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労働事情  1.労働者確保

ドキュメント内 I ASEAN (ページ 41-45)

第4章  事業環境の実態  〜進出企業等による評価〜

II. 労働事情  1.労働者確保

8.交通 

・ ハノイ市内ではバイクが交通手段の中心。交通ルールが整備順守されておらず、接触程 度の事故は頻繁に起きている。

・ 市内および市近郊の交通事情は悪く、道幅が狭いため、トレーラーを使うのが困難。ま た、工業団地付近でも、舗装されているのは車幅分のみで路側帯は土という箇所がある。

9.通信 

・ 2006年のハノイの電話加入契約者数(固定+携帯)は110 万人で、2000年時点の2.4 倍増加した。一方、ハイフォンは56万人、同6.7倍であった。人口千人当たりの電話加 入契約者数は、ハノイが345 人、ハイフォンが 313 人で、全国平均(326 人)やホー チミン(380人)とほぼ同水準である。

・ 通信はADSLが整備されているが、回線数が不足し接続に時間がかかる上、通じないこ ともある。また通信コストは近隣ASEAN諸国との比較において割高である。

II.労働事情 

を及ぼしており、多くの人材については新卒を育てるという感覚である。

・ 2007年 1 月、ベトナム最大手の IT 企業、FPT コーポレーションによって、ハノイに FPT 大学が創設された。同大学は、学生に日本語とIT を教え、日本語が出来るソフト 技術者の養成を目指していることから、現地日系企業も注目している。

図表 4-2  ハノイ主要大学 

学校名 特徴

ハノイ工科大学 全日制(5年制)、在校生約2万人。機械、情報、電気、電子通信工学部等。設計 は、3DCADを使用。日本語センター(1994年設立。40〜50名/2クラス) ハノイ外国貿易大学 全日制(4年半)、在校生約7,000人。日本語専攻140人/学年。基礎日本語2

間で2級程度。4年間1,200時間で検定1級に近い程度。

ハノイ経済大学 全日制(4年制)、在校生約4,000人。日本語学部約210人/学年。日本語3,000 時間、英語(600時間)、PC(45時間)

(出所)“Global Mind, Global Reach”(Thang Long Industrial Park)

ひとくちメモ⑥:「雇用は教育」(日系企業の取り組み) 

  ベトナムの賃金水準はタイ、マレーシアや中国に比べて確かに安い。しかしながら、日系企業 の話を聞くと、必ずしも安い労働コストだけを目的に進出したわけではなく、将来的に重要な生 産拠点に育成することを念頭に、ベトナムに乗り込んでいる。例えば北部のある金型メーカーで は、国際研修協力機構(JITCO)や海外技術者研修協会(AOTS)の制度を活用しながら、かなり早 い段階から教育に力を入れ、優秀なベトナム人(多くはハノイ工科大卒)は日本でも研修させて いる。その際、技術だけでなく、日本語研修も行っている。結果として、そうしたベトナム人労 働者には会社への愛着や忠誠心が生まれ、定着率が非常に高いそうである。

2.労働管理 

・ 北部地域は、これまで一度も資本主義による経済基盤を持ったことがない地域であり、

多くの労働者は農村出身で、会社勤めの経験がない。そこで、工場労働の経験がない従 業員に対しては、まず仕事に対する考え方や意識などから教育する必要がある。

・ 工場労働に対する経験不足が原因となり、労働争議が起きてしまった例もある。ハノイ・

タンロン工業団地内のA社では、2003年12月に4日ほどストライキが起こった。旧正 月(テト、2月前後)前に給与改定する企業が多い中、A社の給与改定は4月と遅かっ たため、周辺企業の賃上げの噂を聞いた社員が、「A社では賃上げがないのでは」と憶測 したことが原因であった。A 社以外でも、ストの原因はほぼ賃上げ問題である。A 社に よれば、ストは会社側の対応、方針を理解する前に、会社勤めの経験が浅い社員が思い

える必要があるのでは、との意見も聞かれた。

ひとくちメモ⑦:インターネットによる労働者の募集も増加 

  現地日系企業によると、ワーカーの採用方法は工業団地事務所の掲示板や工場の門に張り紙を する、口コミなどを通して行っている。エンジニアに関しては、インターネットを通じて募集を かける企業が増えてきた。

3.コミュニケーション 

・ ベトナム人とのコミュニケーションは、言語の壁のほか、言葉がわかってもこちらの伝 えたいことを正確に理解出来ないという問題もあり容易ではない。1つ1つの問題につ いて、理解できたか相手に確認することが必要。

