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第 6 章 PNIPAM 修飾メソポーラスシリカ複合吸着材の合成と

6.2 実験方法

MSを合成するために用いた試薬は、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウ ム(CTAB)、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、28 wt%のアンモニア水であ り、ナカライテスク(株)から購入した。MSにマグネタイトを合成するための 試薬にFeCl2・4H2O、エチレングリコールを使用し、ナカライテスク(株)から 購入した。MS に PNIPAM を修飾するための足場としてシランカップリング剤 である3-(methacryloyloxy)propyltrimethoxysilane(MPS)、MSに吸着サイトを修飾 するためのシランカップリング剤として 3-aminopropyltriethoxysilane(APTES) を使用し、東京化成工業(株)から購入した。PNIPAMを修飾するための試薬で ある NIPAM、過硫酸アンモニウム(APS)、N,N,N’,N’-tetramethylethlenediamine

(TMEDA)は2.2.1に記載した試薬と同じ物を使用した。

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6.2.2 Amino-PMMSの合成

6.2.2.1マグネタイト担持メソポーラスシリカ(MMS)の合成

MMSの合成手順をFig.6-1(a)-(c)に示した。蒸留水480 mLと28 wt%のアンモ

ニア水38.4 mLの混合溶液中に、9.6 gのCTABを溶解させた。室温で撹拌しな

がら40 mLのTEOSをペリスタポンプにより1.2 mL/minで滴下し、1hで撹拌し た。撹拌後、濾過を行い、濾過物を60ºCで一晩乾燥させた。その後、CTABを 除去するために、マッフル炉を用いて空気中で600ºC、2h(150ºCまで1 hで昇

温し150ºCで1 h保持した後、600ºCまで1 hで昇温後)焼成し、メソポーラス

シリカ(MS)を合成した。

本章では、鉄担持量の異なる2種類の吸着材を合成するため、200 mLの蒸留 水に鉄の仕込み量が5または10 wt%となるように1.08 gまたは2.16 gのFeCl2・ 4H2Oを加え、10 min超音波処理により溶解させた。溶解後、MSを6.0 g加え、

再度、10 min超音波処理により分散させた。その後、ロータリーエバポレーター

を用いて60ºCで12 h減圧乾燥し、更に60ºCで一晩乾燥させた。乾燥させた試

料をマッフル炉により空気中で600ºC、5 h焼成し、ヘマタイト担持メソポーラ スシリカ(HMS)を得た。HMSをマグネタイトに還元するため、Fig.6-2に示す ような縦型反応器に1 gのHMSを充填後、0.3 mLのエチレングリコールを含ん だ石英ウールをHMSの上に配置した。その後、窒素雰囲気下(流量: 50 mL/min)

で 500ºC、15 min 焼成し、マグネタイト担持メソポーラスシリカ(MMS)を得

た。鉄担持量は、高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP-AES)(Seiko Instruments、SPS5510)によって測定された。

Fig.6-1 Synthetic procedure of Amino-PMMS.

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6.2.2.2 アミノ基およびPNIPAM修飾マグネタイト担持メソポーラスシリカ

(Amino-PMMS)の合成

Fig.6-1 (d)-(f)にAmino-PMMSの合成手順を示した。95 mL-エタノール/ 5 mL-H2O混合溶液に、1 gの MMSと1.2 mmolのMPSを加え、120ºC で還流しなが ら4 h撹拌した。撹拌後、エタノールで洗浄しながら濾過を行い、60ºCで 12 h 乾燥し、MPS修飾MMS (MPS-MMS)を得た。その後、1.2 mmolのAPTESをMPS と同じ条件でMPS-MMSに修飾した((APTES, MPS)-MMS)。(APTES, MPS)-MMS にPNIPAMを修飾するために、1 gの(APTES, MPS)-MMSと2 gのNIPAMを100 mLの蒸留水に加え、窒素置換をしながら撹拌を10 min行った。窒素置換を行い ながら開始剤として7.5 mg/mLのAPS水溶液を5 mL加え、2 h撹拌した。撹拌 後、促進剤として20 μL/mLのTMEDA水溶液を8 mL加え、更に2 h撹拌した。

