第2章 外国直接投資受入状況
II. 日本からダナン向け直接投資動向
日本からダナンへの直接投資は、木材や、水産物などダナンの原材料を利用する加工系 メーカーのほか、レストラン業、観光用バス等の輸送サービスなどへの投資がある(図表 2-4)。
図表 2-4 日本からのダナン向け直接投資リスト 現地企業名(あるいは
日本出資会社名)
パートナー情報等 業務内容 投資許可証
発行年 Vietnam-Japan Chip
Corporation (VIJACHIP)
双日(60%)、ベトナムロー カル(40%)
輸出向け木材チップ加工、
植林
1993年
Danang Inter. Food &
Beverages JVC
Improve Co., Ltd (日本側、
70%)、 ベ ト ナ ム ロ ー カ ル
(30%)
レストラン 1996年
D&N Foods Processing Co., Ltd
大市珍味(51%)、 ニチメン(49%)
農水産物加工 1993年
Sasaki Danimex Vietnam Industries Corporation (SADAVI)
佐々木商工株式会社(70%)、 ベトナムローカル(30%)
漁網製造. 1996年
Danang Kogyo PPT Co., Ltd Nagayama Co., Ltd (70%) 、 ベトナムローカル(30%)
観光客などを対象とした旅客 運送業
1997年
Logitem Vietnam Corp. No.2, Danang
ロジテムインターナショナル
(100%)
運送業 2002年
ンテック Zentek Technology Pte, Ltd
(40%)
ベトナムローカル(60%)
国産携帯電話開発および生産 2004年
エースコック - 即席麺製造 -
Mabuchi Motor Vietnam Danang Ltd.
マブチモーター(100%) 小型モーター製造 2005年
Danang Steel Center Co.,Ltd.
アジアンスティール(100%)
※住友商事子会社
金属製パーツ加工・製造 2005年
Daiwa Vietnam Ltd. ダイワ精工(100%) フィッシングロッド製造 2005年
Daiku-JV Co.,Ltd. アイ電子工業 標準工場の建設・運営 2005年
Danang Business Service Co. 個人(100%) 市場調査・進出企業サポート 2005年
Vietnam AI ECO Co.,Ltd. アイ電子工業(100%) 通信機器等の組立・製造等 2005年
P and I Resorts, Ltd. ピイ・アンドアイ・エンター
プライズ(100%)
リゾート建設 2006年
T.T.T.I Co., Ltd To Dai Electronic Ltd, Towa Denki Trading(s) Pte.Ltd:マレ ーシア(100%)
電子部品生産 2006年
Marusan Vietnam Co., Ltd. マルサン(100%) 鋳型設計 2006年
H.I.S-Song Han Vietnam Tourist JV Co., Ltd.(H.I.S)
H.I.S(100%) 旅行業 2006年
San-Ei Vietnam Co., Ltd. 三栄商事(100%) 設計 2006年
Les Gants Vietnam Co., Ltd. レガン(100%) グローブ生産 2006年
現地企業名(あるいは 日本出資会社名)
パートナー情報等 業務内容 投資許可証
発行年 Nhat Viet Software Support
Co., Ltd.
個人(100%) ソフトウェア生産 2006年
A Zet Vietnam エーゼット(100%) 緩衝材生産 2006年
Seto Vietnam 瀬戸電子(100%) ハーネス生産 2006年
(出所)ダナン投資促進センター、DIEPZAの資料を元にダナン駐日代表部作成
日系企業のダナン進出については、2005年に入ってからマブチモーターがベトナムにお ける第 2 工場建設をダナンに決定して以降、投資件数は増加傾向にある。さらに、ダナン に関する情報を収集し、投資機会をうかがっている日系企業もあり、今後、投資が加速す る可能性もある。
また、ホアカイン工業団地内には、日系企業によって中堅・中小企業をターゲットにし た標準工場(いわゆる賃貸工場)が建設されていることも特徴的である。
以下、マブチモーター、物流企業で進出したロジテム、シンガポール現法による投資の ゼンテックの例を紹介する。
1.マブチモーターの例
マブチモーターは約35億円を投資してベトナムに第2工場を建設した。音響映像関連や 自動車の電装部品など小型モーターの需要は今後も拡大すると判断、同国での生産能力を 高めるものである。同社ではベトナムを輸出拠点と位置付け、部品から製品までほぼ完結 した形で生産する。将来的には、第1工場の南部ビエンホア工場と同じ規模(従業員約7000 人)まで拡大する予定である。
新工場の建設サイトは、ベトナム中央部にあるダナン市のホアカイン工業団地で用地面 積は10万平方メートルである(2006年9月操業開始)。
2.ロジテムの例
ロジテムは、2002 年 11 月に、中部市場をいち早く開拓するためにダナンに進出した。
94 年にロジテムがベトナムに投資した際、日系最初の企業であったことによるメリットが あったことから、中部についても他社に先駆けて投資したとのことである。また、ベトナ ムは南北に細長く、ハノイ、ホーチミン間の南北流通の途中で荷物をおろす作業が発生し ていることや、事故がどこかで起こったときに、全国のどこへでも対応可能とすること、
管場所としての業務が主業務となっている。特に、消費拠点としては、最近、バイクの買 い換え需要が高まる中、信頼性の高い日本製を購入するようになっている。また、家電製 品でも日本製に対する憧れは強い。こうしたことを背景に、日系製造業の進出の増加に伴 い、輸送貨物量も着実に増加している。
3.ゼンテックの例
「ゼンテック・テクノロジー・シンガポール」(以下、ゼンテック)は、2003 年 4 月に ベトナムのビナモビ・ジョイントストック・カンパニー(以下、ビナモビ)と、ダナンに おいて初のベトナム国産携帯電話生産事業を行うことで合意した。ゼンテックは、携帯電 話先進市場・日本で培った技術・経験をフルに活用し、ソフトウェアを中心とする技術コ ンサルテーション、テスティングに関わるノウハウ提供、現地技術者のトレーニング、2.5G 及び3Gに向けての商品計画やJavaなどの要素技術移転を行う予定である。ゼンテック・
ビナモビ共同事業は、ベトナムの計画投資省とシンガポールの経済開発庁が2003年10月 に合意し共同で推進する、対ベトナム直接投資及び技術移転促進イニシアティブの中で最 優先プロジェクトとして認定されている。
ひとくちメモ⑧:ズンクワット製油所プロジェクトについて 現在、ベトナム初の石油精製プロジェクトがハノイ南東約 850km に位置する Quang Ngai(クァンガイ)省の Dung Quat(ズンクワ ット)地区にて進められている。プロジェクト総額は 25 億ドル、
完工予定は 2009 年 2 月である。原油処理能力は 148 千バレル/日 であり、本プロジェクトにより国内石油製品需要の概ね 3〜4 割程 度が賄われる見込みである。
ベトナムは自国内に製油所がないことから、現在は、原油を全 量輸出しガソリンなどの石油製品を輸入している。国内での製油 所建設はベトナム政府にとり重要な政策課題であり、本プロジェ クトの一環として計画されている石油製品出荷用港湾設備の建設 に必要とされる資金の調達に際しては日本貿易保険が付保するな ど日本政府も本プロジェクトを支援している。
本プロジェクトの周辺では石油化学製品の製造施設の建設も計 画されていることから、これら一連のプロジェクトが本格稼動す れば、原燃料や素材の国内調達が従来に比して拡大することが期 待される。
ズンクワット製油所建設現場
(写真提供:日揮株式会社)