• 検索結果がありません。

第 5 章 次世代 PMT 、 Ultra Bialkali PMTBialkali PMT

5.4 R3479 と R8900U との比較結果

5.4.5 入射窓ガラス

PMT、光電子増倍管は入射窓ガラスの材質により、光の透過率が大き く異なる。そこで、今回の実験で使用しているBorosilicate(ホウ珪酸)ガ ラス(R8900U-200-M4)とUVガラス(r8900U-203-M4)とでゲイン比およ び量子効率の変化を調べた。

 まず、受光面全体での量子効率を表5.7に示す。

model measured p.e. quantum eciency ratio R8900U-200-M4 (Borosilicate) 92.3±0.4 1.0 @470nm

R8900U-203-M4 (UV) 93.5±0.4 1.0 @470nm 表 5.7: 受光面ガラスの材質別量子効率比

測定に用いたLED、NSPB510s(日亜化学)の波長470 nm ではほぼ差 がないことがこの測定結果より分かった。ここで、入射窓ガラスの材質 による透過率の波長依存性を図5.21に示す。

図 5.21: 受光面のガラス材質による透過率の波長依存性。測定に用いた

LEDの波長470nm(図4.8)ではホウ珪酸、UVガラスともにほぼ100%で

あるが、400nmよりも短い波長の光に対してはUVガラスのほうが透過

率が良いことがわかる。

図5.21を見ると、測定に用いたLEDの波長470 nm ではホウ珪酸ガラ ス、UVガラスともほぼ100% の透過率であるが、400 nmよりも短い波 長の光に対してはUVガラスの方が透過率が良い事が分かる。

 次に図5.22に入射窓の材質による量子効率の波長依存性を示す。

図 5.22: 入射窓のガラス材質による量子効率の波長依存性。測定に用い

たLEDの波長470nm(図4.8参照)ではホウ珪酸、UVガラスともにほぼ 同じであるが、350nmよりも短い波長の光に対してはUVガラスのほう が量子効率が良いことがわかる。

測定に用いたLEDの波長470nm(4.8)ではホウ珪酸、UVガラスともにほ ぼ同じであるが、350nmよりも短い波長の光に対してはUVガラスのほ うが量子効率が良いことがわかる。

 以上より、UVの波長域の光であれば約1.1倍の量子効率の向上が期待 できると言える。

 PMT R8900Uシリーズはマルチアノード4チャンネルタイプの光電 子増倍管なので、各チャンネルの比を比較した。比較対象は、16分割 の際と同様のゲイン比、量子効率比、実効効率比であり、 R8900U-200-M4(Borosilicateガラス)、R8900U-203-M4(UVガラス)とで比較すること で、入射窓ガラスの材質による比較を行った。

 図5.23にR8900U-200-M4(Borosilicate ガラス)、R8900U-203-M4(UV ガラス)のゲイン比の4分割場所依存性を示す。全てのデータに対して統 計エラーは1%以下で、4分割、チャンネル毎の状態では場所依存性は大 きくなく、またガラスの材質による違いも特に見られない結果となった。

1 1.05 1.00 0.91

1 0.93 0.88 1.01

図 5.23: 受光面ガラスの材質別4分割でのゲイン比。左が R8900U-200-M4(Borosilicate)、右がR8900U-203-M4(UV)。

図5.24にR8900U-200-M4(Borosilicate ガラス)、R8900U-203-M4(UV ガラス)の量子効率比の4分割場所依存性を示す。これも全てのデータに 対して統計エラーは1%以下で、4分割、チャンネル毎の状態では場所依 存性は大きくなく、また入射光が約 470 nm と大きいのでガラスの材質 による違いも特に見られない結果となった。

図5.25にR8900U-200-M4(Borosilicate ガラス)、R8900U-203-M4(UV ガラス)の実効効率比の4分割場所依存性を示す。ゲイン比、量子効率比 ともに4分割では大きな差が見られなかったため、実効効率比も4分割、

チャンネル毎の状態では場所依存性は大きくなく、また入射光が約 470 nmと大きいのでガラスの材質による違いも特に見られなかった。エラー

1 1.00 0.87 0.93

1 1.02 0.88 0.85

図5.24: 受光面ガラスの材質別4分割での量子効率比。左が R8900U-200-M4(Borosilicate)、右がR8900U-203-M4(UV)。

についてもゲイン比、量子効率比での統計エラーが1%以下と十分に小さ かったので、実行効率比でもそのエラーは十分に小さい。

1 1.05 0.87 0.85

1 0.94 0.78 0.86

図5.25: 受光面ガラスの材質別4分割での実効効率比。左が R8900U-200-M4(Borosilicate)、右がR8900U-203-M4(UV)。

R8900Uシリーズは4チャンネルマルチアノードタイプのPMTであり、

4チャンネルがひとつのユニットとなっている。そのため、HVの値は4 チャンネル毎に掛けることが出来ない。従って、チャンネル毎の違いが 大きい場合は測定結果に大きく影響を与えるが、チャンネル毎、すなわ ち4分割でのゲイン比、量子効率比、実効効率比は大きな違いはないこ とが確かめられた。よって、各チャンネル個別にHVを掛ける事が出来 なくとも、実際の観測で十分に使用可能である。