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本研究の目的、研究の視点の総括

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以上先行研究から導き出された課題を踏まえて,本論文では,幼児期の情動調整の 発達と関連して,次の点について明らかにしていくことを目的とする。

<本論文で明らかにすること>

1.幼稚園に通う一人一人の幼児の発達の多様性が,家庭においてどのように育まれ るのか明らかにする。研究2以降前提となる幼児の気質の多様性 を明らかにし,

その上で幼児の気質が家庭において母子相互に影響を与え合いながらも,例えば 母親による情動表現スタ イルの影響を受けて形成されていくものであ ることを 示す。(→研究1)

2.幼稚園という幼児期の集団生活の中で見られる子どもの困難や危機,課題的場面 である「つまずき」場面に注目し,幼稚園教師と子どものやりとりを観察し,教 師の自身の行動についての語りを収集するところから,主に3歳児から 4歳児に おける子どもの発達に応じて教師が行動を変え,子どもとの関わり方を変えるこ とを明らかにする。またその教師の行動が幼児の発達を促すしくみを明らかにす る。(→研究2,研究3,研究4)

3.上記2.を通して,幼稚園教師が子どもの育ちを援助する為にとる行動とは,教 師による一方的な教育技法として捉えられるようなものではなく,教師が子ども の特性や発達,社会的文脈に応じてとる柔軟性のある行動として捉える必要があ ることを示す。(→研究2,研究3,研究4)

4.上記3.と関連して,子どもの特性や発達,社会的文脈を理解した上で,現実の 子どもに応じる教師の行動を見た時に,従来子どもの発達を促す行動として,そ の行動の意味が見出されてこなかった教師の行動に新たな意味を見出すことが できることを示す。(→研究2,研究3,研究4)

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5.上記2.を明らかにする中で,一つの切り口として,幼稚園教師の行動が,子ど もの情動を見て,子どもの情動を理解し,子どもの情動に対応しようとするもの であることを明らかにする。これによって,上記4.で見出した教師の行動が幼 児の情動調整の発達に寄与するものであることを明らかにし,幼児と他者との相 互調整の質(内容やしくみ)が幼児期の発達的変化と共にどのように変化するの かについて示す。(→研究2,研究3,研究4)

6.上記2.を実施するにあたり,上記3.を見る為に,データの収集の仕方として,

幼稚園教師の視点,及び研究1については母親の視点を取ることとする。具体的 な方法としては,研究2,研究3,研究4では「第三者による伴走者的参加観察 法」による保育場面の観察と,幼稚園教師の語りの収集を行うことによって,保 育者が子どもをどのように捉え,自身の行動を決定したのか,その結果子どもは どうであったのか,探索的に明らかにしていく。研究1については,母親への質 問紙を実施する。

本論

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