その後、濾過を行い、60ºCで12 h乾燥後、Amino-PMMSを得た。

6.2.3 試料の構造評価 6.2.3.1 ICP-AES測定

5.2.3.1に示した方法と同様の手法でICP-AES(Seiko Instruments、SPS5510)に より測定を行った。

6.2.3.2 X線回折(XRD)分析

合成試料の結晶構造をXRD(Rigaku、Ultima IV)を用い、5.2.3.2に示した測

定条件でD/tex Ultra の高速X線検出器により測定し、発散スリット1/2º、散乱

Fig.6-2 Calcination equipment of HMS.

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スリット開放、受光スリット開放、10º/minでサンプリング幅0.02º、10-80ºまで 測定した。また、合成試料は、シンチレーションカウンタにより発散スリット 1/2º、散乱スリット1/2º、受光スリット0.3 mm、サンプリング幅0.02ºで、2ºか ら 8º まで 1º/min で測定された。この測定結果から、5.2.3.2 の(5-1)式で示した

Scherrerの式を用いてマグネタイトの結晶子サイズを算出した。

6.2.3.3 窒素吸脱着測定

試料の比表面積は、全自動吸脱着量測定装置(MicrotracBEL BELSORP-mini II) を用いて5.2.3.6と同じ手法で測定され、Brunauer-Emmett-Teller(BET)法により 算出した。代表細孔直径はBarrett Joyner Halenda(BJH)法またはマイクロポア 分布(MP)法により求められた。

6.2.3.4 熱重量分析(TG)

TG分析装置(Shimadzu、TGA-50)を用いて、35 mL/minの空気雰囲気下にお

いて 10ºC/min で 700ºC まで昇温することで行われた。重量変化から APTES お

よび MPS、PNIPAM の修飾量を算出した。この時、5.2.3.5 と同様に 150ºC、10 min保持した後の試料重量を100 wt%とした。

6.2.3.5 走査型電子顕微鏡(SEM)測定

試料の表面形態は、電解放射型SEM(Hitachi、S4500)を用いて5.2.3.4と同 じ条件で観察され、エネルギー分散型X線分析(EDX)により、表面上のSi およびFeの存在状態を確認した。

6.2.4 メチルオレンジ(MO)の吸着試験

6.2.4.1 MO吸着等温線

Amino-PMMSの吸着等温線を作成するために、吸着質としてFig.6-3に示すメ

チルオレンジ(MO)を用いて吸着試験を行った[7]。遠沈管(10 mL)に50、100、 150、200、250、300、400 μmol/L の濃度のMO水溶液をそれぞれ10 mLずつ調 製し、35 wt%の HClを1-2滴加えてpH2-3に調整した。pH調整後、Amino-PMMS を2 mg添加し、マイクロチューブローテーターを用いて2 h撹拌した。撹拌後、

Fig.6-3 Chemical structure of methyl orange (MO).

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懸濁液を0.3 mL採取して1 Mの HCl 水溶液で10倍希釈した。希釈後、UV-Vis

(日本分光、V-630)を用いて波長508 nmで吸着後の吸光度を測定した。あらか じめ作製した検量線を基に MO 濃度を求め、メチルオレンジの平衡濃度 C (μmol/L) を算出し、吸着材の単位重量当たりの吸着量Q (μmol/g) を(6-1)式を用 いて算出した[8]。

𝑄 =(𝐶0 − 𝐶)𝑉

𝑀 (6 − 1)

ここで、C0 (μmol/L) はメチルオレンジの初濃度、V (L) は水溶液の体積、M (g) はAmino-PMMSの重量である。さらに、(6-2)式に示すLangmuir吸着等温式およ

び(6-3)式に示す Freundlich 吸着等温式を用いてメチルオレンジの吸着挙動を考

察した[9]。また、参照実験として(APTES, MPS)-MMSでも吸着実験を行った。

𝐶

𝑄 = 𝐶

𝑄𝑚𝑎𝑥 + 1

𝐾L𝑄𝑚𝑎𝑥 (6 − 2) lnQ = ln𝐾F+ (1

𝑛) ln𝐶 (6 − 3)

