第 3 章 PDMA を凝集剤として用いたベントナイトの凝集効果と
4.3 結果と考察
4.3.1 濾過試験
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4.3 結果と考察
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4.3.1.2 PDMA濃度の影響
pH6、50ºC で CaCl2を添加しない場合、または 500 ppm の濃度になるように CaCl2を添加した場合のPDMA濃度が濾過時間に与える影響をFig.4-3 に示す。
pH6 に調整したベントナイトのみの懸濁液を 50ºC で濾過した場合( PD0-Ca0-50)、約5時間かかったのに対し、25 ppmになるようにPDMAを添加する( PD25-Ca0-50)と濾過時間は28.7 minまで短くなった。PDMAを100 ppmになるよう に加える(PD100-Ca0-50)と3.4 minと非常に短い時間で濾過が終了した。さら に、CaCl2を500 ppmの濃度になるように加えた場合、25 ppmのPDMA( PD25-Ca500-50)でも6.7 minとCaCl2無添加(PD25-Ca0-50)の場合の約4分の1に短 縮された。500 ppmのCaCl2の条件で100 ppmの濃度になるようにPDMAを加
える(PD100-Ca500-50)と濾過時間が2.8 minまで短縮され、最も短時間で濾過
が終了した。Fig.3-6に示したように、CaCl2を加えることにより生成したCa2+が ベントナイト層間にあるNa+と陽イオン交換してベントナイト層間に入り、ベン トナイト層同士を強く引き付けたため、分散が抑制されて濾過が促進されたと 考えられる。また、Fig.3-14 で示したように PDMA 濃度の増加に伴い、ベント ナイト表面に吸着するPDMA量が増加し、ベントナイト同士を架橋することで 大きな凝集物を形成したことから、濾紙の目詰まりが軽減され濾過時間が速く なったと考えられる。さらに、3.3.2でも述べたように、PDMA と CaCl2を両方 加えることによって、より密な凝集物を形成し、凝集物の形状が崩れにくくなり、
水の通る隙間が確保されたと考えられる。
Fig.4-3 Change in the filtration time with concentration of PDMA at pH6 and 50ºC without and with 500 ppm of CaCl2.
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4.3.1.3 CaCl2濃度の影響
pH6、50ºCでPDMA無添加の場合、または100 ppmの濃度になるようにPDMA を加えた場合のCaCl2濃度が濾過時間に与える影響をFig.4-4に示す。CaCl2のみ を加えた場合、濃度の増加と共に濾過時間が短くなる傾向にあった。しかし、
CaCl2のみの添加では1000 ppmまで加えても約46 minまでしか短縮されなかっ た。Fig.4-3より25 ppmの濃度になるようにPDMAを加えた場合(PD25-Ca0-50)
では28.7 minであったことから、CaCl2だけでは形成された凝集物は小さいこと
が推測され、濾紙の孔を閉塞したため、濾過時間は46 minまでしか短縮されな かったと考えられる。一方、PDMAを 100 ppmになるように添加すると濾過時 間は約3 minまで短縮された。また、PDMAを添加した場合では、CaCl2を300 ppm 以上になるように加えても濾過時間にほとんど変化は見られなかった。こ の結果から、濾過を容易にするために必要なCaCl2濃度は、1 wt%のベントナイ トを含む懸濁液に対して300 ppmであることが分かった。
Fig.4-4 Change in the filtration time with concentration of CaCl2
at pH6 and 50ºC without and with 100 ppm of PDMA.
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4.3.1.4 濾過温度の影響
PDMA を凝集剤として用いた場合の濾過温度の濾過時間への影響を検討した
(Fig.4-5)。濾過温度を 25ºC から 60ºC にすることで、濾過時間は、50 ppm の PDMAでは4.1 min、100 ppmのPDMAでは4.9 min速くなった。しかし、 Fig.3-3よりpH8以下では60ºC まで昇温させてもLCSTを確認することはできなかっ た。ここでFig.4-6に温度変化に伴う0.5 g/dLのPDMA水溶液の比粘度(ηsp)の 関係を示す。pHを変化させた場合、pH8.4 よりもpH6のPDMA水溶液の粘度は 非常に高くなった。これは、pHを8から6に低くすることでPDMAの電荷密度 が向上し、PDMA 同士が反発して分子鎖が広がるため、粘度が高くなったと考 えられる。一方、pH を変化させた場合でも昇温に伴い ηspが減少する傾向が見 られた。これは温度を上げることにより、PDMA の分子運動が激しくなること で体積収縮し、粘度が減少したと考えられる[15]。この結果から、昇温による PDMAの収縮によって密で強固な凝集物を形成し、水の通り道が確保され、徐々 に濾過速度が速くなったと考えられる。
Fig.4-5 Change in the filtration time with temperatureat pH6 with 50 or 100 ppm of PDMA and 300 ppm of CaCl2.
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4.3.1.5 濾液の濁度
凝集剤や濾過温度が濾液に与える影響を調べるために濾液の濁度を測定した。
この結果をTable 4-1に示す。また、この時用いたブランクである蒸留水の濁度 は0.03 NTUであった。PDMAとCaCl2の濃度はそれぞれ100 ppm、300 ppmと し、濾過において最適条件を選んだ。pH6に調整した1 wt%のベントナイト懸濁 液の濁度は650 NTU程度であったが、Table 4-1に示すように濾液の濁度は0.14 NTU 以下であるため、ベントナイト粒子は濾過によって十分に取り除かれた。
本研究で濾過に使用したメンブレンフィルターの保留粒子径が0.8 μm であるた め、濾液には0.8 μm以下のベントナイト粒子が存在しているはずであるが、濾 液の濁度が非常に低いことから0.8 μmのベントナイト粒子が殆ど存在していな いことが分かった。これはFig.2-2のベントナイト粒度分布(1-60 μm)の結果と も一致する。PDMAやCaCl2を凝集剤として使用しても、また、凝集剤を加えて も温度を変えても濾液の濁度には影響がないことが分かった。
Table 4-1 Turbidity of filtrate after filtration
Filtration condition Turbidity /NTU
PD0-Ca0-50 at pH6 0.14
PD100-Ca0-50 at pH6 0.08
PD0-Ca300-50 at pH6 0.03
PD100-Ca300-50 at pH6 0.06
PD100-Ca300-60 at pH6 0.06
Fig.4-6 Change in specific viscosity with various temperature using 0.5 g/dL of PDMA aqueous solution.
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