り48 9 84. 309
第3節 方法
(1)被調i二者 福岡県 R,S,Tの3小学校3, 4, 5, 6年生児童685名
(2)調査時期 昭和63年4月から5月上旬 事前調査
昭和63年5月 ソシオメトリック・グルーピング 昭和63年7月上旬から中旬 事後調査
(3)調査内容 事前調査・事後調査については、調査1と同様の 内容で調査を実施する。但し、寂しいときの行動特性の調査 については実施しない。できるだけ、条件のそろった学校、
学級を選定するように配慮する。
(4)調査方法
1> 事前調査について
ソシ三二トリック・テストとアンケート調査用紙(自尊感情、向 社会的行動、学級適応)の2種類の調査用紙を配布し、手引書に従 って担任の先生方に調査を実施してもらった。実験群、比較群とも
に実施した。
2) ソシ感気トリック・グルー一.ビングについて A)実験群について
5月10日頃、ソシオメトリック・テストの結果をもとにして担 任の協力のもと、ソシオメトリック・グルーーピングを実施した。グ ルーピングについては前もって担任にアンケート用紙を配布し、グ ルーピングの時に十分に考慮にいれた。その後、グルーピングを立 案し、担任に相談した。担任と協議の上でグルーピングを実施した。
一97一
グルーピングの期間は短い学級で1か月、長い学級で2か月に及ん
だ。
●ソシ二二トリック・グルーピングの方法(カード法による)
担任の日常の観察結果も参考にしながち、次の手順で行った。
①孤立児、周辺児、CRSの著しく低い者等、指導工特に配慮を 要する児童の整理カードを取り出す。 (これをAとする)
②Aが第一選択している相手のカ・・一一ドをさがす。 (これをBとす る)BがCRSの著しく低いものでなく、そして、 Aを排斥し ていなければ、組合せの候補者とする。
⑧Bが不適格の場合は、第二、第三選択の順に整理カードをさが して、②と同じように扱う。
④相手がいない場合は、Aを排斥していない者の申でCRSの高
い者を選び、組合せの候補者とする。 (これをCとする)Cは集団によい適応をしそおり、Aをスムーズに受け入れるよ う努めることができると考えられるからである。このようにし へ
てAとB、Cの組合せを順次決めていく。
⑤集団適応が普通と考えられる者について、組合せを考える(
これをDとする)。Dを組み合わせるときには、すでにA、 B 、Cの者の組合せがなされているので、なるべくそれらを変更 しないように配慮しなければならない。その際、排斥関係にあ る者の組合せは避けるようにする。
⑥集団適応に成功している者について、組合せを考える。
一98一
⑦男女間に選択が乏しい場合、⑥までの作業は同性間の組合せに なる。男女混合グルー・・一プを編成する場合は、ここで、男女の小 グループをどのように組み合わせるかを考えて仮決定する。
⑧仮決定したグループについて構造マトリックスやソシオグラム や整理カードを検討し、集団全体の調和を考慮に入れながち、
組合せを修正し、決定する。
●担任に対して
グループ活動を多く取り入れた学習活動を実施してもらった。
担任には
①周辺児や孤立児のいるグループに(特に周辺児や孤立児に)
多くかかわりをもつ。
②グループ活動では、必ず目標をもたせるようにする。
③目標にそった評価を適切にする。
④机間巡視を重視し、周辺児や孤立児には声かけ等の接触を多
くする。
⑤ 周辺児や孤立児に必要に応じて指名をするようにする。
等を担任に話し、実施してもらった。
●実験者について
チェック・リストを作成し、どの程度グルーープ活動を実施し、ど の程度周辺児や孤立児にかかわりを持ったかなど、担任に自己評 価してもらった。
また、実験者は1学期間体育の授業を担当する機会に恵まれたた
一99一
めに、体育の中でソシオメトリック・グルーピングによるグルー プ活動を多く取り入れた授業を仕組んだ。 (4年生の1学級のみ)
特に、導入と展開の場面で多くグループ活動を取り入れた。
●評価について
①アンケート調査による評価、②チェック・リストによる評価、
③1時間の授業の中での周辺児や孤立児の変化、④周辺児や孤立 児の4か月間に及ぶ変容の担任評価(4年生、6年生のみ)の多 面的評価による変容を追究した。
(4年生と6年生を特に対象に選んだのは、学級替えがなく、安 証していると考えられる学年であること、そして、グループ活動 を通じての交友関係を調べるためである。)
B)比較群について
4月の調査結果は5月の下旬から6月の上旬にかけて返却した。
しかし、結果の見方を説明し、,知らせただけで、指導上の方法や留 意点などについては示唆しなかった。もちろん、ソシオメトリック
・グルーピングについては実施されていない。
3) 事後調査につ㌧、て
4月と同一の調査用紙で7月上旬に実施した。実施手引書に従っ て、学級担任に実施してもちった。そして、4月と7月の調査(
事前と事後の調査)を比較して周辺児や孤立児の変容を調査した。
比較群についても実験群と同一の調査用紙で調査を実施した。
一100一
第4節 結果及び考察
(1)ソシオメトリック・テストによる変容調査の結果及び考察 .ソシオメトリック・テストの結果をもとに周辺児・孤立児を発見
し、ソシオメトリック・グルーピング後の学級集団における周辺児
・孤立児の変容を追跡調査・分析した。
1)ソシオメトリック・テストによる分析
ソシオメトリック・テストを事前と事後(4月と7月)に実施し、
その変容を調べた。比較群では、11学級を対象に実施した結果、
11学級中、周辺児・孤立児が減少した学級が0学級、変化なしの
学級が2学級、増加した学級が9学級であった。実験群では10学
級を対象に実施した(12学級中、2学級が記入もれ等のためデー タを不採用とした。 )結果、 10学級中、周辺児・孤立児が減少し た学級が4学級、変化なしあ学級が2学級、増加した学級が4学級であった。
