第 3 章 鉄道トンネルにおける振動計測と覆工の振動特性
3.4 振動計測結果及び考察
3.4.1 測定した振動の時刻歴波形
振動計測結果の一例として,振動加速度の時刻歴波形を図 3.4.1 に示す。この図に 示す波形は,軌道に近い「脚部」での覆工の周方向の振動成分の計測結果である。こ れらの振動計測結果は,計測した時刻歴データに対して,1Hz 以下のノイズを除くロ ーカットフィルターを周波数領域で行っている。図 3.4.1 中に示すように,最大加速 度は 0.3~0.9m/s2程度であり,列車の走行速度が速い特急列車の最大加速度が最も大 きく 0.8~0.9m/s2程度となっている。列車が計測箇所に近づくにしたがって,加速度 波形の振幅が徐々に大きくなり,各車両の車輪が軌道上を通過するごとに波形の振幅 が大きくなっていることがわかる。
通過列車の No.1 の「貨物」と No.2 の「特急」について,「脚部」の振動方向成分 の違いを比較して,図 3.4.2 と図 3.4.3 に示す。どちらの列車通過時においても,周 方向成分(図中のz成分)の最大加速度は,他の振動成分と比較して大きい。また,
振幅が大きくなる時刻はいずれの成分も同様であり,振動成分による波形の違いは見 られない。周方向成分を例として,計測位置による波形の違いを比較して,図 3.4.4 と図 3.4.5 に示す。今回設置した約 2m間では,波形の違いは認められない。
列車が計測箇所に近づくにしたがって加速度波形の振幅が徐々に大きくなり,各車 両の車輪が軌道上を通過するごとに波形の振幅が大きくなっていること,周方向成分 の最大加速度が他の振動成分と比較して大きいことから,トンネル覆工表面の振動は,
列車車両の車輪が軌道と接触することによって生じている振動が伝搬しているものと 考えられる。この覆工表面で伝播している振動は,振動方向によらず同様の波形とな っている。
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図 3.4.1 測定した加速度時刻歴の計測例(「脚部」のトンネル覆工周方向成分)
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No.1:貨物
No.2:特急
No.3:貨物
No.4:特急
No.5:普通
No.6:貨物
No.7:特急
No.9:特急
No.10:貨物
No.11:貨物
図 3.4.2 No.1「貨物」の「脚部」の加速度時刻歴波形の振動方向の比較
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X:線路方向
Y:覆工面外方向
Z:覆工周方向
X:線路方向
Y:覆工面外方向
Z:覆工周方向
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図 3.4.4 No.1「貨物」の覆工周方向の加速度時刻歴波形の計測位置の比較
図 3.4.5 No.2「特急」の覆工周方向の加速度時刻歴波形の計測位置の比較
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上部
中部
下部
脚部
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中部
下部
脚部
3.4.2 計測した波形の周波数特性