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2. 豪州の石炭賦存状況、石炭埋蔵量、炭質他

2.3 炭質他

2.3.2 炭層

ここでは、2.1 節と多少重複するが、QLD州および NSW 州で採掘されている石炭の炭質 について述べる。

(1) QLD州の炭質状況

豪州は、世界最大規模の石炭輸出国であり、QLD州は、石炭の相当部分を世界各国へ輸出 している。この輸出している石炭の大部分は QLD州中央部のBowen Basin(二畳紀)から 生産されている(図 2.1.2-5)。

特に、Bowen BasinはQLD州の多くの既知の二畳紀の石炭資源を含み、事実上すべての 既知の採掘できる主要な原料炭を含んでいる。

Bowen Basinの石炭層は多種多様な堆積環境で堆積した。そして、挟炭層の厚さ、層の連

続性、様々な品質の石炭の変化で、その多様性を反映している(Staines and Koppe, 1979:

Mengel, Balfe and Coffey, 1990)。

図2.3.1-1 Bowen Basinの層序

(出典:Queensland Government Department of Mines and Energy, 2007)

表2.3.1-1 Bowen Basinの炭層

石炭グループ 地質時代 概要 炭層 鉱山

二畳紀後期 これは、最も広範囲に分布し、炭質の面でも最も多様なグループで ある。グループⅣのランクと品質は、原炭では比較的低い含有率 のビトリナイトや一般的に低含有率の硫黄が特徴づけられる。これ らは製鉄や燃料炭として経済的に重要性が高く、集中的に1960年 代から採掘されている。

Rangal 挟炭層 (Baralaba 挟炭 層とBandanna層は同じである)

Baralaba, Blackwater, Burton, Broadlea North, Carborough Downs, Cook, Coppabella, Curragh and Curragh North, Dawson, Ensham, Foxleigh, Hail Creek, Isaac Plains, Jellinbah East, Lake Lindsay, German Creek East and Oak Park, Millennium, Moorvale, Poitrel, Newlands and Eastern Creek, Rolleston, South Walker Creek, Suttor Creek, Yarrabee.

二畳紀後期 グループIIIの石炭は、ハイグレード粘結炭(それは露天掘りおよび 坑内掘りの両者で採掘)を、北部のコリンズヴィルの近くのソノマか らエメラルド近辺の南部のケストレルまで幅広く分布している。

Moranbah挟炭層

German Creek層

Goonyella Riverside, North Goonyella – Eaglefield, Moranbah North, Norwich Park, Peak Downs, Saraji, Sonoma, Wollombi.

German Creek – Aquila and Bundoora and Grasstree, Gregory – Crinum, Kestrel, Oaky Creek.

二畳紀前期 グループⅡの挟炭層は、複数の断続的な堆積物がボーウェンベー

ズンの北部および西部の端まで分布している。コリンズビル挟炭 層、ラグビーの挟炭層、ブレアソールベーズンおよびWolfangベーズ ンを含むクレモント近辺の堆積物も含まれている。

Blair Athol挟炭層と それとほぼ同じ層 Collinsville挟炭層

Blair Athol Clermont Collinsville

二畳紀前期 グループⅠはReids Dome層によって代表され、、非常に様々な層 厚と岩石組成のユニットである。

分布はボーエンベーズンの南西部、Lake Maraboonの北部と北と 南部に限られて存在している。Reid Dome層中のデニスントラフ炭 層南部では、厚さ最大30mに達しているが、深度1200mとかなりの 深さに存在している。

Reid Dome層 Minerva

(出典:Queensland Government Department of Mines and Energy, 2007

三畳紀後期に形成した石炭は、Callido Basinと Tarong BasinでQLD 州の南東部で採掘 されているが、160 年間石炭を採掘していた Ipswich Basinは2003年 7月に採掘を停止し た。ただし、Callido Basin Tarong Basin QLD

図2.3.2-2 QLD州の石炭フィールド

(出典:QLD, 2011

(2) NSW州の炭質状況

NSW 州の主要な石炭資源は、Gloucester BasinやOaklands Basinの小規模の炭鉱等と もに、そのほとんど全てが Sydney-Gunnedah Basinに賦存している(図 2.3.2-2)。

特に、に Sydney-Gunnedah Basin内で長さ500 km、幅150 kmに渡って賦存している。

これは、Wollongong 南部からNewcastle 北部、Narrabri北西部をとおり QLD 州へ延びて いる。

2.3.2-3 NSW州の石炭フィールド

NSW 州の経済発展の主な要因は、NSW 州の主要工業の中心で使用されるエネルギー源で ある石炭へのアクセスが容易であることが考えられる。これらの石炭資源の継続的な開発は、

土地利用や様々な環境問題を考慮しなければならない。

NSW 州の商業的な回収が見込まれる石炭埋蔵量は 12 億 t 以上で、NSW 州は今後の概念 的な鉱山計画を開始し、それらには鉱山開発契約や鉱山探査許可を受けている地域の石炭資 源量が含まれている。NSW 州の石炭鉱山は、2006~2007 年に約 8.1 億ドルの価値があり、

売上に貢献した石炭生産量は 131.3百万tを記録した(図2.3.2-3)。

NSW 州の大部分の主要な石炭鉱床は上述のとおり瀝青炭から亜瀝青炭の燃料炭を採掘し ている。燃料炭の品質が高灰分、低硫黄炭のものは中規模の国内発電やセメント製造に利用 され、低中灰分、高エネルギーの石炭は輸出されている。主に、低揮発性、強粘結炭、低灰 分 、 セ ミ ソ フ ト 原 料 炭 は 製 鉄 に 利 用 さ れ 、 輸 出 お よ び 国 内 市 場 向 け に 利 用 さ れ て い る 。 表

2.3.2-1にNSW 州内の各炭鉱から石炭製品、石炭の特徴を示す。

表2.3.2-1 NSW州内の各炭鉱から石炭製品、石炭の特徴

(出典:NSW Government HP, 2010)