人 材育成および産学交流について意見交換を行 うなどの交流を行っているほか、平成19年12 月にはHPIのクリストフ・マイネル学長を九 州大学訪問教授として招聘し、大学教員およ び産業界支援企業が一同に会して産学連携教 育について情報交換と討議を行った。

イ バングラデシュのグラミンコミュニケー ションズとの共同プロジェクトの一貫とし て、バングラデシュのICTインフラ構築に関 するPBL(1年後期PBL、問題解決型プロジ ェクト)を実施した(平成19 ~ 21年度)。な お、グラミンコミュニケーションズの母体は、

2006年度ノーベル平和賞受賞者ムハンマド・

ユヌス氏を総裁とするグラミン銀行である。

本PBLは、平成19年度3大学合同PBL発表会 で2位となった。

ウ 韓国の韓国科学技術院(KAIST)および 浦項理工大学校(POSTECH)を本プログラ ム担当教員がしばしば訪問して、ICT分野に おける高度人材育成および産学連携について 情報交換を行うなどの交流を行っている。特 に、平成19年には複数回にわたってKAIST を訪問し、KAISTで実施しているSoftware Expert Program (SEP) と本プログラムとに ついて相互に詳細な報告を行い、相互連携・

国際交流についての具体的な検討を行ってい る。

エ 米CMU/SEIとの共同研究の一環として、同 所のPSP/TSPプログラムの実施、講演会開催 などでICT教育および人材交流を図った。

オ インドSRM大学と学術交流協定を結び、

本プログラム履修予定の学生の一部を事前研 修としてインドに派遣した。同時に、インド の学生を本プログラムで受け入れ、日本で教 育することも計画しており、高度な技術者教 育の国際的な協力関係を構築しつつある。

カ その他の海外からの視察・意見交換

・E-JUSTエ ジ プ ト 訪 問 団 Khairy教 授、

Ragab教授、他(平成20年12月)

・ 北 京 大 学 School of Software:Huiping Sun准教授、他(平成21年7月)

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