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インフラ・物流事情

ドキュメント内 I ASEAN (ページ 66-71)

第2章  外国直接投資受入状況

I. インフラ・物流事情

第4章 事業環境の実態  〜進出企業等による評価〜 

2.道路 

・ ダナンは、比較的整備された道路網を有しており、市中心部の道路は年々拡張され、市 外に向けての道路も整備が進んでいる。

・ ダナンからハノイは、763km(1.5 日、32 時間)、ダナンからホーチミンは 947km(2 日弱、38時間)。

・ 国道1号線のハイバン峠を越える既設山岳舗装道路は、その地形から急勾配・急カーブ の連続であり、南北交通のボトルネックとなっていたが、全長6.3km超のハイバントン ネルが2005年6月に開通し、峠越えにかかる時間が開通前の約1時間から5分程度に 大幅に短縮された。現在、ダナン〜ハノイ間の道路事情に大きな問題はない。他方、ダ ナン〜ホーチミン間は、道路事情の悪い区間が一部ある。

3.港湾 

・ ダナンにはダナン港があり、ホーチミンのサイゴン港、北部のハイフォン港に次ぐ、国 内第3番目の商業港である。ダナン港のメインであるティエンサ港はベトナム、ラオス、

タイおよびミャンマーを通過する全長1,450kmに及ぶ「東西回廊」の起点となる港であ る。同港は、日本政府からの資金援助により倉庫と同関連システムの改良が進められて いる。港の拡張工事を行い、防波堤などを建設したことにより、現在、舶(3.5万DWT

(Dead weight tonnage:載貨重量トン))やコンテナ船(2.5万DWT)の他、客船等の 入港が可能となっている。長さ953m、水深11〜12 mで、コンテナヤード面積8万2,400 m2、バースを 5つ持つ。また、ガントリークレーン1基(近々2基目設置予定あり)、 トランスファークレーン 2 基等が稼働しており、港湾取扱貨物処理能力は年 300〜400 万トンある。

ダナン市内を走る南北統一鉄道 

・ 現在、ダナンから東京、横浜、大阪、神戸、水島に向けて週2便(直行便1便と経由便 1便)、その他、博多、清水、名古屋、門司、川崎、千葉、四日市にも各週2便(経由便)

が就航している。

4.空港 

・ ダナン国際空港は市内から近く、車で5分程度の距離にある。総面積150ヘクタールで、

3,048メートルの2つの滑走路を保有しており、B747、B767、A320などの近代機の離

発着も可能である。なお、2007年12月より新旅客ターミナルの建設が開始され(投資 額1兆3,450億ドン(約96億円)、地上3階地下1階建て)、2010年3月頃供用が予定 されている。

・ タイ(バンコク)、シンガポール、台湾(台北)行きの直行便がある。また、改修工事 を行っていたクアンナム省のチューライ国際空港は、2005年3月に営業を再開した。

・ 日本から中部地域へ空路でアクセスするのは、ハノイあるいはホーチミンを経由する方 法が一般的である。両国間の航空協定は既に締結されており、ダナン国際空港と日本・

中部国際空港(セントレア)間の就航について調整中である。

・ 国内線は、北部のハノイ、ハイフォン、中部のフエ、クィニョン、プレーク、南部のホ ーチミン等へのフライトがある。ダナン・ホーチミン、ダナン・ハノイ間のフライト時 間は約1時間10分〜1時間15分。

5.電力 

・ ダナンでは、電力はホアビン水力発電所から、南北500kVの高圧線により供給されて いる。さらに、現在、ダナン市は格子変圧器システムを改善、拡大するための投資を実 施している。

・ 工業団地内であれば大きな問題はないが、中部は水力発電に依存しているので天候(降 雨量)の影響を受けやすい。特に 2005 年は水不足のため北部と中部で電力不足による 計画停電が多かった。そのため、自家発電を用意した方が良いとの意見もある。

・ 2006 年も計画停電はまだあるが、当局が進出企業に配慮して、ダナンでは実施する 2 週間前に事前連絡するようになった。

6.ガス 

・ 都市ガスは整備されておらず、プロパンガスの使用が主流。

のに苦労があるとのことである。ただし、水不足はない。

・ 2010年までには、451,000 m3 /日まで供給能力を拡大する予定で、工業用水需要の増加 にも対応する予定。

8.交通 

・ バスは、市内および郊外を結ぶバスが約 30 台運行している。郊外までは、ホイアンな どの観光地までを結ぶバス路線もある。

・ タクシーは、4つのタクシー会社がある。初乗り料金は、 各社異なっており、6,000 〜 7,000 ドン/1キロあたりである。

9.通信 

・ 通信事情については、インターネットもASDLが開通しており、利用に問題はない。IP 電話も導入されている。

・ 携帯電話の利用も問題なく、料金も全国統一料金である(価格については、「各論序章

Ⅱ.1. 現地コスト」を参照)。

10.東西回廊(East-West Economic Corridor) 

