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1の場面 .2の場面 3の場面 4の場面 5の場面
図4−c 各場面の報告内容の分類:女子
一71一一
これら1〜2の場面にみられる女子生徒のくずれ〉は、表1の生徒の自己報告内容に示すよ うに、これまでの学習領域である「食物」 「被服」「住居」領域と「家庭生活」領域(家庭の 仕事における学習項目)の学習内容を混同している様子を示すもので、「家庭生活」領域と他 領域の目標の違いを明確にした授業設計の重要さを示していると受けとめられる。
表1 各授業場面における生徒の自己報告内容
(先行経験が認識のずれにつながった記人例・女子)
考 え て い た 1わかったこと
@わからなつかたこと
授業場面
@ と? 容 直接学習していること 学習に関係していること
考えていない
−
D r 一 嘱 i 一
(1の場面)
@食事の仕事 P・方法と選択 E内容の比較
〈理解〉学:校で学習した一,
@1稲を育てたこと。おいi lしく炊くのに浸水時間:
撃券Q謎三主___i
〈ずれ〉
トを炊く時の吸水に30 ェ間、おかなくてもい
「のか
i(2の場面)1米を洗う
P・とぎ汁の汚1れと量
〈受け入れ:ずれ〉…・
h鱗繁d可度i}し…。一……一一一…一一ll
Ii
〈ずれ〉
い米が売られている ど
1(3の場面) 〈理解〉 ………■ I
奥Wお白竹襯i[ 1L・……一………・璽l l
旨
一 . 一
摧ヒ;繭ているから、その他のものはもっと汚す
1(4の場面)…
@ ll水の慣用句l l
一 一 . 一
P .
撃秩q受け入れ〉
l l 唖
i〈発展〉聞いた、:見た..■
P塗壁玉璽とi I[:ほど水は大切だ :llL…一…一…__一.」1
1 H
藍 1
(5の場面)
暮らしの 選び方と影響
〈発展〉学校で学習した;
。ビニーilゴミは燃やずと ; :悪いと聞いた。理由はl ll知らないので知りたいll
t一一一d一一一一一一 一一一 一一一一一一一一: 1
ト[〈麟〉
ゴミは生活の申で、気 1寸かないところてたく 1さん出している
注:表の枠内に、質問項目2「1のことをしながら、何か考えていましたか」に 対する生徒の記述内容であり、枠外には質問項目3「この学習でわかったこ:
とは何ですか。また、わからなかったことは何ですか」に記述を三号。
4の場面は、水と生活に関わる慣用句を題材にした場面である。この場面では、男子に7人、
女子11人に受けとめ方のくずれ〉がみられた。〈ずれ〉の内容は、慣用句が目常的な言語とし
.て生活に使われてることが少ないために「○○を水に流す」「湯水のごとく○○を使う」の空 欄に当てはまる「言葉が分からない」「慣用句の解釈ができない」など、あせりを示す内容が
ほとんどで、「家庭科で国語みたいなことする」など、学習内容に慣用句を使う意図が理解し ていない内容もあった。また、男子の中には、「寝耳に水」と思いだしたことわざを口にする 者がいた。
慣用句を学習内容に選んだ結果、慣用句を使った指導の意図と生徒の理解のくずれ〉が、女 子に36%を越える割合で存在したことは、慣用句の効果はあまり認められなかったといえる。
混乱を示した反面、表2と3に示すように、男子の中には既習の学習内容や先行経験をこと わざから思い起こし、理解を深めて自分の考えを発展させている様子もうかがえる。
「学習に関係していること」を思い起こしていた各場面毎の男女別の延べ入数は、男子46人、
女子66人であり、女子の回答が多い。男女が思い起こしている内容を①自分の家庭生活の出来 事、②家族のこと、③自分の体験したこと、④今まで聞いたり見たり読んだりしたこと、⑤前
に学校で学習したことに分類して、それぞれの割合を図5に示した。
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図5 先行経験を思い起こしている内容の割合 (男女の最も多い内容を100として)
図5から、女子は家庭や家族に関わる内容を多く思い起こしており、男子は自分の体験、学 習したことなど自分の先行体験を多く思い浮かべていることが分かる。男子は、先行体験を思 い浮かべている数は少ないが、社会科の学習や自分の「ゴミのポイ捨て」の体験を反省するな
どの広い内容を述べている。(巻末資料参照)
(2>学習内容の認知過程と認知レベル
各場面の質問項目3「この学習でわかったことは、何ですか。また、わからなかったことは
一73一
何ですか」の記述内容を、先行研究Dを参考に、「受け入れ」「理解」「発展」と3段階の認 知レベルに分類した。分類の方法は、吉崎・渡辺らが理科と算数の認知過程を分析する際に、
発問、提示、実験、友達の考えなどを「外部情報の入手」、知的操作や具体的操作を「情報の 処理」、学習成果、新たな知識や考えを「出力」の3段階に分けているのを参考にした。
