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実トンネルにおける覆工表面加速度のフーリエスペクトル比

第 3 章 鉄道トンネルにおける振動計測と覆工の振動特性

3.5 列車通過時の振動のトンネル覆工変状進展評価への活用策

3.5.2 実トンネルにおける覆工表面加速度のフーリエスペクトル比

図 3.5.5~図 3.5.10 には,実トンネルで計測した振動波形を用いて,「上部」に対 して,「中部」,「下部」,「脚部」のフーリエスペクトル比を求めたものを示す。それぞ れのフーリエスペクトル比について,覆工の周方向の振動成分,覆工面外方向の振動 成分,線路方向の振動成分のものを図化している。これらの図は,表 3.3.3 のすべて の列車の計測結果を重ね書きしている。

覆工表面の振動加速度は,加速度フーリエスペクトルに着目した場合は列車種別に よる若干の相違が認められるが,図 3.5.5~図 3.5.10 に示すように,フーリエスペ クトル比を求めることで,概ね一定の関係を示すことがわかる。このフーリエスペク トル比は,図 3.5.5~図 3.5.10 によれば,振動方向成分が線路方向の場合は他の振 動方向を対象とした場合と比較してばらつきが大きい傾向が見られるが,振動方向が 周方向とした場合や覆工面外方向とした場合は,概ね 6,000~8,000Hz 以下の周波数帯 では,列車種別や通過速度が異なっても,同一の形状を示していることがわかる。概 ね 6,000Hz のよりも高い周波数で複数列車のフーリエスペクトル比のばらつきが大き くなり始めるのは,センサの感度や固定状態等の振動測定の環境が影響していると考 えられる。本論文の以降の検討では,複数列車のフーリエスペクトル比のばらつきが 顕著となる 8,000Hz 以降は評価対象とせずに,8,000Hz 以下の周波数帯に着目するこ ととした。概ね 8,000Hz 以下で,列車種別によらずフーリエスペクトル比が一致する ことは,図には示さないが,「上部」以外の箇所に対してフーリエスペクトル比を求め ても,列車種別による違いがないことを確認している。

常時微動からもフーリエスペクトル比を求めてみたが,常時微動による振動の大き さは,振動成分に対してノイズの占める割合が多いことから,フーリエスペクトル比 が周波数によって変化せずに一定の値を示した。このことからも,列車振動を活用す る優位性はあるものと言える。

フーリエスペクトル比,つまり振動の伝達関数は,理論上,対象としているモデル の剛性と質量,減衰から決定されるものである。計測結果から求めたフーリエスペク トル比も,理論と同様に,ひびわれや内部欠陥等が変化しなければ,列車種別が異な ってもフーリエスペクトル比の形状は概ね一致する。

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図 3.5.2 実トンネルの「上部」に対する「中部」の 加速度フーリエスペクトル比(覆工周方向)

図 3.5.3 実トンネルの「上部」に対する「中部」の 加速度フーリエスペクトル比(覆工面外方向)

中部/上部

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 周波数(Hz)

フーリエスペクトル比

貨物 No.1~5 特急 No.6~9 普通 No.10

中部/上部

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 周波数(Hz)

フーリエスペクトル比

貨物 No.1~5 特急 No.6~9 普通 No.10

図 3.5.4 実トンネルの「上部」に対する「中部」の 加速度フーリエスペクトル比(線路方向)

中部/上部

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 周波数(Hz)

フーリエスペクトル比

貨物 No.1~5 特急 No.6~9 普通 No.10

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図 3.5.5 実トンネルの「上部」に対する「下部」の 加速度フーリエスペクトル比(覆工周方向)

図 3.5.6 実トンネルの「上部」に対する「下部」の 加速度フーリエスペクトル比(覆工面外方向)

下部/上部

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 周波数(Hz)

フーリエスペクトル比

貨物 No.1~5 特急 No.6~9 普通 No.10

下部/上部

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 周波数(Hz)

フーリエスペクトル比

貨物 No.1~5 特急 No.6~9 普通 No.10

図 3.5.7 実トンネルの「上部」に対する「下部」の 加速度フーリエスペクトル比(線路方向)

下部/上部

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 周波数(Hz)

フーリエスペクトル比

貨物 No.1~5 特急 No.6~9 普通 No.10

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図 3.5.8 実トンネルの「上部」に対する「脚部」の 加速度フーリエスペクトル比(覆工周方向)

図 3.5.9 実トンネルの「上部」に対する「脚部」の 加速度フーリエスペクトル比(覆工面外方向)

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz) 脚部/上部

貨物 5本 特急 3本 普通 1本

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz) 脚部/上部

貨物 5本 特急 3本 普通 1本

図 3.5.10 実トンネルの「上部」に対する「脚部」の 加速度フーリエスペクトル比(線路方向)

1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000

フーリエスペクトル比

周波数(Hz) 脚部/上部

貨物 5本 特急 3本 普通 1本

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