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時系列の回帰分析

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第 8 章 2項分布 63

17.4 時系列の回帰分析

150 第17章 回帰分析 までは回帰分析を行うことはできない.そこで,このデータを45×12 = 540行 1列に 変換したものを,シート”data” に載せる.

始めに折れ線グラフを描いてみる.これを見ると明らかに,CO2 濃度は一年周期で 変化している,ことがわかる(5月頃に濃度が高く,10月頃に濃度が低くなる傾向があ る.これは植物の光合成の影響である).周期変動を除いた長期的な変化のことトレン ドと呼ぶ.トレンドが1次関数であると仮定 して,回帰分析を用いてトレンドを推定し てみよう.

原時系列のデータは 1958 年 7 月から 2003 年 6 月までのものであるが,この時点 t の指定の仕方(年と月を文字列で指定している)では回帰分析を行うことはできない.

時点t を数値化されている必要がある.そこで,たとえば 1958 年 1月 15日をt = 0,

1959年 1 月 15日を t= 1 と決めることにする(観測データは毎月の 15 日のものであ ることを思い起こそう).すると,たとえば 1958 年の 2 月 15 日,7 月 15 日,12 月 15日はそれぞれ t= 1/12,6/12,11/12 のように数値化され,また1960年 7 月 15日は

t = 2 + 6/12 等のように数値化される.そこで回帰分析を行う前に,次のようにして,

B 列に時点 t を数値化しておく.

1. セル B2 に数値 0 を入力 2. セル B3 に式=B2+1/12 を入力 3. セル B3 をセル B4:B541にコピー 次に回帰分析を行う.

1. メニュー【ツール】【分析ツール】【回帰分析】を実行する.

2. 【入力Y範囲】をC2:C541 とし,【入力X範囲】をB2:B541 とする.

3. 出力オプションで【一覧の出力先】を選び,たとえば E1 とする.

4. 【観測値グラフの作成】のチェックをしておく.

問2 回帰分析を行うために,トレンドが1次関数であると仮定した.この仮定は正し かった,と判断できるだろうか?

17.4.3 日本の国内総生産 GDP の変化

内閣府が発表している,平成10年度『国民経済計算』の中に,昭和30年第 2四半期 から平成11年第 1四半期までの国内総生産 GDP (国内で生産された付加価値額の合 計)の時系列データがある.実は,より新しい平成20年度『国民経済計算』も発表さ れていて,こちらには昭和55 年第 1 四半期から平成21年第 1四半期までの GDP の 時系列データがあるのだが,今回は日本経済の高度成長期(ふつう昭和30 年から昭和 48年までの期間とされている)に目を向けたいので,旧いデータを用いることにした.

17.4. 時系列の回帰分析 151 GDPの時系列データを折れ線グラフに描く.グラフを見ると,高度成長期の期間,ト レンドは直線(1次関数)ではない事を読み取ることができる.(なお,周期変動の振幅 も増大している事も読み取ることができるが,この観察結果については,しばらく考察 しないでおく.)ではトレンドはどのような関数となっているだろうか?

ところで経済とは別の事柄であるが,ネズミの集団において個体の生存に環境からの 制約が全くない場合(たとえば食糧の獲得に不自由しない等),ネズミの数は指数関数 的に増加する(和算の「鼠算」の問題).同様に,個々の企業の活動に何ら制約がない 場合(たとえば新しい市場の開拓に不自由しない等),GDP は指数関数的に増加する と考えられる.だから,高度成長期におけるGDPも指数関数的に増加する,と考えら れる.

さて GDP のトレンドは指数関数的に増加すると仮定する とき,GDP の対数の時系 列は直線的(1次関数)に増加する.すなわち

GDP のトレンド = 10at+b であると仮定すると,

log10(GDPのトレンド) =at+b

である.そこで,GDP の対数の時系列に対して回帰分析を行ってみよう.

原時系列のデータは1955 年第 2 四半期から 1966 年第 1四半期までのものであるの で,たとえば 1955 年第 1 四半期を t = 0,1956 年第 1 四半期を t = 1 とする.する と,たとえば 1955 年第 2 四半期は t = 1/4,1966 年第 3 四半期は t = 10 + 2/4 のよ うに数値化される.

すると次の手順で回帰分析を行うことができる.A 列に時点が,B 列に GDPデータ が入力されているとする.

C 列に時点 t を数値化した数列を作る.そのためには,

1. セルC1 に数値0 を入力 2. セルC2 に式=C1+1/4 を入力 3. セルC2 をセルC3:C44 にコピー

D 列にGDP の対数を計算する.そのためには,

1. セルD1 に式 =LOG10(B1) を入力 2. セルD1 をセル D2:D44 にコピー

回帰分析を行う.やり方は前節と同様である.計算結果の【係数】の列において,

【切片】の欄(セル F17)が b の値,【X値1】の欄(セル F18)がa の値である.

GDP の対数の時系列のトレンドの値を計算する.そのためには,

152 第17章 回帰分析 1. セルE1 に式=F$18 * C1 + F$17 を入力

2. セルE1 をセル E2:E44 にコピー

原時系列とトレンド(1次関数)のグラフを描く.

問3 高度成長が昭和 48年(1973 年)以降,2000 年度まで続いた仮定する.このとき 2000 年度のGDP は何兆円となると予測できるか?

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