先行研究をもとに、家庭科に適応できる認知レベルを以下のように設定し、分析を試みた。
「受け入れ」…・見た、聞いた、知った、分かったという内容
「理解」・・…受け入れの内容を自分の経験や生活上の問題と結び付けて理解している内容
「発展」…・・理解した内容を生活の場面に生かす方法を考え、具体案を述べている内容 家庭科は算数や理科と異なり、正しい答えが導き出されても行動として生活の場で実践され なければ「出力」のレベルに達したものとはいえない。すなわち、各自の考えと力を生活の場 に生かして初めて「出力」のレベルがあると考え、ここでは「発展」のレベルとした。
表2に、各画面の報告内容を認知レベルに合わせて、それぞれの報告人数を*印で示した。
1の場面
この場面の質問項目3に記述した者は男子21人、女子22人で、そのうち女子の3人に認知の くずれ〉が確認された。〈ずれ〉の要因は前述のとおり、家庭科の学習に対する関心や期待の 大きさにおいて「食物」と「家庭生活」領域の学習内容の混同があるのではないかと思われる。
「受け入れ」レベルの記述は、男子8入、女子11人にみられ、食事方法の多様性や生活が便 利になっていることを述べる内容である。全員(男30人・女30人)のうち19人が「受け入れ」
レベルの認知状態といえる。
「理解」レベルの記述は、男子8人、女子5人にみられ、食事の方法を選択選択する場合の 違いを、利点と問題点に分けて述べる内容である。全員のうち13入が「理解」のレベルの認知 状態といえる。
「発展」レベルの記述は、男子5人、女子3人にみられ、食事方法の主体的な選択をするこ とは「調理の技術がなければいろいろな方法から選んだことにならない」と回答した男子や、
「家の食事は面倒なだけではない。愛がある」と回答した女子があった。このことは、指導に よって「家庭の機能」「主体的な消費態度」などを「家庭の仕事」の学習を通して理解させる ことができたことを示しているともいえる。
2の場面
この場面の質問項目3に記述した者は男子22人、女子25人で、そのうち男子6入、女子の5
人に認知のくずれ rが確認された。男子のくずれ〉の内容は「米まで洗って売られているから
できない人が増加する」や「マニキュアの心配をするような横着な人が買うのだろう」などで、
女子は、生活が便利になると期待している内容が多くみられた。
「受け入れ」レベルの記述は、男子2人、女子4人にみられ、米を洗うのに必要な水量、と ぎ汁の汚れの程度に関する内容である。全員のうち6入が、このレベルの認知状態といえる。
「理解」レベルの記述は、男子10人、女子11人にみられ、 「無意識に捨てていたとぎ汁の汚 濁状態に気付いた」「とぎ汁の捨て方」などである。全員のうち21人が、生活と社会や自然の 連鎖性を理解したレベルといえる。
「発展」レベルの記述は、男子4人、女子5人にみられ、とぎ汁も捨て方を工夫すれば役立 つという友人の意見を聞いて、「他のゴミも工夫すれば役立っのか」とか「便利になりすぎる
と考えなくても生きていける」と回答した男子があったことから、生活の連鎖性や便利さが生 活技能の縮小に関連することなどを発展的に認知している者が合計8人いたといえる。
3の場面
この場面の質問項目3に記述した者は男子26人、女子30人全員で、認知のくずれ〉は確認さ れなかった。
「受け入れ」レベルの記述は、男子3人、女子5人にみられ、「米のとぎ汁の汚れ度合、他 の生活排水の種類」という内容である。全員のうち8人が、このレベルの認知状態といえる。
「理解」レベルの記述は、男子15人、女子16人にみられ、「普通の暮らしをしていても自然 に迷惑を掛けて生きていることに気付いた」「生活にこれほど多くの水が必要なことに気付い た」「家庭排水がこれほどの汚れを出していると実感した」などでちる。全員のうち31入が、
生活の連鎖性を理解したレベルといえる。
「発展」レベルの記述は、男子8人、女子9人にみられ、「人間は気付かない間に、他の生 き物に迷惑を及ぼしている」「魚が減少することは、人間の食料の減少につながる」と回答し た者が男女各5人あり、「地球規模の水資源」を考えたり「ゴミの廃棄処理」に関心を示す者
もあったことから、生活の連鎖性を発展的に認知している者が合計17人いたといえる。
4の場面
この場面の質問項目3に記述した者は男子30人、女子30入で、そのうち男子2人、女子の7 人に認知のくずれ〉が認められた。男子は「寝耳に水の意味が理解できた」など、女子は「新
しいことわざを覚えた」「家庭科でことわざの学習をするのはなぜだろう」など、慣用句を学 習教材に選んだ意図が理解してない内容である。女子に多くくずれ〉が認められたことは、興
味深い。
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