アフガニスタン国家治安部隊(AFGHAN NATIONAL SECURITY FORCES)
アフガン軍の詳細については、治安情勢‐アフガニスタン国家治安部隊(ANSF)も参照。
10.01 米国務省の2011年の人権慣行に関する国別報告書、アフガニスタン(2012年5月24日付(2011 年USSD報告書)は、以下のように説明している。
三つの省庁が、国の治安を提供するために法律面と実践の両方に責任を負っている。 MOI (内 務省)の下にあるアフガニスタン国家警察(ANP)は、主に国内の秩序に責任があるが、武力勢 力との戦いにも一層従事するようになってきている。防衛省の下にあるアフガニスタン国軍
(ANA)は、対外治安を担当している。国家保安局(NDS、National Directorate of Security)
は国の治安事象を調査することに責任を負っており、諜報機関としても機能している。国家保 安局(NDS)の調査支部は、カブールに、事件が検察官に引き渡されるまで公判前の囚人を収容 するための施設がある。一部の地域では政府が支配を主張することができず、その結果、武装 勢力がかなりの権力を保持している。[58c]
10.02 ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)は、2011年11月までの出来事を対象と したその2012年世界報告書(2012年1月出版)にて、以下のようにコメントしている。
NATOの任務は、外国部隊から引継ぎをするために、2011年10月までに134,000人強の警察部
隊と 171,600 人の兵士を訓練することを目的としている。しかし、取り組みは新兵の減少、武
装勢力の侵入、非識字や薬物乱用などの深刻な課題に直面している。訓練生が国際部隊の指導 者を攻撃し、殺害したという複数の事件が発生している。7人に1人のアフガン兵士、計24,000 人が2011年の最初の6ヶ月以内に脱走した。これは、2010年の2倍であった。必要なトレーニ ングや審査に対し、軍隊の増強が速く進んでいると懸念され、軍隊の規模は、財政的に持続不 可能になるであろう。[15a] (p 2)
10.03 議会調査局の報告書、「アフガニスタン:タリバーン政権崩壊後の統治、治安及び米国政策」
( 2012年5月3日付)(2012年5月CRS報告書)は、以下のように述べている。
アフガニスタンによる先導への移行は、主にアフガニスタン国軍(ANA)とアフガニスタン国家 警察(ANP)から構成されるアフガニスタン国家治安部隊(ANSF)の有効性にある。アフガニス タン国家治安部隊(ANSF)は2002年以来大幅に拡大している。2011年から2014年の間に、米 国と同盟軍の戦略は、アフガニスタン国家治安部隊(ANSF)を徐々に一層難しい作戦の先導を させることに焦点を当てることであった。2012 年5月の時点で、アフガニスタン国家治安部隊
(ANSF)は、すべての戦闘任務の40%を先導しており、2012年末までに、アフガニスタンの人
口の50%以上に対して、治安活動を先導することになるであろう。[10b] (p 31)
10.04 同報告書は、続けて以下を報告している。
全国で治安活動を先導する能力に関して、依然として広くはびこっている疑問がある。アフガ ニスタン国家治安部隊(ANSF)全体の欠陥のいくつかは、文盲に起因する。約 90%は文盲と推 定されている。それを受けて、NTM-A [NATO 訓練ミッション‐アフガニスタン]が、識字教育を 提供することに一層焦点を置くようになった。そして、識字訓練を受けたい新入部員の募集を 大いに推進するものとなっているようである。 2012年4月の米国防総省(DOD)の報告書は、 2012 年 3 月の時点で 112,000 人のアフガン兵士と警察官が識字訓練を受けていると述べている。
NATOのファクトシートは、アフガニスタン国家治安部隊(ANSF)の68%が最低一級の識字力を もっており、2009年のほんの14%から増加した。もう一つの懸念は、アフガニスタン国家治安 部隊(ANSF)内の忠誠心とイデオロギーである。アフガニスタン国家治安部隊(ANSF)による 連合軍兵士の攻撃は2011年初め以来増加し、アフガニスタンとその指導者の間の緊張を増加さ
せた。これは、アフガニスタンの軍とその米国主導の指導者間での対話が少ない場合には移行 が複雑になるであろう[10b] (p 31)
10.05 2012年5月CRS報告書は、さらに以下のことを説明している。
2010 年 1 月 21 日に、国連・アフガニスタン「共同調整モニタリングボード(JCMB、Joint Coordination and Monitoring Board)」は、2011年10月までに、それぞれアフガニスタン国軍
(ANA)は 171,600人まで、アフガニスタン国家警察(ANP)は、約 134,000人まで拡大され、
アフガニスタン国家治安部隊(ANSF)合計で、305,600 人になることで合意した。両機関とも 2011年9月下旬までにその規模に達した。 2011年8月に、より大きい目標である352,000人
(195,000人アフガニスタン国軍(ANA)、157,000人アフガニスタン国家警察(ANP))が設定さ れた。この目標は、幾分予定より早く、2012年7月か8月までに達成することになっている。
[10b] (p 32)
10.06 外務連邦省、アフガニスタン:進捗報告書2012年9月(2012年10月8日に発表)は、以下の 表を提供している。
表1:アフガニスタン国家治安部隊(ANSF)
2012月9月の目標値に対する成長実績 戦力(2012年9月)
実際の戦力
