理) 7%
第Ⅵ部 活性化の方向性
岡山大学大学院社会文化科学研究科 教授 中村良平
誤解のないように最初に定義しておきたいが、中心市街地と商店街は必ずしも同義ではないと いうことである。我が国のまちにおいて、多くの商店街というものが長らく中心部に存在して中 心市街地を形成していたことから、 [中心市街地の活性化=商店街の活性化] という解釈になりが ちであった。 実際、 1998 年のまちづくり 3 法は、 中心市街地活性化のための省庁横断型で 1 兆円 を超える予算を投じながら、それによって活性化した中心市街地を探し出すことが難しいくらい の成果であった。この間違いは、中心市街地の活性化を商店街の活性化と読み違えていたことに ある。
中心市街地とは、まちにとっての公共空間であり、そこで商いをする個人や事業者もその意識 を持つことが不可欠である。高松市丸亀町商店街の成功はそこにあると思われる。この意識のな い中心市街地の商店街は必ず衰退する。空き店舗を放置しておくのは、その所有者に対して公共 空間非活用のペナルティを科すべきかも知れない。しかし、その意識があるからと言って、活性 化することには直接つながらない。すなわち、中心市街地の活性化は、必ずしも商店街の活性化 を意味するものではないということである。
今回のアンケート集計結果やワークショップにおいて、商店街の課題として、需要者のニーズ と供給者の思いが一致していないことが明らかになった。そのような中で、岡山市に大型ショッ ピングモールのイオンが 11 月に開業する。 すでにパート労働などの雇用を吸収することが予想さ れ、それは従来の店舗からの雇用も奪うことになる。大型店は常に消費者のニーズを組んだ戦略 を実行している。決して売りたいものを売るのではなく、売れるものを置いているのである。個 店に必要なのは、マーケティングなどデータ分析の提供である。これには、外部の協力が欠かせ ない。
イオンの開業は、確かに岡山市の商圏を広げることにつながる。しかし、それは岡山市の中心 市街地の全面的な活性化につながるかどうかは疑問である。商店街を形成する個店のレベルアッ プが全体としての中心市街地の活性化につながる。
中心市街地の活性化の目安は人通りの多さである。そのことが賑わいの根源でもある。アンケ ート結果によると、駅前と表町、その2地点間を移動しない、あるいは回遊しないという最大の 理由は、片方で用事が終わるからと言うことであった。 これは、イオンモールが開業する 11 月以 降ますます駅前において顕著になるであろう。しかし同時に、中心市街地への来訪者には、買い 物動機以外の来街者も半数以上いることもわかった。こういった人たちが、駅前周辺と表町周辺 の間を如何に回遊するか(させるか)というところが活性化のエッセンスである。
まちの賑わいとは、多くの人々が通りを行き交っていること。それは確固たる買い物目的があ
ってもなくても、まちを歩くという動機があれば十分である。すなわち、動機はあっても、買い
物目的のない回遊ができることが必要と思われる。
アンケート結果より中心市街地内での移動手段は徒歩が7割以上を占めていることから、買い 物以外での回遊性を高めるには、 「歩いて楽しい通り」づくりが必要であることに気づく。ストリ ートの雰囲気とも言えよう。別途、岡大生に対して行った消費行動のアンケート結果からも、岡 山市中心部に欠けているものとして「歩いて楽しい町並み」という意見が多かった。そのために は、西川緑道公園の活用は不可欠である。
先般、庭園都市として有名なニュージーランド南島のクライストチャーチを訪れ、ヒアリング と町の中心を流れるエイボン川を市の職員の解説付きで見学した。勿論先の震災によってダメー ジを受けている場所もあるが、場所、場所によって、その地区の雰囲気を活かした川の岸辺の作 り方、川幅を変えることで流れのスピードに変化を付けること、川に架かる橋にも個性を持たせ るなど様々な工夫がなされていた。
駅前と表町を回遊することは困難でも、間にある西川緑道を使った回遊は十分可能である。そ ういった意味で県庁通りに魅力ある店舗の立地、西川周辺への魅力ある店舗の立地は、回遊の必 要条件であろう。
岡山駅前(地下街含む)⇔ 表町(クレド、シンフォニー含む)
• クレドを含む表町商店街地区と駅地下街・高島屋を含む駅前商業地区とは、買い物商品につい てある程度代替関係にある。すなわち、競合関係にある。
• 消費者は、買い物目的のためにどちらかのみ訪れる傾向が強い。
• 両者を同時に訪れるには、交通手段に依存、表町では駐車場に問題がある。
• 商店街の両端に百貨店など大型集客施設があると、 その間を人は回遊する可能性が高まる。 (高 松:兵庫町・片原町・丸亀町・南新町・常盤街)
• 駅前と表町の間を直接結ぶ「県庁通り(←俗称必要?) 」 、 「桃太郎大通り」 、 「あくら通り」
• 駅前と表町の間を流れる西川緑道公園の役割が増す。 西川緑道を特色ある区切り方で個性を持 たせることが必要。回遊のオアシス的拠点を持つ。
• イオン効果は1年くらいと見る向きが調査回答者には多いが、 その1年間で地元商店は大きな 打撃を受けることも忘れてはいけない。また、1年経つと人の動線も変わってしまっている 可能性も高い。
岡山駅前(東口)⇔ 岡山駅前(西口)
• 駅西口の整備によって、東口から西口にかけて、 NHK や ANA 当たりまでの回遊は高まって きたが、駅西口周辺での面的な広がりには欠けている。
• ただし、奉還町商店街は、消費者の需要内容、その役割も独自性があり、面的広がりの一角を あえて形成させる必要はない。
• ママカリフォーラムではインパクト集客性が弱い。路地も狭小であり、新たな動線を形成でき るような一体的な再開発をする必要がある。
• その中で、奉還町は独自性・異色さを放つ存在となる可能性がある。
添付資料
調査票(アンケート内容)
〇インターネット調査票
Q8
Q8○ 1.
○ 2.
○ 3.
○ 4.
Q9
Q9□ 1.
□ 2.
□ 3.
□ 4.
□ 5.
□ 6.
□ 7.
□ 8.
□ 9.
□ 10.
□ 11.
□ 12.
□ 13.
□ 14.
□ 15.
□ 16.
□ 17.
□ 18.
□ 19.
Q10
Q10Q10S1N 1. 現金【 】%
Q10S2N 2. ク レジットカー ド【 】%
Q10S3N 3.
交通系の電子マネー (ICOCA 、ハレカ)【 】%
Q10S4N 4. 交通系以外の電子マネー (WAON、na na coなど )【 】%
Q11
Q111 2 3 4 5
ドキュメント内
商店街等調査報告書(詳細版) 商店街等調査|岡山市|事業者情報|事業を営んでいる方
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