Table 20−1、 T ab 1e.、20−2は中学年(4年生)と高学年
(6年生)における比較群と実験群の蒔系列分析モジュールである。
中学年における比較群と実験群をくちべてみると、比較群につい ては、Isssが.21から.20と下降し、 Tacも.608から.438と減少して いる。実験群についてみると、Isssは。18から.29と上昇し、 Tacも
.485から.568と増加している。tt
一101一
Table 20−1 時系列分析モジェール 学級全体の変化
i中学年)
4月 7月
(1)人数計(男:女) 31 (16:15) 30 (16:14)
(2)被選択数 i%) 58 (62.4鬼) 79 (87.8瓢)
(3)被排斥数 (%) 14 (15.1%) 19 (21. 1%)
(4)CRS (C−R)
44 60
実 験 群
(5 )Isss (平均) 0.18 0.29
(6)凝集性指数くtac)
0,485 0,568
(7)分裂性指数(tar) 一.015
0,085
(8)下位集団数 7 6
(9)リー、周、孤の数 リー:0周:4孤=7 リー:6周:3孤:1
学級全体の変化 i中学年)
4月 7月
(1)人数計(男:女) 31 (16:15) 31 (16:15)
(2)被選択数 (%) 75 (80.6箔) 82 (88.2%〉
(3)被排斥数 (%) 66 (71.0瓢) 57 (61.3%)
(4>CRS (C−R) 9 、
25
比 較 群
(5)Isss (平均) 0.21 0.20
(6>凝集性指数(tac)
0,608 0,438
(7)分裂性指数(tar)
0,087 0,047
(8)下位集団数 5 6
(9)リー、周、孤の数 リー:7周:3孤:4 リー:5周=1孤:7
●リー:リーダー児周:周辺高高:孤立児
一102一
Table 20−2 時系列分析モジュール 学級全体の変化
i高学年)
一4月 7月
(1)人数計(男:女) 33 (18:15) 33 (18:15)
(2)被選択数 (%) 95 (96.0瓢) 93 (93.9%)
(3)被排斥数 (%) 83 (83.8鑑) 73 (7穿.7%)
(4)CRS (C−R)
12 20
実 験 群
(5)Isss (平均) 0.19 0.22
(6)凝集性指数(tac)
0,410 0,446
(7)分裂性指数(tar)
0,019
一.015(8)下位集団数. 6 7
(9)リー、周、孤の数 リー:3周:3孤=4 リー:5周:6孤:1
学級全体の変化 i高学年)
4月 7月
(1)人数計(男:女) 33 (14:19) 33 (14:19)
(2)被選択数 (%) 87 (87.9瓢) 85 (85.9髭)
(3)被排斥数 (%) 49 (49.5罵) 39 (39.4冗)
(4)CRS (C−R) ヨ8
46
比 較 群
(5)Isss (平均) 0.24 O.13
(6)凝集性指数(tac)
0,537 0,296
(7)分裂性指数(tar)
0,080 0,175
(8)下位集団数 6 7
(9)リー、周、孤の数 リー=7周:4孤:4 リー:2周:6孤:5
●リー=リーダー二二:周辺二二:孤立二
一103一
下位集団数についてみれば、比較群で1グループ増加し、実験群
では1グルーープ減少している。CRS(C−R)についてみれば比 較群で16、実験群で16と同数の増加がみられる。周辺児、孤立
児の数をみれば、比較群では、周辺児が2名減少したものの、孤立 児が3名増加している。これは資料マトリックスや構造マトリック スから4月時点での周辺児3名が、7月時点で孤立点へと変化して きたことによるものである。実験群では、周辺児は4名から3名へ と減少し、孤立児も7名かち1名へと減少してきている。高学年における比較群と実験群を比べてみると、比較群において は、Isssは.24から、.13へ下降している。 Tacも.537から.296と減 少している。実験群においては、Isssが。19から.22と上昇している。
Tacも.410から.446と増加している。
下位集団難についてみれば、比較群、実験群ともに1グループず
つ増加している。CRSについ烹みれば、比較群、実験群ともに8
ずつ増加している。へ
集団における分裂性(Tar)についてみると、比較群では.095増 加し、実験群では.034低†している。
周辺児、孤立児の数をみると、比較群では周辺児が2名、孤立児 が1名毒毒しているが、実験台では、周辺児が3名増加しているも のの、孤立児が3名減少している。 これは4月時点での孤立児3名 が周辺児へ変化したものである。
T ab le 21は実験群と比較群における周辺児・孤立児のlsssの平
一104一
均、S.D,である。
Table 2 1 周辺児・孤立児のlsss平均、 S. D.
4月 7月
舗
Table 21の結果に基づき2(群)×2(周辺児、孤立児)×
2〈時期)の3要因分散分析を実施したところ、Table 22のよう
な結果になった。
Table 22周辺児、孤立児のIsss分散分析表
a又鼠N
周辺児
実
一一Z. 012 0. 098
39
O. 127
e. 214
39
O, 115
0. 2ng
78
ss df MS
F P験
軌
又&N 孤立児
群
一〇. 0700. 134
41
O. 035
0. 16e
41
一〇. 036
0. 215
82
又㎝N 周辺児
比
較
一〇. 032
0. 144
47
O. 051
e. 161
47
O. 019
0. 252
94
h X&N 孤立児
群
一〇. 1510. 234
54
一〇. 024
0. 229
54
一一?D 175 0, 365
108
A(群)
B(水準)