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3. 仮想レプリケーション制御方式

3.2 方式検討

デルタリモートレプリケーションの構築可否を確認する方式は、構築テスト実施有 無で大きく分けられる。構築テスト実施なしの場合、ストレージで実施する方式、管 理プログラムで実施する方式にさらに分けることができる。また、ストレージで実施 する方式は近郊、遠隔ストレージの情報により確認する方式と主ストレージの情報か ら確認する方式に分けることが出来る。以下、近郊、遠隔ストレージ間構築テスト確 認方式、近郊、遠隔ストレージ間構築テストレス確認方式、主ストレージ単独の構築 テストレス確認方式、管理プログラム単独の確認方式それぞれの方式について検討す る。

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3.2.1 近郊、遠隔ストレージ間構築テスト確認方式(従来方式)

近郊、遠隔ストレージ間構築テスト確認方式は構築テストによりデルタリモートレプ リケーションの構築可否を確認する方式で、既存技術の組み合わせのみで確実に構築可 否が確認できる無難な方式といえる。

レプリケーションの稼働要件を満たすためには、「制御コマンドに指定されたレプリ ケーションペアが存在し、当該ストレージ間でデータ送受が可能」なことを確認すれば よい。これは、デルタリモートレプリケーションのレプリケーション元である近郊スト レージが制御コマンドを受け取れば良い。そこで、本方式は実際にデルタリモートレプ リケーションを構築することでこれを実現する。ただし、本方式は、上述の通り同期、

非同期リモートレプリケーション構築後にはじめて構築テストが可能となり、構築可否 の確認が完了するまでには多大な時間が必要となる問題がある。

この方式はSRDF/Star3[5]やMetro/Global Mirror(Incremental Resync)で採用さ

れている[22] [23]。詳細は後述する。

3.2.2 近郊、遠隔ストレージ間構築テストレス確認方式

近郊、遠隔ストレージ間構築テストレス確認方式は、構築テスト無しに近郊、遠隔ス トレージ間の情報を用いることで、デルタリモートレプリケーションの構築可否を確認 する方式で、理想的な方式といえる。

上記実現には、同期、非同期リモートレプリケーション構築中に、デルタリモートレ プリケーションの稼働要件を満たせば良い。稼働要件を満たすためには、デルタリモー トレプリケーションのレプリケーション元である近郊ストレージが制御コマンドを受

3 SRDFEMC Corporationの登録商標です

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通常、ストレージがリモートレプリケーション構築可否の確認を実施する制御コマン ドは「開始」である。この開始の制御コマンドを受信すると、近郊ストレージは近郊、

遠隔ストレージ間で、はじめにレプリケーションの構築可否の確認を実施し、次にレプ リケーションボリュームの全複製を実施する。この場合、遠隔ストレージには主ストレ ージからのデータと、近郊ストレージからのデータの両方が転送されることになる。こ れは、異なるタイミングで生成された同一データを同時に遠隔ストレージが受信するこ とになり、当該ストレージのデータは一貫性が崩れ2重化処理としての意味合いを失う 可能性がある。従って、本方式実現には従来のリモートレプリケーション制御とは異な る機構が必要となる。

ただし、本方式は後述する他方式とは異なり、デルタリモートレプリケーションの稼 働要件を構築テスト無しに満たす可能性が高いため、この方式についてさらに検討する。

3.2.3 主ストレージ単独の構築テストレス確認方式

主ストレージ単独の構築テストレス確認方式は、主ストレージが持つ情報を活用して デルタリモートレプリケーションの構築可否を確認する方式である。

この方式ではデルタリモートレプリケーションの構成を確認することが可能である。

図 23 に主ストレージによるデルタリモートレプリケーション構築可否の確認方式の 動作概要を示す。

この方式では、主ストレージに格納されている同期、非同期リモートレプリケーショ ンの構成情報をデルタリモートレプリケーション構成情報の一部と見なし、それらの構 成を確認することでデルタリモートレプリケーション構成の有効性を確認する。

主ストレージには構築可否確認済みの同期、非同期リモートレプリケーションの構成 情報が保存されている。ここで、同期、非同期リモートレプリケーション構成における、

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それぞれのレプリケーション先ボリュームはデルタリモートレプリケーションの対象 ボリュームに該当する。すなわち、同期リモートレプリケーションのレプリケーション 先ボリュームが非同期リモートレプリケーションのレプリケーション先ボリュームと 同数であることを確認することで、デルタリモートレプリケーションの対象ボリューム が少なくとも存在することがわかる。

