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第 5 章 トンネル覆工大型模型を用いた振動実験

5.4 実験結果及び考察

5.4.2 変状進展に伴う振動特性の変化

5.4.2 変状進展に伴う振動特性の変化

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生じることで,広い周波数の範囲でフーリエスペクトル比の形状に変化が生じたもの と想定される。

図 5.4.22~図 5.4.25 以外の STEP においても,図 5.4.26~図 5.4.29 に示すよう に,卓越周波数が大きく異なるようなフーリエスペクトル比の形状の変化は認められ ないが,広い周波数帯の範囲でフーリエスペクトル比の形状に違いが生じている。こ れは,変状の進展によって,覆工試験体にさまざまな振動の境界面が生じて,覆工を 伝達する振動波形が,変状の違いによって乱されているものと考えられ,このことで フーリエスペクトル比に変化が生じているものと考えられる。これらの図は,測定点 1 と 4 の加速度フーリエスペクトル比について示しているが,図表としては示さない が、載荷試験の STEP が異なることで,つまり変状進展によって各測定点間のフーリエ スペクトル比の形状に変化が生じることを確認している。

図 5.4.22 STEP3~5 のフーリエスペクトル比の比較(覆工周方向)

1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz)

4/1 STEP 3(2波を表示)

STEP 4(2波を表示)

STEP 5(2波を表示)

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

フーリエスペクトル比

4/1 STEP 3(2波を表示)

STEP 4(2波を表示)

STEP 5(2波を表示)

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図 5.4.24 STEP2 と 3 のフーリエスペクトル比の比較(覆工周方向)

図 5.4.25 STEP2 と 3 のフーリエスペクトル比の比較(覆工面外方向)

1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz) 4/1

STEP 2(2波を表示)

STEP 3(2波を表示)

1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz)

4/1 STEP 2(2波を表示)

STEP 3(2波を表示)

図 5.4.26 STEP6~9 のフーリエスペクトル比の比較(覆工周方向)

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

フーリエスペクトル比

4/1

STEP 6 STEP 7 STEP 8 STEP 9 1.E-02

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz)

4/1 STEP 6

STEP 7 STEP 8 STEP 9

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図 5.4.28 STEP9~11 のフーリエスペクトル比の比較(覆工周方向)

図 5.4.29 STEP9~11 のフーリエスペクトル比の比較(覆工面外方向)

1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz) 4/1

STEP 9 STEP 10 STEP 11 1.E-02

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz) 4/1

STEP 9 STEP 10 STEP 11

(2) 振動が覆工を伝播する時間

本論文での振動実験では,覆工の脚部近くに鋼球を落下させて覆工に振動を与えて いる。鋼球落下による加振としていることから,波形の立ち上がりに着目して,弾性 波が覆工を伝播する速度を評価することを試みた。

図 5.4.30 には,一例として,載荷状態が STEP11 のときの覆工周方向の振動成分の 加速度波形を示す。この図に示すように,測定点 1 の加速度波形の立ち上がりに対し て,測定点 2~4 の立ち上がり部分に時間の遅れが生じていることがわかる。この時間 の遅れを弾性波の伝播時間として,測定点の距離との関係で整理したものを図 5.4.31 と図 5.4.32 に示す。図 5.4.31 は覆工円周方向の振動成分のものであり,図 5.4.32 は面外方向のものである。これらの図中には,載荷試験実施前の STEP1 の弾性波の伝 播時間と,天端から約 60 度の位置ででひびわれが生じた STEP5 における伝播時間も併 記してある。また,試験体作製時に打設した円柱供試体の弾性波速度から求めた弾性 波の伝播時間も示している。載荷実験の各 STEP では 2 回の鋼球落下を行っており,こ れら図中の載荷実験中の伝播時間は 2 回の平均値を示している。これらの図から,伝 播時間と距離の関係が直線的であること,載荷試験実施前の STEP1 の弾性波の伝播速 度は円柱供試体の弾性波の伝播時間と整合していることがわかる。また,振動方向に よらず,測定点間でひびわれが生じた STEP5 と,ひびわれ等の変状が進んだ STEP11 の伝播時間はよく整合している。STEP5 と STEP11 の伝播時間は,STEP1 の伝播時間や 円柱供試体の弾性波の伝播時間と比較して遅くなっており,この傾向は,覆工面外方 向の振動成分から評価した結果が周方向と比較して著しい。これは,測定点間でひび われが面外方向の振動成分と同一方向で生じており,ひびわれ箇所ではせん断方向の 力の伝達が十分でないことから,この影響によって時間の遅れが生じているものと思 われる。

ひびわれの存在により伝播時間に変化が生じることは,弾性波の伝播時間を用いる ことでひびわれの発生や進展を捉えることができる可能性があることを示唆している ものと考えられる。

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図 5.4.30 STEP11 の加速度波形(覆工周方向)

-150 -50 50 150

加速度(m/s2

STEP11

波形立上がり位置

(測定点位置:4)

-150 -50 50 150

加速度(m/s2

(測定点位置:3)

-150 -50 50 150

加速度(m/s2

(測定点位置:2)

-150 -50 50 150

0.006 0.007 0.008 0.009 0.01 加速度(m/s2

時間(s)

(測定点位置:1)

図 5.4.31 振動の伝播時間(覆工周方向の振動成分)

0.0E+00 1.0E-04 2.0E-04 3.0E-04 4.0E-04 5.0E-04

0 200 400 600 800 1000

伝播時間(s)

測定位置(mm)

弾性波速度Vp STEP1平均 STEP5平均 STEP11平均

1.0E-04 2.0E-04 3.0E-04 4.0E-04 5.0E-04

伝播時間(s)

弾性波速度Vp STEP1平均 STEP5平均 STEP11平均

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