第 2 章 では補間指令,ねじ切り機能,およびレファレンス点復帰機能 を説明します。
複数の象限にまたがる円弧も 1 ブロックの指令で定義できます。
2.1.5 極座標補間 (G12.1, G13.1)
2.1.5 極座標補間 (G12.1, G13.1)
極座標補間機能を使用すると,仮想直交座標系中での工具の移動とワークの回転と の組み合わせによって実行される加工プログラミングが可能となります。
直線軸と回転軸を組み合わせることによって達成される加工では,回転軸は直線軸 に対して垂直な別の直線軸であると見なされます。回転軸を直線軸であると見なす ことによって,直線軸と回転軸によって定義される任意の形状を直交座標系で容易 にプログラムできるようになります。このプログラム方法では,アブソリュート指 令とインクリメンタル指令の両方が使用できます。
プログラミングフォーマット
G12.1 を指定すると極座標補間モードになり,直線軸と回転軸で表される平面中に
仮想座標系が設定されます。この場合,アブソリュート座標系の原点が仮想座標系 の原点となります。極座標補間がこの平面中で実行されます。極座標補間は,
G12.1
が指定されたとき,回転軸の現在位置を「
0」としてスタートすることに注
意してください。
(注) 回転軸をアブソリュート座標系の原点に戻してから G12.1 を指 定してください。
G12.1 と G13.1 の特長
次の G コードを使用して極座標補間モードをオン/オフします。
G12.1 と G13.1 はグループ 21 のモーダル G コードです。G12.1 を一旦指定すると,
極座標補間モードオンは G13.1 が指定されるまで有効となります。電源が投入され るか NC がリセットされると,G13.1(極座標補間モードオフ)状態がセットされ ます。
(注)
・座標補間は当社のオプション TRACYL に基づいています。関連のあ るマシンデータはそれに従って設定する必要があります。
・詳細は,
結合説明書 機能編 上級編 座標変換機能(M1) を参照してください。
表 2.5
極座標補間をオン/オフさせるための G コード
G コード 機能 グループ
G12.1 極座標補間モードオン 21
G13.1 極座標補間モードオフ 21
選択時の制限事項
• 中間動作ブロックは挿入されません(相/半径)。
• スプラインブロックの順序は終了させておかなければなりません。
• 工具径補償の選択解除をしておかなければなりません。
• TRACYL の前にアクティブであったフレームを制御装置が選択解除します
("Reset programmed frame",G500 に対応)。
• 変換の影響をうけた軸のアクティブな作業エリア制限を制御装置が選択解除し
ます(プログラムされた WALIMOF に対応)。
• 連続パス制御および丸味付けが割込みをうけます。
• DRF 補正はオペレータが削除しなければなりません。
• 円筒が溝壁補償(軸設定 2, TRAFO_TYPE_n = 513)を使って表面カーブ変換を
発生させた場合,訂正に使われる軸(TRAFO_AXES_IN_n[3])は,溝がプログ ラムされた溝の中心線の真中に来るように,ゼロ(
y=0)に設定しなければな りません。
削除する時の制限事項
• 選択時に同じ点が適用されます。
極座標補間における制限事項
• 工具の変更:
工具半径補正機能が選択解除されると,工具の変更だけがなされます。
•
作業補正:
基本座標系のみにあてはまるすべての指示が許可されます(作業補正,工具半 径補正)。ただし,アクティブではない変換の手順とは違い,G91 (インクリ メンタル寸法)を使った作業補正は特別な扱いをうけていません。トラバース されるインクリメントは,前ブロックでどの作業補正が有効であったかに関わ らず,新しい作業補正のワーク座標系で評価されます。
• 回転軸:
回転軸はジオメトリ軸に占められており,チャンネル軸として直接プログラム
できないために,プログラムされません。
2.1.5 極座標補間 (G12.1, G13.1)
プログラミング例
図 2.13 極座標補間用の座標系
仮想 C 軸
切削工具 C 軸
極座標補間モードオフ 切削始点に位置決め G291 ;
G94 ; T0101 ; G00 X120.0 C0 ; G12.1 ;
G01 G42 X40.0 F100.0 ; G03 X0 C40.0 I--20.0;
G01 X--25.0 ;
G03 X--40.0 C25.0 K--15.0 ; G01 C0 ;
G03 X20.0 I20.0 ; G01 G40 X120.0 ; G13.1 ; M30 ;
プログラミング例
X 軸
極座標補間機能を使用した加工プログラム 極座標補間モードオン