ただし、本方式はレプリケーションの稼働要件で規定されるデータ通信可否が検証で きない。本質的に主ストレージだけで近郊、遠隔ストレージ間のデータ通信検証は難し いと考える。

従って、本方式はデルタリモートレプリケーションの構築可否の確認が十分と言えず、

他方式を優先すべきと考える。

主ホスト

近郊 ホスト

遠隔 ホスト

主拠点

近郊拠点

遠隔拠点

AP

主ストレージ

近郊ストレージ

遠隔ストレージ

同期レプリ

非同期レプリ

制御装置

同期、非同期レプリ構成 のレプリ先volが同数なら、

デルタレプリ構成が有効

図 23 主ストレージ単独によるデルタリモートレプリケーション構築可否の確認方式

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3.2.4 管理プログラム単独の構築テストレス確認方式

管理プログラム単独の構築テストレス確認方式は、管理プログラムが持つ情報を活用 したデルタリモートレプリケーションの構築可否を確認する方式である。

この方式も主ストレージ構築単独のテストレス確認方式同様、デルタリモートレプ リケーションの構成を確認することが可能である。この方式は管理プログラムが保持す る3拠点ストレージDRシステムのレプリケーション構成情報を活用する。すなわち、

管理プログラムが同期、非同期リモートレプリケーションそれぞれのレプリケーション 先ボリュームがデルタリモートレプリケーション構成と一致するかを確認することで 実現する。

ただし、管理プログラムが保持する情報を利用するのみではレプリケーションの稼働 要件におけるデータ通信可否が検証できない。管理プログラムが保持する情報のみでな く、近郊、遠隔ストレージ間構築テストレス確認方式と同等の検証機構を近郊、遠隔ス トレージに作り込むことで、その検証を実施できる可能性がある。その場合でも、複数 のストレージとやりとりが必要になり、管理プログラムの操作(もしくは内部処理)が 複雑になる可能性も高い。ストレージDRシステムでは、引き継ぎ処理の確度を高める ため、出来る限り1つ1つの処理を単純にすることが重要である。従って、本方式より も、他方式を優先するべきと考える。

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3.2.5 方式のまとめ

下表に上述した方式をまとめる。下表の通り、項番1、2がデルタリモートレプリケ ーションの構築可否が確認できる。その中でも本研究が対象とする項番2「近郊、遠 隔ストレージ間構築テストレス確認方式」は、項番1が持つデメリットもなく理想的な方式と いえる。

項番 1(従来方式) 2 3 4

方式名 近郊、遠隔ストレ ージ間構築テスト 確認方式

近郊、遠隔ストレー ジ 間 構 築 テ ス ト レ ス確認方式

主ストレージ単独の 構築テストレス確認 方式

管理プログラム単独 の構築テストレス確 認方式

構築テスト あり なし なし なし

内容 構築テストにより デルタリモートレ プリケーションの 構築可否を確認

構 築 テ ス ト な し で デ ル タ リ モ ー ト レ プ リ ケ ー シ ョ ン 構 築可否を確認

主ストレージの情報 を活用したデルタリ モートレプリケーシ ョン構築可否の確認

管理プログラムが持 つ情報を活用したデ ルタリモートレプリ ケーションの確認 難しさ 特になし 同期、非同期レプリ

構築中に、デルタレ プ リ の 稼 働 要 件 で 必 要 な デ ル タ レ プ リ の 構 成 情 報 が 存 在せず。既存レプリ 制 御 と は 異 な る 概 念が必要

近郊、遠隔ストレージ 間データ送受の確認 方式

近郊、遠隔ストレージ 間データ送受の確認 方式

(ストレージによる データ通信確認機能 を実装することで可 能になる可能性あり)

メリット 実際にデルタリモ ートレプリケーシ ョンを構築するの みで、実現が容易

構 築 テ ス ト に 必 要 に な る 莫 大 な 時 間 を短縮できる

主ストレージの情報 のみにより実現でき るため、実装が容易

管理プログラムの情 報のみにより実現で きるため、実装が容易

デメリット 構築テストに甚大 な時間を要する

なし レプリケーションの 稼働要件を一部確認 できない(データ通信 の確認が出来ない)

レプリケーションの 稼働要件を一部確認 できない(データ通信 の確認が出来ない)

関連方式 - SRDF/Star - Metro/Global

Mirror

本研究方式