第6章 暑中環境で施工される壁体コンクリートのコールドジョイントに関する研究
6.2 実験内容
6.3.2 水分移動
6.3 「実験Ⅰ」の結果考察
ブリーディング水量に関しては,先ず JIS 規格容器を用いた測定では,暑中期の先打ち時間 0.5hの場合,ブリーディングは打込み後1.5~2時間で終了し,累積ブリーディング水量はふた有
の場合は0.058cm3/cm2程度,ふた無では0.024cm3/cm2程度となった。暑中期の先打ち時間1.5hで
は,打込みから約 1.5 時間後にブリーディングが終了し,ブリーディング水量はふたをした条件
では 0.047cm3/cm2,ふた無の場合は 0.020cm3/cm2程度となった。標準期の場合は,水分蒸発の影
響が小さいため,ふた有無の影響が少なく,0.14~0.21cm3/cm2 程度で暑中期より多く,終了時間 も長いことを確認した。。
先打ちコンクリートと同じ深さの円筒容器を用いた結果では,暑中期の先打ち0.5hでは,打込 み後 1 時間までは湧出量が増加し,その量は蒸発量と同程度であったが,その後低下した。また,
先打ち時間1.5hの場合は湧出量が小さく,常に蒸発量よりも小さい値となった。なお,先打ちコ ンクリートの打込み時間にかかわらず,打込みから 2 時間経過すると,コンクリート上面のブリ ーディング水はなくなった。一方,標準期の場合は,打込みから 2 時間までは,他の実験方法に よるブリーディング累積量とよく対応しており,その後表層部のブリーディング水幕の影響で湧 出量は若干減少した。また,湧出量が暑中期よりも多く,逆に蒸発量は少ないため,常に湧出量 が蒸発量よりも大きくなった。
複合法による結果では,湧出終了時間は先打ち時間0.5hで約2時間,1.5hの場合は約 1.5時間 で,JIS 法と同時期となった。その後,養生水の吸水過程に転じたが,標準期には測定時間内で の吸水は見られなかった。これらは表面含水率の傾向ともよく対応している。
これらを総合すると,暑中期では標準期と比較して,先打ちコンクリート上面における水分蒸 発量が大きく,ブリーディング水量が小さいため,乾燥しやすい状況にあるといえ,さらに上面 での吸水現象が生じることなどの影響により,目視観察でも上面の浮き水は標準期しか見られな かった。
図 6.5 水分移動試験結果-先打ち時間 0.5h,暑中期(実験Ⅰ)
図 6.6 水分移動試験結果-先打ち時間 1.5h,暑中期(実験Ⅰ)
図 6.7 水分移動試験結果-先打ち時間 0.5h,標準期(実験Ⅰ)
図 6.8 水分移動試験結果-先打ち時間 1.5h,標準期(実験Ⅰ)