(2012年9月)
9月目標達成/未達成
アフガニスタン国軍(ANA): 184,785 182,209 未達成 アフガニタン空軍(AAF): 5,800 6,224 達成
アフガニスタン国家警察(ANP):155,706 147,158 未達成 [37e] (p6)
10.07 同ソースは、以下のように述べている。:発行時(2012年10月8日)、国際治安支援部隊(ISAF)
は、国軍の現在の採用実績は195,000人(9月では、182,000人が実際に訓練中や戦場部隊に配 属)であった。警察の採用実績は、157,000人が(9月では、147,000人を少し超える人員が実 際に訓練中か、戦場部隊に配属)であった。アフガニスタン国家治安部隊(ANSF)の残りは、
訓練センターで配属を待っている。我々は、国軍が2012年12月中に、警察が2013年2月中に、
訓練兵と現場兵の兵力の点で目標達成できることを予想している。[37e] (p6)
10.08 2012年6月20日の私の以前の報告以降の出来事を対象にした国連安全保障理事会事務総長報告
書、アフガニスタンの状況と国際平和と安全保障の影響(2012年9月13日付)は、以下のよう に述べている。
2012年末までに157,000人のアフガニスタン国家警察の警察官と195,000人のアフガン国軍兵 の兵力を増強する目標が予定より進んでいる。推定149,000 人の警察官と185,000 人の国軍兵 が7月末までに配属された。Police-e- Mardumi事務局(民主的監視)は地域社会の監視取り組 みを調整し、市民社会の窓口となり、警察の説明責任と応答性を向上させる目的で、4月に内務
省により創設された。警察の適切な法執行機関としての役割を強調するために、Police-e-
Mardumi(民主的警備)事務局の局長は、 8つの州で、専心的な地域社会監視ユニットの創設を
監督している。活動は現在、閣僚戦略、カリキュラムや研修プログラムの開発に焦点を当てて いる。しかし、採用の強化と、女性と子供の司法へのアクセスを確保する上で重要な女性警察 官の能力強化の取り組みが遅れている。国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)は、これ らの取り組みを行う内務省を支援するために、国際的な資源を調整するという積極的な役割を 継続して果たしており、市民社会の改革参加を支援している。報告期間中にプロジェクトを担 当する内務省副大臣と最高執行官(CEO)の両方が交替し、アフガン国民防護軍(Afghan Public Protection Force)による民間警備会社との交換が遅れている。[18m] (p 5- 6)
アフガニスタン国軍(ANA).
10.09 2012年5月のCRS報告書は、次のように述べている。
アフガニスタン国軍(ANA)は、2002 年に何もない状態から構築された。1880 年代からタリバ ーン政権まで存在していた国軍を直接継続したものではない。その当時の国軍のすべてが、
1992年-1996年のムジャヒディン内戦と1996年-2001年のタリバーン政権の間に崩壊した。し かし、タリバーン政権前に従事していた一部のアフガニスタン将校はアフガニスタン国軍(ANA)
に入隊した。
米国と同盟軍の将校は、以下のように語っている。アフガニスタン国軍(ANA)は、国の安定化 にとって大きな力であり、国の象徴になっている。アフガニスタン国軍はすべての戦闘操作の 高い割合を先導することができる。アフガニスタン国軍の大隊(または Kandaks)は、アフガ ニスタン軍隊の主要な部隊である。アフガニスタンの安定に関する米国防総省(DOD)の報告書
(2012年4月)によると、過去6ヶ月間に、「顧問付きで独立」して活動できるKandaksの数に 重要な増加が見られた。そのような評価を受けたのは、2011年9月では1部隊のKandakのみで あったが、現在は13部隊となった。米国の特殊作戦部隊によって訓練された約5,300人のアフ ガニスタン国軍のコマンド部隊は、よく訓練されていると考えられており、高価値に標的を当 てた作戦の一部を先導している。
それでも、アフガニスタン国軍が 2014 年までに完全な治安責任を負うことができるかどうか、
米国の防衛官庁内ではかなりの疑念がある。アフガニスタン国軍は、最低でも 20%の脱走率に 苦しんでおり、ある話によると、典型的なアフガニスタン国軍部隊は、任意の時点でその承認 された兵力の約50%のみであり、機器類も約40%もの大幅な不足があるとのことである。高い 脱走率が、着実に兵力を成長させようとする米国主導の取り組みを複雑にしている。一部の新 兵は、遠く離れた家族へ送金するために帰省し、多くの場合、長期の休暇の末にアフガニスタ ン国軍(ANA)に戻ってくる。米国のオブザーバーによると、その他のケースでは、多くの場合、
自宅の町から離れて働くことを拒否する。 2005年度対外援助予算(PL108‐447)にて、アフガ ニスタン国軍(ANA)の新兵に対し、テロ、人権侵害、そして麻薬密売に関する審査が義務付け られた。[10b] (p 34)
10.10 同報告書は以下のように続けている。:米国が最初にアフガニスタン国軍(ANA)を構築し始め
た当時、治安の役職に就いていた北部同盟が国軍の募集にタジク民族に比重をかけていた。そ れを受けて、多くのパシュトゥーン人が採用を拒否またはアフガニスタン国軍(ANA)プログラ ムを去った。2004年12月にパシュトゥーン人であるアブドゥル・ラヒム・ワルダック(Abdul Rahim Wardak)が国防相に任命されたことで、パシュトゥーン人の脱走が減少した(彼はその