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第 3 章 廃棄物産業連関分析の動学的拡張

3.5 数値例

これまで示したモデルの理解をすすめるために、本節では数値例を用いた解説を行う。Table.3.10 はWIO基本表(数値例)を示したものであり、P.30の3.2におけるTable.3.1にあたるものである。

ここでTabel.3.10.1は産業:2においては産業:1から8、産業:2から13、産業:3から8の投入があった ことを表す。それぞれP.30におけるXo:12 = 8, Xo:22 = 13, Xo:32 = 8にあたる。

またTabel.3.10.1の左下の3×5のセルは各産業部門からの廃棄物の純排出量をあらわし、

Ta-ble.3.10.2およびTable.3.10.3で示す廃棄物排出表と再資源化原材料投入表を参照しており、それぞ れの差分をとったものとなっている。つまり産業:2においては廃棄物:2を3だけ排出し、再資源化原 材料として6の投入をおこなっている。このことから純排出量は3−6=-3(P.30におけるWo:22=3) となり、これを純排出量とする。

P.34でSとして示した廃棄物を廃棄物処理過程に対応させる配分行列をTable.3.11で示す。 Ta-ble.3.11において、廃棄物純排出:1は100%を廃棄物処理:1で処理し、廃棄物純排出:2および廃棄物 純排出:3は100%廃棄物処理:2で処理されることを示す。

Table.3.12で示される固定資本マトリックスのもと、P.31で動学モデル中で扱う拡張固定資本マ

トリックスB˜Table.3.13のように表される。P.33で示した廃棄物化変換行列TTable.3.14を想 定する。 またP.34においてδt−i,tで示した寿命については、産業:1および産業:2の生産物は1期目に すべて廃棄物として排出され、産業:3の生産物は2期目に30%、3期目に残りの70%が廃棄物として 排出されるものとする。

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Table. 3.10: 廃棄物産業連関表:数値例 Table. 3.10.1

産業:1 産業:2 産業:3 廃棄物 廃棄物 最終 行和 処理:1 処理:2 需要 産業:1 5 8 12 5 2 10 42 産業:2 10 13 10 0 1 8 42 産業:3 12 8 13 1 3 15 52 廃棄物純排出:1 2 0 0 0 0 3 5 廃棄物純排出:2 0 -3 4 0 0 2 3 廃棄物純排出:3 0 1 -2 3 0 1 3 Table. 3.10.2

廃棄物排出 産業:1 産業:2 産業:3 廃棄物 廃棄物 処理:1 処理:2 廃棄物:1 排出 3 0 0 0 0 廃棄物:2 排出 0 3 4 0 0 廃棄物:3 排出 0 1 2 3 0 Table. 3.10.3

廃棄物投入 産業:1 産業:2 産業:3 廃棄物 廃棄物 処理:1 処理:2 廃棄物:1 投入 1 0 0 0 0 廃棄物:2 投入 0 6 0 0 0 廃棄物:3 投入 0 0 4 0 0

Table. 3.11: 配分行列:数値例

S 廃棄物処理:1 廃棄物処理:2 廃棄物純排出:1 1 0 廃棄物純排出:2 0 1 廃棄物純排出:3 0 1

Table. 3.12: 固定資本マトリックス:数値例 産業:1 産業:2 産業:3 資本財:1 0 0 0 資本財:2 0 0.0714 0.0385 資本財:3 0 0.1429 0.0962

Table. 3.13: 拡張固定資本マトリックス:数値例 産業:1 産業:2 産業:3 資本財:1 0 0 0

資本財:2 0 0.0714 0.0385

資本財:3 0 0.1429 0.0962

再資源化原材料:1 0 0 0 再資源化原材料:2 0 0.0102 0.0055 再資源化原材料:3 0 0.0110 0.0074

Table. 3.14: 廃棄物化変換行列:数値例 廃棄物化変換行列 廃棄物:1 廃棄物:2 廃棄物:3

資本財:1 1 0 0

資本財:2 0 1 0

資本財:3 0 0.8 0.2 再資源化原材料:1 0 0 1 再資源化原材料:2 0 0.9 0.1 再資源化原材料:3 0 0 1

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以上の3つの産業部門、3種類の廃棄物、2種類の廃棄物処理を想定した3期間の数値例を用いる

と、Fig. 3.2の一番下に示す動学的拡張WIOモデル式の左辺第1項は以下のように示される。

各期の生産額および廃棄物処理活動量はTable.3.15のようになる。

Table. 3.15: 各期の生産額および廃棄物処理活動量

1期 2期 3期

産業:1 45.34 36.80 35.03 産業:2 45.19 37.07 31.04 産業:3 56.72 45.48 37.55 廃棄物処理:1 3 3 3 廃棄物処理:2 15.72 5.59 9.85

各期の最終需要が一定であっても、寿命に伴い排出される資本ストック起源の廃棄物処理に伴 う廃棄物処理活動の活発化と、それに伴う生産変化が観察される。

ここで産業:1および産業:2の生産物は1期目にすべて廃棄物として排出され、産業:3の生産物は Table.3.14の廃棄物化変換行列で示すように廃棄物:2と廃棄物:3として2期目に3割、3期目に7割が 排出される。配分行列Table.3.11は廃棄物として発生した廃棄物:2、および廃棄物:3は全量が廃棄 物処理:2で処理されることを表している。そのため、廃棄物として将来発生した産業:3の生産物が 2期目、3期目の廃棄物処理:2の活動を活発化させ、その波及効果として他の産業活動および廃棄 物処理活動を変化させたことになる。

本章で提案する動学的拡張WIOは数値例でみるように、生産から廃棄にいたるまで時間差があ るような財の廃棄物排出及びその処理活動に伴う波及効果を観察することができる。

次章において、本章で提案した動学的拡張WIOモデルの応用を行う。