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マイカーを利用する消費者は、目的地に隣接、あるいは至近という距離的な条件と駐車場の空 き状況や入出庫の容易性は重視するものの、まずは無料駐車場、次に時間制限で無料、さらに割 引制度、そして時間当たり金額の低さを重要視する。

百貨店、大型商業施設、量販店の太宗が何らかの駐車場サービスを実施している点と、岡山市 の中心市街地は駐車場だらけである点に鑑みると、駐車場サービスが無いことは、来客数を増や すという観点や将来の商店街の展望を考える上で、アキレス腱になることは間違いない(品揃え や価格など商店街の店舗特性というよりも顧客数が減少している最も大きな要因となっている可 能性を否定できない) 。 「客足」という言葉があるとおり、客の足に対する利便性を欠いた立地型 サービス業は成り立たない時代である。商店街の魅力は ぶらぶら歩き にある。一部の商店だ けが共同駐車場サービスを実施しただけでは、商店街全体への誘引効果は減殺される。

また、公共交通利用による顧客を中心にビジネスを継続させるなら、買い物した荷物を自宅ま で運ぶという観点や小さな子供連れ、長い歩行が苦手となった高齢者、妊産婦などの、どうして もマイカー利用を選択しがちな顧客に対して、何かしらの公共交通利用に対する付加価値サービ スやインセンティブの提供を検討する必要性があろう。魅力ある商店街や公園、歴史・文化施設 があっての公共交通である。つまり、あくまで交通=モビリティは移動の手段であって、目的で はない点を認識した施策を検討しなければならない。

問1⑲  電子マネーへの対応

電子マネーの対応状況については 「既に導入している」 店舗は 9% 、 「現在導入を検討している」

店舗も 9% 、残り 82% のほとんどが「電子マネーの導入の予定はない」としている。

図Ⅳ -28   電子マネーへの対応

確かに電子マネーは、個人事業主や零細企業には、その導入の費用対効果などメリットを甘受 既に導入し

ている

9% 現在検討し ている

9%

導入の予定 はない

82%

しにくい性格を有している。その一方で、電子マネーの普及は急速であり、日常生活の様々なシ ーンで一般化しつつある。そのスタイルも前払い、即時払い、後払い機能にポイント制やマルチ 利用機能(カード連携)など、付加価値がつき、加えてインターネット、携帯電話、スマートフ ォンなどカードの実物が無くても利用可能な社会が到来している。

こうした利用は若い層やミドル層の消費行動に大きく影響している。こうした層が高齢化した 頃には、電子マネーの利用は完全に定着していることが予想され、こうした点にも着目しなけれ ば、将来的に利用者は激減する可能性を否定できまい。

商店街においては、 商店主はもとより、 2 代目、 3 代目を含む次代を担う若手経営者が参加して、

マルティメディア時代の小売業の対応やあり方について、学習会や検討会を開催するなど、メリ ット、デメリットの双方から議論をすべきであると思われる。

( 2 )   商店の景況感と今後の見通し

問2  5 〜 6 年前と比べた現在の景況感

5 〜 6 年前と比べた現在の景況感は、 半数の店は 「衰退している」 と感じ、 「やや衰退している」

の 27% と合わせると 4 分の 3 が衰退感をも持っている。逆に、 「繁盛している」 2% に「やや繁盛 している」 6% を加えた 8% が繁盛感を持っている。

図Ⅳ -29 5 〜 6 年前と比べた現在の景況感

こうした実態は、第Ⅱ部の来街者調査や岡山市が実施している商業統計の時系列推移からも見 て取れる。つまり、商業事業所の数は小売業で減少の一途をたどっているのに対して、従業員数 にさほどの大きな変化は無い。 また、 小売業の年間商品販売額の推移を見ても平成 19 年では微増 傾向を示している。これは商店街の売り上げを大型商業施設や量販店が吸収しているためと推察 される。活性化に成功している商店街にみられる共通点は、商店街同士が一致団結して、総合的 な取り組みを展開している点に集約できる。新しい施設の建設や公共交通の拡充も大切なファク

繁盛してい る 2%

やや繁盛し ている

6% 良くも悪く もない

15%

やや衰退し ている

27%

衰退してい

50%

ターではあるが、商店街自体に魅力が無ければ、消費者は来店しないことは自明の理である。こ の点で、イオンモール岡山が年間 2000 万人の来店を見込むとしていることは、商店街に新たな 来店客を呼び込む絶好の商機であるといえる。

問3  商店街を取り巻く環境変化( 5 〜 6 年前と比べて)

5 〜 6 年前と比べ現在環境の変化を大きく感じているのは「来街者数の減少」であり、増加 4 %

に対し減少 86% で、その差が 82% と開きが最も大きい。

ついで大きいのは「売上」で、その差が 78% である。さらに環境変化が大きく感じられている のは「店舗数」の減少であり、その差は 74% である。 「商圏内人口」の減少が 52% 、そして「商 圏の広さ」が 50% となっており、いずれも大きな減少感を示している。

図Ⅳ -30   商店街を取り巻く環境変化( 5 〜 6 年前と比べて)

こうした来街者数の減少についてみると、大型商業施設やロードサイド型の量販店では、保有 する商品・サービスを販売するためにマーケットを調査し、顧客の階層を特定し(ターゲティン グ) 、広告販促(セールスプロモーション)を実施する。従って、商品を軸に不特定多数の顧客を 対象としながらも、時代のトレンドや新商品情報に常に注意を払い、マス広告やカード戦略を組 み合わせるなど、様々なマーケティング手法で消費者の購買意欲を惹起させる仕掛けを駆使して いる。

