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測定項目及び方法

ドキュメント内 九州大学学術情報リポジトリ (ページ 171-175)

第7章 人工軽量骨材の自己養生効果による暑中コンクリートの品質向上に関する研究

7.2.4 測定項目及び方法

測定項目を表7.4に示しており,それぞれの測定方法を以下に示す。

1)フレッシュ状態

品質試験としてコンクリート温度,スランプ,空気量,単位容積質量を測定した。ブリーディ

ングは,JIS A 1123 に準拠してφ250×285mm の JIS 規格容器で測定した。水分蒸発量は,φ

250mm 容器(大)及びφ100mm 簡易型枠(小)を用い,コンクリートの質量を 10 分間隔で測定し,

時間経過に伴う質量減少値から求めた。ブリーディングと蒸発量は部材と同一環境で試験を行い,

床スラブ試験体の表面仕上げの作業容易性に及ぼす影響に関して検討した。表面仕上げ性の評価 は,熟練作業者による定性的な評価とした。凝結は,貫入抵抗試験とN式貫入試験を採用した。

貫入抵抗試験は,JIS A 1147 に準じて行った。N 式貫入試験は,φ250×500mm の容器に高さ

450mmまでコンクリートを打込み,棒状バイブレータで加振した中央部を除いた4点から実施し

た。所定の時間に突き棒を自由落下させ,コンクリートに突き刺さった深さを測定した。

2)圧縮強度及び密度

硬化コンクリートにおいては,標準水中養生を行った管理用供試体と,柱及び床のコア試験体 の密度と圧縮強度を測定した。柱部材から抜いたコア試験体は,図 7.2 のように密度と強度試験 用に分けて採収し,密度用はさらに上端と下端の部分を三等分に切断してφ100×50mmの試験体 を8個作製した。

表 7.4 測定項目

状態 対象 測定項目

フレッシュ

各 調 合

 フレッシュ性状:コンクリート温度, スランプ, 空気量, 単位容積質量

 ブリーディング:JIS A 1123に準拠

 蒸発量:φ250mm容器及び φ100mm簡易型枠で測定

 貫入抵抗試験:JIS A 1147 に準拠

 床スラブ表面の仕上げ作業性評価

硬化後

実験Ⅰ

 圧縮強度:管理用供試体とコア試験体に対して7d,28d,91dに実施

 密度:コア試験体を切断し,上下密度差を測定

 トレント法透気試験:91d

 促進中性化:91dから8週間乾燥後実施

実験Ⅱ

 圧縮強度

 温湿度:床試験体に対して超小型温湿度センサにより測定

 細孔径分布:水銀圧入式ポロシメータ

 水酸化カルシウム生成量:TG-DTA

 水和度:反射電子像による画像解析

 トレント法透気試験

 吸水試験

3)透気性状

床部材においては,スラブ表面の 12 箇所でトレント試験により透気性状を検討した。トレン ト透気試験は,コンクリート表面に二重チャンバーで密閉空間を作り,その内部チャンバーの気 圧変化から透気係数を算出する方法で,測定結果の信頼性が比較的高く,完全な非破壊試験であ るため近年は広く使用されている。

4)床試験体上部および中心部の温湿度

無養生とした床試験体の表層部(上面より深さ約 20mm)および中央部(上面より深さ約

100mm)に直径約50mm の円柱状の空間を打設時に設け,硬化後に超小型温湿度センサを設置し,

コンクリート内部の温湿度履歴を測定した。設置した方法および位置を,図 7.3 に示す。測定は,

普通とSL25についてのみ行った。

図 7.2 コア抜きした試験体の概要

図 7.3 超小型温湿度センサ位置

5)細孔径分布

細孔径分布では,床試験体から抜き取ったφ100×200mmのコア供試体を用いて試料調製を行 った。所定材齢において各調合の供試体から打設表層部と中央部をそれぞれ厚さ15mmにダイヤ モンドカッターで切断し,アセトンに浸漬して水和停止を行った。その後,11%RH の乾燥装置 にて一週間乾燥を行い,モルタル部分を 5mm 角程度となるよう切断し,測定範囲が細孔半径

3nm~10μmの水銀圧入式ポロシメータで細孔容積ならびに分布を測定した。

6)水酸化カルシウム生成量

細孔径分布の測定と同じ調製試料を用い,粗骨材を取り除いたモルタル部分をめのう乳鉢にて 粉砕した。TG-DTAにより毎分10℃で20℃から1000℃に加熱し,600℃までの強熱減量を求めた。

脱炭酸の影響を排除するために,試料の減量の測定温度は600℃とした。また,450℃前後での水 酸化カルシウム(CH)の脱水率から,CH生成量VCHを以下の式より算出した7-6)

100 式(7.1)

ここに,

VCH:水酸化カルシウム生成量(%) m’:450℃前後での水酸化カルシウム脱水率(%)

m :600℃までの試料の減量(%)

7)反射電子像による画像解析

細孔径分布および結合水量の測定に用いた表層部と中央部の試料の中心部分から,一辺 15mm 角の小片試料を切断し(図 7.4),エポキシ樹脂で含浸硬化させた後,観察面を研磨し,炭素に よる蒸着を施して反射電子像観察用試料とした。加速電圧15.0kV,観察倍率200倍および500倍 で小片試料の研磨面を撮影した。観察には,反射電子(BSE)検出器を付属した電界放出形走査 電子顕微鏡(SEM:日本電子㈱ JSM-7001F,BSE:日本電子㈱ SM-54060RBEI)を用いた。ま た,観察倍率500倍の粗骨材を含まないモルタル部分に対して約10箇所の画像を取り込み,2値 化処理を行い,1 画像中に含まれる未水和セメントの面積率を求めた。ステレオロジーの法則に 基づき,面積率は体積率に等しいとし,セメントペースト部分の水和度 αBEI を以下の式により求 めた7-7) 。10箇所の画像それぞれの水和度αBEIの平均を代表値とした。

1 式(7.2)

ここに,

αBEI:セメントペーストの水和度 Vunh:未水和セメント体積率(cm3/cm3) Vinit:調合上のセメント体積率(cm3/cm3)

図 7.4 床コア試験体の概要

7.3 「実験Ⅰ」の結果考察

7.3.1 フレッシュ性状

フレッシュコンクリートの性状を表 7.5 に示す。軽量骨材を用いた調合の空気量は,それぞれ 骨材修正係数を SL25:0.2%,SL50:0.3%,軽量:0.8%を差し引いた値を示している。軽量細骨 材の混入量が多いほどスランプが大きくなったが,すべての調合において目標値(スランプ:18

±2.5cm,空気量:4.5(軽量は5.0)±1.5%)を満足した。また,コンクリート温度は暑中期の目 標値とした35±2℃の範囲内であった。

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