・ 日系企業では、ワーカークラスの社内語はベトナム語で、事務所スタッフは英語、ベト ナム語、日本語と各社様々である。英語が出来る事務職員、エンジニアの採用は比較的 容易であるが、日本語が出来る人材の採用は容易ではないため、採用した後で日本語を 教えている日系企業もある(2007年9月の現地調査では、訪問した殆どの日系企業でス タッフや核となるエンジニアに対し、日本語教育を行っていた)。ベトナム人の平均年齢 は20才台と若く、勉強熱心で語学習得能力は高く、日本語の習得も早いとのこと。

・ ベトナム人は、あまり意見を言わない。また、3〜5人と束になると、互いをかばい合っ て更に何も言わなくなる。何か聞き出したい場合は、紙に書かせるといった対応が必要。

また、ベトナム人は自分から主体的に提案することは少ないと言われている。

・ ベトナム人は、社内旅行、運動会などを非常に好み、「まるで30年前の日本のようであ る」と表現する人もいる。社内イベントの参加率は高く、こうしたイベントで企業への 忠誠心を養い、離職率を低くしようと努力している企業もある。

4.雇用契約(残業時間、有給休暇、退職、転職) 

・ 残業、有給休暇取得等に関連する問題は余り無い。

・ 有給休暇については、未取得日数を有料で買い取る企業もあるが、取得を奨励しても取 得しない場合には、買い取りをしない企業もある。買い取りをしない企業では、有給消 化率は高く、買い取りをする企業では、消化率は低い。

・ ベトナムは社会主義国であることから、労働者寄りの労働法であるため、解雇は非常に 困難である。法律上は3回警告を出せば解雇は可能であるが、訴えられるケースもある ため、警告については毎回労働者のサインをもらい確認をするなどの対応が必要。

・ 労働契約は毎年更新であるが、法改正に伴い、2 回目の更新から永久採用となった。永 久採用の場合、解雇が容易ではないこと、労働コストの上昇が懸念されることなどから、

企業の中には1回契約を解消し、再雇用という手続きをとるところもある。

・ 退職については、法律上は退職日の45日前に雇用主宛てに報告することと定められてい るが、実態は事後(決定後)報告が多く、慰留は不可能。すでに転職先を決めてしまっ

ているケースが多い。

・ 事務スタッフ、エンジニアを日本で研修させる場合には、事前に「研修に参加後の退職

(一定期間内)については、ペナルティーを課す(研修費の返金など)」という契約を締 結していても、実際にペナルティー効果を発揮するのは限定的で、契約に違反して研修 費の返金などがあることはまれである。つまり、ペナルティーは抑止力程度の効果しか 持たない。

5.労働者に対する評価 

・ ベトナム人はまじめで優秀、勤勉と評価されており、上司に指示されたことは一生懸命 に頑張る人が多い。ただし、自分で仕事を見つけることは得意ではなく、自ら改善する ことも苦手な傾向があるので、日本人が細かく確認し、指示を出す必要がある。

・ また、ベトナム人は仲間意識が強く、人を批判しないし、年上の人の言うことを良く聞 くといった特徴があり、このため同世代のなかからリーダーを選ぶことは難しい。上を みて仕事をするというよりは、横をみて低い方に合わせる傾向がみられるため、リーダ ー格になる人材が足りないとの見方もある。

・ ベトナム人同士は非常に仲が良いが、その一方で、仕事面での部署ごとの横の連携は悪 く、内部のチームワークも弱い。

・ ベトナム人は出世意欲も低い。そのため、中国人と比較するとやや物足りないとの印象 もある。

・ 男性と女性を比較すると、概して女性の方が勤勉である。日系企業では女性の比率が圧 倒的に多いが、これには二日酔いで休まない、サッカーの日に休まない、けんかをしな い、単調な仕事をやり続ける、などの理由があるからである。

・ 衛生面での感覚は日本人とは大きく異なる。掃除を教えるのも一苦労とのことである。

6.賃金水準 

・ 2007年9月時点で、北部のワーカーの法定最低賃金(月額)は①ハノイ市の区部が87 万ドン(約54ドル)、②ハノイ市の郡部とハイフォン市の区部が79万ドン(約49ドル)、

③その他の地域が71万ドン(約44ドル)である。日系企業が多数入居するタンロン工 業団地やマレーシア系のノイバイ工業団地は②に、最近になって日系企業の進出が増え てきたビンフック省のクアンミン工業団地、バクニン省のクエボ工業団地やティエンソ ン工業団地、ハイズオン省のフックディエン工業団地は③に該当する。

・ 日系企業における高卒ワーカーの賃金は、法定最低賃金の水準に、交通費、食事手当て

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