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援助付き雇用

ドキュメント内 Microsoft Word - (ページ 70-73)

第2章 労働及び雇用の選択肢

2.3 援助付き雇用

援助付き雇用は、重度障害者に対する伝統的なリハビリテーション・プログ ラムに替わる手段として米国でうまれた。それは重度の障害のある人々に対し て、継続的な支援サービスを提供しながら統合された職場で行なう有給労働と、

法や規則で定義されている。最低賃金の規定が、1997年、援助付き雇用のため の米国の連邦規則に追加された(Wehman 1997年)。

援助付き雇用の提供には、さまざまな方法がある。それは、個別配置、エン クレーブ、移動作業班、小企業への配置である(Moon and Griffin 1988年)。エ ンクレーブは、受け入れ企業のなかで特別訓練グループとして仕事をする、通 常は3-8人からなるグループである。グループのメンバーは、必ずしも全員が その会社の正社員になるわけではない。移動作業班は、1人以上の監督者がつい て、園芸や運動場の整備のような専門的請負サービスを提供しながら、地域内 を移動する同じような規模のグループである。小企業オプションは、障害のあ る労働者と障害のない労働者がいっしょに少人数で働く、製造サービスか下請 け作業である。その企業は、1つのタイプの製品かサービスだけを提供するこ とになるだろう。

個別配置は、米国では主要な形態のようにみえる。1995年には援助付き雇用 プログラム参加者の77%が個別の援助付き雇用配置で、残りの23%は何らかの 形態のグループモデル参加者であった(Wehman 1997年)。1つの「最良の」モ デルといったものはない。何人かの解説者は以下のように述べている。

「援助付き雇用の戦略と構造には、特定の仕事の種類と特定の継続的支援方 法を結合させた、それぞれのほとんど無限の組み合わせがある。障害者によ って経験される雇用障壁をなくす一方、本当の雇用成果をあげるという点で は、利点と欠点がある。いかなる代替策も理想ではなく、すべての状況に合 うものはない。援助付き雇用プログラムの発展は、地域の雇用機会と個々人

のサービス要件との適合を必要とする。」(Bellamy 1986年)

1997年の報告によると、米国の援助付き雇用プログラム参加者全体の3分の 2が知的障害者で、2番目に多いのは精神障害がある人々であった(Wehman 1997年)。

援助付き雇用の解釈は、国によって異なることがわかった(ILO 2004年a 78-80頁)。

 例えば、英国とアイルランドでは、生産性が減退している障害のある労働 者に関して使用者に金銭的助成を提供するプログラム、および米国と同様、

ジョブ・コーチ・ベースの活動が含まれる。英国では、レンプロイは保護 工場ネットワーク(前記2.2を参照のこと)にくわえ、障害者に対する職 業紹介サービスも提供している。2005年に英国の予算監査局(NAO)は、レ ンプロイ工場から支援なしの雇用への移行水準が低いことを指摘し、保護 工場での雇用から職業紹介活動に重点を移すように勧告した。2006/07年 レンプロイは、通常の職場で約5,000人の障害者の雇用機会をみつけた。

これは前年比25%以上の伸びであった。2013年までにこうした職業紹介を 年間20,000人まで増加させることを目標にしている。

 ノルウェーでは、1996年から3年間保証のジョブ・コーチ支援がある、援 助付き雇用が提供されてきた。

 オランダでは、1992年に議会が政府に対して、援助付き雇用プログラムと 保護雇用の間にあった賃金格差の解決策を見つけるように求めた。援助付 き雇用プログラムでは、賃金は生産性に関連づけ、法定最低賃金の85%ま で障害給付で補足していた。一方、保護雇用会社では、賃金が全額支払わ れていた。それに加え、政府はジョブ・コーチの費用をまかなうように求 められた。第一歩として、補足給付は最低賃金まで引き上げられた。そし て、ジョブ・コーチの費用に対して補助金が導入された。1996年の法律に より、地方公共団体は援助付き雇用に資金を供給できる。こうして創り出 される仕事は、政府が資金提供をする保護雇用会社の仕事として扱われる

(Krug 1996年)。

 ニュージーランドの援助付き雇用プログラムでは、2年間の賃金助成があ る(Saloviita 2000年)。

 フィンランドでは、援助付き雇用を統合された職場での援助付き有給労働 と定義したものはほとんどおらず、「一般に、それは雇用か雇用関連の活 動のためのさまざまな援助のオプションを意味すると理解されている」

(同上 91頁)ということが、援助付き雇用プロジェクトの調査から明ら

かになった。

 スロベニアとマルタを含む他の国では、求職や雇用過程において長期間の 支援をしている(EC 2005年 付録3:3.3.1)。

2.3.1 評価

米国での多くの研究は、援助付き雇用が保護的就労に比べより多くの社会的、

心理的便益を生み出し、労働者、納税者および社会全体として費用効果が大き いものであることを明らかにした(Saloviita 2000年)。しかしながら、1970年代 の創設時からの援助付き雇用に関する米国のレビューの1つ(Barbour 1999年)

は、多くのプログラムが「クリーミング(最高・最良の部分だけをえり抜くこ と)」、つまり参加者としてあまり重度でない障害者が選ばれていることを非難 する他の研究を引用している。援助付き雇用の定義が多様であるため、1つの 国で行われた研究からの知見を、他に一般化することはできない。米国の法で は、援助付き雇用はリハビリテーションのオプションとして資金が提供され、

その参加対象者になるには1週間あたり少なくとも平均20時間働かなければな らないと明記されている。米国で達成されたプラスの費用対効果の多くは、代 替サービスの利用でもたらされた節約、および稼働収入の税収からもたらされ た。英国では多くの援助付き雇用の仕事は、パートタイムで1週間あたり20時間 未満である。プログラムの参加者が福祉給付を維持し、それに加え、許容され ている少額を稼いでも、福祉給付支出は減少せず、たとえ税の還元があっても わずかでしかない(Beyer, Godere and Kilsby 1996年)。これは援助付き雇用概 念の特徴を示すのでなく、むしろ給付資格と稼働収入との間の関係による。

重度の障害のある人々のための援助付き自営業の概念が、米国でとくに注目 されている。その概念を読者に紹介するために出版された、職業リハビリテー ション学会誌の最近の特集号(2002年)に載ったいくつかの論文は、自営業が 重度障害のある人々の満足を促進する上でどう役立つのかを示すばかりでなく、

起業や事業運営のあらゆる段階で高いレベルの支援が必要なことを率直に認め ている。

ラトビアでは、「社会的排除と戦う」施策を通して、労働市場への障害者統合 を支援している。この施策のもとでの行動には、起業や自営業の開発が含まれ る。スウェーデンでは、有力なビジネスのアイディアをもつ障害者は、ビジネ ス開始助成金を受給することができる。

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