・ 東西回廊の開通は、今後のダナンの発展に欠かせない要素である。2006年12月、第二 メコン橋が完成した。これによって、ダナン〜バンコク間の陸路輸送が短縮化された(東 西回廊の詳細については総論第6章を参照)。

ダナン市を流れるハン川と  2つの岸を結ぶ大旋回橋 

ひとくちメモ⑨:中部の物流事情について 

・東西回廊の物流コストは、貨物量が少ないことなどから割高になっている。輸出入貨物(船を 利用)については、ホーチミンの方が安く、ダナンからホーチミンまで 2 日かけてトラックで 荷物を運び、ホーチミンの港から輸出した方が、定期便数が多く、相応のメリットがある(コ スト的には、陸路輸送コストを足してもほぼ同額)。 

・大きな問題の一つは税関手続きで、不透明な支払を要求される場合がある。要求される支払の 相場もホーチミン、ハノイとの比較で高額であるとのこと。税関からの公文書により「税関へ の不当資金支払い禁止」という通達が出たものの、実際には末端の担当者まで徹底されていな い。 

・輸出型企業からは、コスト面とソフト面、両方で早期改善の要望が強い。 

・東西回廊については、実際にビジネスが増加するか否かは、懐疑的な見方もあるものの、期待 は大きい。 

II.労働事情 

1.労働者確保  (1) 人材 

・ ダナンにはダナン大学、ダナン工科大学、第 2 交通運送高等学校、計画経済高等学校、

農業高等学校、そのほか40以上の職業訓練校がある。これらの大学、高等学校、職業訓 練センターの卒業生は、毎年約2万4,000人である。

・ 小学校でも6年生(中学校の1年生)から英語は必修科目である。

・ また、ダナンには、3つの日本語勉強センターがあり(そのうち1つは大学)、日本から も講師の派遣が決定。特に、2007年9月にダナン大学日本語コースから初の卒業生(35 名、日本語2級程度)が誕生している。

(2) 採用 

・ ダナンではまだ、労働者を採用する仕組みが確立されていない。そこで、ワーカークラ スについては、工業団地による人材斡旋のほか、新聞広告をかけるなどして募集してい る。少人数なら問題ないが、大量採用する場合は苦労がある。特に、最近では、

・ 能力のある労働者は、賃金水準の高い ODA案件等のプロジェクト関係の仕事に流れる 傾向がある。そのため、優秀な人材の採用、長期安定的な確保は容易ではない。結果と して、人材の質にこだわらず、とりあえず採用して社内で教育する、との割り切りが必

2.労働管理  (1) 労働争議等 

・ 組合はあっても、殆ど機能しておらず、話し合いもあまり行われない状況。大きな労働 争議はない。

(2) 労働者の評価 

・ 優秀で手先が器用であり、単純労働は問題ないが、創造性のある仕事は得意ではない。

・ 自宅通勤者は残業を好まない。一方、地方から出稼ぎに来ている人は残業を厭わない。

3.労働者に対する評価 

・ 中部の特徴としては、企業で働いた経験のある優秀な人材の採用が困難であり、ハノイ、

ホーチミンとの比較では、英語、日本語の出来る人材が少ない。

4.賃金水準 

・ 食品関係の賃金水準は技術が要求されるため比較的高い。他方、工業製品の組立などは 最低賃金でも採用可能。

・ 米系企業の進出等により、実質賃金がアップしており、今後ダナン市を中心として、賃 金水準が上昇する懸念もある。

III.金融事情 

1.資金調達 

・ ダナンには邦銀の営業拠点はない(ハノイ、ホーチミン支店からの遠隔地取引)。

・ ダナンの地場銀行で普通預金口座を開設する企業もある。利用されている銀行は、VID

Public Bank(マレーシア系の銀行)、アグリバンクなど。なお、東京三菱 UFJ 銀行の

ホーチミン支店での口座開設も可能。

2.資金回収 

・ 資金回収面では、ベトナムローカル企業からの回収では問題に直面する企業もある。

・ 契約書通りに履行してもらえない、契約書の内容が不明瞭であるなどの問題も多い。

・ 予防策としては、月末締め、翌月末までの支払いで、取引毎に契約書を作成するなどが 必要。また、キャッシュ・オン・デリバリーなどでのリスク回避策も行われている。

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