ここで、Qmax (μmol/g)は飽和吸着量、KLKF はそれぞれ Langmuir 定数と Freundlich定数である。

6.2.4.2 吸着速度解析

MO濃度を 50 μmol/L にした MO 水溶液を 100 mL用意し、この水溶液に 35 wt% のHClを少量加えてpH2-3に調整した。pH調整後、室温または35ºCの恒

温槽中に15 min入れ、静置した。静置後、恒温槽に入れた状態で20 mgの

Amino-PMMS を添加し、高速撹拌機を用いて 200 rpm で撹拌しながら、任意の時間毎 に溶液を2 mLずつ採取した。採取した溶液は、遠心分離機により上澄み液と吸 着材に分離された。分離後、上澄み液(0.3 mL)に1 MのHCl水溶液を2.7 mL 加え、6.2.4.1で示したUV-visの測定方法と同様の方法で、採取した時間t (min) におけるMO吸着量qt (μmol/g) を算出した。この実験値を用いて、Amino-PMMS を用いたMOの吸着メカニズムを検討するために、(6-4)式の擬一次吸着速度式、

および (6-5)式の擬二次吸着速度式を用いて解析した[10,11]。

ln(𝑞e− 𝑞𝑡) = ln𝑞e− 𝑘1𝑡 (6 − 4) 𝑡

𝑞𝑡= 1

𝑞e𝑡 + 1

𝑞e2𝑘2 (6 − 5)

ここで、qe (μmol/g) は飽和吸着量、k1 (μmol/g·min) とk2 (g/μmol·min) はそれぞ れ擬一次吸着速度定数と擬二次吸着速度定数である。

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さらに、MOの吸着挙動を考察するために、粒内有効拡散係数を(6-6)式から算 出し、細孔内での吸着挙動を解析した。

𝐹(𝑡) = 1 − 6

𝜋2∑ 1

𝑛2exp (−𝐷i𝜋2𝑡𝑛2 𝑟02 )

𝑛=1

(6 − 6)

ここで、Fは吸着時間t (s)の相対吸着量(F = qt/qe)、Diは粒内有効拡散係数 (m2/s)、 r0は吸着材の半径で75 μm(MSの粒子径:約150 μm)とした。nは整数である [12,13]。

6.2.5 Amino-PMMSの凝集および磁気回収試験

スクリュー管瓶(30 mL)に20 mLの蒸留水と0.1 gのAmino-PMMSを加えて

5 mg/g-蒸留水のAmino-PMMS懸濁液を調製した。この懸濁液を手で振盪後、室

温または45ºCの恒温槽で30 min静置し、凝集物の沈降する様子を観察した。さ らに、この沈降した凝集物を回収し、光学顕微鏡で観察した。また、サンプル管 に 10 mLの蒸留水と 0.01 g の Amino-PMMS を加えて 1 mg/g-蒸留水の Amino-PMMS懸濁液を調製し、室温または45ºCの恒温槽で30 min静置させ、任意の時 間毎に濁度計によって上澄み液中の濁度(NTU)を測定した。サンプル管に入れ

た10 mLのAmino-PMMS懸濁液は、2.5 cmの高さに相当するが、サンプル管底

部から1 cmの位置で濁度を測定した。

Amino-PMMS の磁気回収試験を行うため、5 mg/g-蒸留水の Amino-PMMS 懸

濁液20 mLを用意し、振盪後、室温または35ºCに設定した恒温槽にセットした

ネオジウム磁石の上に置いて 4 min 静置させた。その後、Fig.6-4 のように磁石 をスクリュー管瓶に密接させたまま逆さまにし、上澄み液を除去した。除去後、

磁石で回収された Amino-PMMS の入ったスクリュー管瓶を 60ºC の乾燥機で一 晩乾燥させ、スクリュー管瓶の重量を差分し、磁気回収率を(6-7)式を用いて算出

Fig.6-4 Magnetic recovery method of Amino-PMMS with neodymium magnet.

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した。

磁気回収率 [wt%] =磁気回収できたAmino − PMMS量 [g]

添加したAmino − PMMS量 [g] (6 − 7)