一方、商店街はマーケットが特定の地域または特定の階層、即ち特定多数の顧客を対象として おり、特定の商品を購入する個人を軸とした考え方になる。その結果、問1の⑪でみたとおり、

7.3

12.0

6.8

4.2

4.5

35.9

24.4

12.8

10.2

13.3

56.9

63.6

80.5

85.7

82.2

0% 50% 100%

①商圏の広さ (5 〜 6 年前と現在 とを比べて )

②商圏内人口 (5 〜 6 年前と現在 とを比べて )

③店舗数 (5 〜 6 年前と現在とを 比べて )

④来街者数 (5 〜 6 年前と現在と を比べて )

⑤売上 (5 〜 6 年前と現在とを比 べて )

増加している 変化はない 減少している

「なじみ客」が中心となっている。 5 〜 6 年前と比べた環境変化の回答結果からは、その「なじみ 客」が他へ移り、世代交代した時点で、まず来街者数が減少、続いて売り上げが減少、そして客 足が減少するケースが少なくないと推察される。

問3  環境変化予測( 5 〜 6 年先)

今後 5 〜 6 年先の環境変化の予測として変化が大きいと感じているのは、 「店舗数」の減少であ る。増加の 8% に対して減少が 77% で、その差が 69% と開きが大きい。 5 〜 6 年前と比較した際の 74% に比べ改善されたとはいえ、依然減少感は払しょくできない。

ついで「来街者数」と「売上」の増加予測と減少予測との差がほぼ同率の 66% である。このう ち「来街者数」については、 5 〜 6 年前と比較した際の差 86% の減少からみれば大幅改善である。

図Ⅳ -31   環境変化予測( 5 〜 6 年後)

一方「商圏の広さ」や「商圏内人口」については、依然減少が増加を上回っているものの、増 加とみる人がこれまでより大きく増えていることが注目される。

11.6

16.6

7.5

9.1

8.0

29.1

23.9

15.8

15.5

17.9

59.3

59.5

76.6

75.4

74.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

①商圏の広さ (5 〜 6 年後の予測 )

②商圏内人口( 5 〜 6 年後の予測)

③店舗数 (5 〜 6 年後の予測 )

④来街者数 (5 〜 6 年後の予測 )

⑤売上 (5 〜 6 年後の予測 )

環境変化予測(5〜6年後)

増加する 変化はない 減少する

図Ⅳ -32   商店街を取り巻く環境変化(増加する−減少する)

( 3 )   商店の強み

問4  自店の自負する強み

自店の強みとして「当てはまる」に「やや当てはまる」を加えた肯定率の高い項目をあげると、

「常連のお客さまが多い」 が 87% と圧倒的に高い。 ついで 「扱い商品の品質の高さ」 の 74% 、 「専 門性が高い・他では買えないものを売っている」の 70% 、 「お客さまとのコミュニケーションが 活発」 の 69% が高率の強み項目となっている。 さらに 「店が明るい」 と 「店にこだわり感がある」

が同率で 64% 、 「個性・独自性・ユニークさがある」が 61% 、 「店が清潔である」が 60% で続いて いる。

一方、 「全く当てはまらない」に「あまり当てはまらない」を加えた否定率の高い項目は、 「ポ イントカードなどの特典がある」が 58% の否定率 (肯定率は 34% ) 、 「チラシやD M など情報の提 供が活発である」が 56% の否定率(肯定率は 26% ) 、さらに「止めやすい駐車場が整備されてい る」が 44 %の否定率(肯定率は 30% )となっている。つまり販促面と駐車場問題が弱点となって いることが分かる。

-49.6 -51.6

-73.7

-81.5 -77.7

-47.7 -42.9

-69.1 -66.3 -66.1

-100 -90 -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0

商圏の広さ 商圏人口 店舗数 来街者数 売上

5 〜 6 年前と比べて 5 〜 6 年後の予測

図Ⅳ- 33   自店の自負する強み 23.4

37.2 20.4 18.2

20.9 31.6 23.2

28.9 31.9 30.5 39.6 20.9

24.8 13.1

21.9 10.3

48.6 22.7

36.9 27.1

35.4 32.9

37.5 36.8

35.2 31.9 30.9

30.5 28.2

27.0 16.7

12.0 15.2

38.4 26.2

20.9 36.3

38.6 37.5

26.4 28.4

26.5 28.1 28.4

18.9 40.4 28.4 26.6

8.5 18.4

8.2 17.4

2.8 10.9

5.6 5.8

3.1 10.2

7.0 6.7 8.2 6.7

8.3 15.6 15.6

7.4 17.4

3.8 10.3

2.1 5.3

2.1 2.9 1.4 1.4 2.4 1.4 2.1 4.2

2.2 4.3 28.0 50.2

38.7

1.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

扱い商品の価格が安い 扱い商品の品質が高い 品揃えが豊富である 接客レベルが高い 店員のアドバイス力・提案力が優れている お客さまとのコミュニケーションが活発 店が清潔である 店が明るい 店にこだわり感がある 個性・独自性・ユニークさがある 専門性・他では買えないものを売っている 営業時間が自分の利用に合っている 交通アクセスが良い 止めやすい駐車場が整備されている ポイントカードなどの特典がある チラシやDMなど情報の提供が活発である 常連のお客さまが多い

当てはまる やや当てはまる どちらともいえない

あまり当てはまらない まったくあてはまらない