第 6 章 PMT アフターパルス
6.2 結果
6.2.3 時間との関係
アフターパルスの発生時間(入力信号からの遅れ時間)とイベント数と の関連性を調べた。R3479、R8900U-200-M4それぞれのPMTで、入射 光量3p.e.、6 p.e.のADC カットでのデータを図6.7に示した。
Time vs Events
2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 250 500 750 1000 1250 1500 1750 2000 2250 ID
Entries Mean RMS UDFLW OVFLW ALLCHAN
204 15 618.9 487.5 0.000 0.000 15.00
Time (ns)
ln N events
Time vs Events
1 10
0 250 500 750 1000 1250 1500 1750 2000 2250 ID
Entries Mean RMS UDFLW OVFLW ALLCHAN
204 39 388.4 347.2 0.000 0.000 39.00
Time (ns)
ln N events
図 6.7: アフターパルスの発生時間とイベント数との関係。左がR3479、 右がR8900U-200-M4のもので、共に入力信号3p.e.で6 p.e.のADC cut でのデータ。グラフは、横軸がアフターパルスの発生時間、縦軸はイベン ト数でLogスケールである。赤線が誤差を含むアフターパルスデータを 表し、黒線が式6.5でのフィットを表す。
イベント数をN、アフターパルスの発生時間をT とすると、アフター パルスのPulse Heightとイベント数との関係は
N =B·exp
(−T τ
)
(6.5)
の形で表すことが出来る。これはアフターパルスの発生する時間が完全 にランダムな事象であり、この様なランダムな事象はポアソン分布に従 いe−xX の形に比例する事から説明される。ここでは、τは、直線の傾き で決まる係数であり、アフターパルスの発生時間とイベント数の関係を
ところで、本章冒頭で、一般にアフターパルスでは信号パルス直後(数 ナノ秒〜数十、数百ナノ秒)に発生する速い成分と、さらに遅れて数マイ クロ秒までに分布する遅い成分とがある事を述べた。従って、本項の発
生時間(入力信号からの遅れ時間)との関係では、アフターパルスの速い
成分を除いた場合でも図6.7と同じフィットを行った(図6.8)。
Time vs Events
2 3 4 5 6 7 8 9 10
0 250 500 750 1000 1250 1500 1750 2000 2250 ID
Entries Mean RMS UDFLW OVFLW ALLCHAN
205 15 618.9 487.5 0.000 0.000 15.00
Time (ns)
ln N events
Time vs Events
1 10
0 250 500 750 1000 1250 1500 1750 2000 2250 ID
Entries Mean RMS UDFLW OVFLW ALLCHAN
205 39 388.4 347.2 0.000 0.000 39.00
Time (ns)
ln N events
図 6.8: アフターパルスの発生時間とイベント数との関係。図6.7と同様 のデータでT = 0〜320 ns の発生時間の早いデータを除いたもの。左が R3479、右がR8900U-200-M4。
図6.7、図6.8に示す式6.5のフィットより求められる時定数τの値を各 データについてまとめたものを表6.3、表6.4に示す。
表6.3、表6.4を縦に上半分、下半分で見ていくとPMT R3479と
R8900U-200-M4との比較、横に見ていくと入射光量による比較、上半分の上下、
下半分の上下で見ていくと3 p.e. cut、6 p.e. cutの比較を行うことが出 来る。今回のアフターパルスと時間との関係ではこれらの比較による違 いは見受けられない。また、全データでみた場合と速い成分を除いた場 合とでも大きな違いもなく、全ての場合にτ=数百 ns程度の時定数で減 少していく事が確認できた。
PMT After Pulse (Time constant,0 nsec < T)
3pe input 5pe input 10pe input 30pe input R3479 (3cut) 888
+345 -194 594
+133 -92 487
+72 -56 414 +41 -35 R3479 (6cut) 696
+425 -191 444
+112 -75 364
+63 -47 373 +68 -50 R8900U-200 (3cut ) 483
+72 -56 518
+67 -53 533
+49 -41 465 +24 -22 R8900U-200 (6cut) 369
+50 -39 424
+183 -102 453
+61 -48 430 +30 -24
表 6.3: 図6.7の黒線、式6.5のフィットから求めたτの値をPMT、ADC cut、各入力信号の大きさごとに記す。
PMT After Pulse (Time constant,320 nsec < T)
3pe input 5pe input 10pe input 30pe input R3479 (3cut) 642
+304 -156 486
+164 -98 487
+72 -56 414 +41 -35 R3479 (6cut) 728
+1590 -296 456
+274 -124 409
+104 -85 589 +134 -92 R8900U-200 (3cut ) 483
+72 -56 518
+67 -53 533
+49 -41 465 +24 -22 R8900U-200 (6cut) 374
+50 -39 456
+183 -102 402
+93 -63 257 +30 -24
表 6.4: 速い成分を除いた図6.8の黒線、式6.5のフィットから求めたτの 値をPMT、ADC cut、各入力信号の大きさごとに記す。