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第6章のまとめ

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第6章 暑中環境で施工される壁体コンクリートのコールドジョイントに関する研究

6.6 第6章のまとめ

本章では,暑中期に施工される壁体コンクリートのコールドジョイントの発生に及ぼす影響に ついて総合的に検討し,コールドジョイントによる品質低下に関する対策及び適切な評価方法に ついて整理した。コンクリートの運搬時間と打重ね時間間隔を要因とし,実大レベルで模擬制作 した 16 体の壁試験体を対象とし打重ね部の品質を検討した。実験により得られた知見をまとめ ると以下のとおりである。

1) 暑中環境においては,コンクリートの運搬時間が長くなるほどスランプが低下した。また,

ブリーディングと凝結は,コンクリートの打込み時間に関わらず同時に終了するため,運搬 時間が長い場合は,ブリーディング終了時間は早くなり,ブリーディング水量も少なくなる ことにより,打ち込まれたコンクリートの表面部はより早期に乾燥状態になる。従って,暑 中コンクリート工事においては,できるだけ運搬時間を短縮させる配車計画が重要である。

2) 暑中期の凝結は非常に早く,練混ぜ後5.5時間程度で終結となる。JASS5で提案している貫入

抵抗値0.5N/mm2を打重ねの限度とすれば,暑中期では練混ぜから3時間以内に後打ち作業を

行う必要がある。

3) トレント法透気試験の判定基準によると,打重ね時間間隔 2 時間までは,「普通」もしくは

「悪い」等級となり,打重ね時間間隔 3 時間になると「非常に悪い」等級となる。つまり,

暑中期では打重ね時間間隔 1 時間でも品質低下の恐れがあり,規定値を超えて 2 時間以後に 打ち重ねると顕著に悪くなる可能性が高い。また,この傾向は,曲げ強度や吸水試験結果で も一致している。

4) 打重ね面の強度及び耐久性状には,先打ちコンクリート及び後打ちコンクリートの打込み時 間よりも,打重ね時間間隔の要因が品質に支配的に影響を及ぼす。ここで,打重ね時に先打 ちコンクリート表面のレイタンスなど脆弱層を除去することにより,品質を高めることが可 能である。打重ね時間の限度である打重ね時間間隔 2 時間の条件において,レイタンスを除 去すれば一体打ちコンクリートに近い品質を得ることが明らかになった。また,この効果は 打重ね時間間隔3時間でも認められた。

5) 本研究の範囲においては,透気係数 10×10-16m2,一体打ちコンクリートに対する曲げ強度比 0.6 を暑中期におけるコールドジョイントの発生基準と提案する。また,コールドジョイント の発生を抑制するための品質管理基準として,打重ね時間間隔は 2 時間以内,貫入抵抗値は

1.0 N/mm2以下,N式貫入量は30mm以上の条件で打重ねる必要があると考えられる。

参考文献

6-1) 日本建築学会:建築工事標準仕様書・同解説JASS5 鉄筋コンクリート工事,2015.07

6-2) 本田悟ほか:暑中環境で施工される構造体コンクリートのコールドジョイントに関する研

究その 4 コンクリートの打込み時間の影響,日本建築学会九州支部研究報告,第 54 号,

pp.29-32,2015.03

6-3) 陶佳宏ほか:打重ねコンクリートの耐久性に関する基礎的研究,コンクリート工学年次論

文論文集,Vol.23,No.2,pp.775-780,2001

6-4) 本田悟ほか:打込み時間が暑中環境で施工される構造体コンクリートのコールドジョイン

トに及ぼす影響 その2透気性によるコールドジョイントの評価, 日本建築学会九州支 部研究報告,Vol.55,pp.169-172,2016.03

6-5) 白川敏夫:表面吸水試験を用いた場合の吸水量の経時変化に関する検討,日本建築学会大

会学術講演梗概集(関東),pp.433-434,2015.09

6-6) 酒井雄也他:微細空隙中を毛管張力により浸入する液状水挙動に関する検討,コンクリー

ト工学年次論文集,Vol.34,No.1,pp.730-735,2012

6-7) 井上翔,秋山仁志,岸利治,魚本健人:現場簡易透気試験による実構造物コンクリート表

層の透気性評価とその相互比較,第35回土木学会関東支部技術研究発表会,2008.3

6-8) 土木学会:コンクリート構造物におけるコールドジョイント問題と対策,2000.07

第7章

人工軽量骨材の自己養生効果による暑中コンクリートの

品質向上に関する研究

第7章 人工軽量骨材の自己養生効果による暑中コンクリートの

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