• 検索結果がありません。

保護雇用

ドキュメント内 Microsoft Word - (ページ 66-70)

第2章 労働及び雇用の選択肢

2.2 保護雇用

 障害者のニーズと能力に対する使用者の認識不足

 「給付の罠」

 福祉給付を失うことへの恐怖

 就職の失敗経験による落胆および/あるいは内面化した否定的イメージ

 不十分な技術的・人的支援

2.1.1 より積極的な労働市場政策

多くの国は、障害者の失業の増大と低い労働市場への参加率について、社会 扶助コストの増加と関連づけて懸念している。特定の施策の細部については次 章で述べるが、新しい政策動向の全般的目的は、以下に述べることを通して労 働市場政策をより活性化することにあることを強調している。

 福祉への依存を防ぎ、思いとどまらせる施策

 障害者の雇用及び訓練のメインストリーム化

 教育、訓練、仕事のイニシアティブに参加するインセンティブ

 使用者をより大きく関与させること

 雇用支援サービスの改善

 差別禁止法制のより効果的な履行

 既存の雇用率制度のより厳格な実施

現在のところ、消極的施策(所得移転)は、積極的な労働市場施策よりも公共 資源のかなり多くの割合を使っている。バランスを変化させる余地は大きいと みえるものの、多くの国では全般的な景気下降に伴う比較的高い失業率もあっ て、効果的にこれらのいくつかの政策を実施することを難しくしている。

とすべきで、「一般雇用でそのニーズが満たされない障害のある人に対しては、

小規模の保護的あるいは援助付き雇用が選択肢として可能であるべきである」

と述べている(規則7(7))。

前述の第168号勧告では、異なったタイプの保護雇用の可能性があること示し ている。いろいろな国の保護雇用の調査から、サモイとウォータープラス

(Samoy and Waterplas 1997年 6頁)は、保護雇用の概念でさえすべての人々 にとって同じ意味でないことを発見した。

「政府の役人が外国人(著者などの)に、自分たちの保護雇用のシステムを説 明するように頼まれたとき、彼らは、障害者が雇用契約を結び、賃金を受け 取るために生産に従事する仕事(工業かサービスにおける)をしている組織 についてのみ、時には言及するだろう。同じ州の他の役人、あるいは別の州 の役人は、生産に従事する仕事が唯一でなく、しばしばメインであるという わけではない、また、障害者はどんな雇用契約も結ばず、障害年金に加えて ボーナス以外のどんな賃金も受け取らないという組織をそこに含めたがる かもしれない。ワークショップ団体や障害者の/ための団体のような他の関 係団体は、この見方を共有するか、または一致しないかもしれない。」

サモイとウォータープラスは、そのレポートでは、作業センターやデイ・セ ンターに近いタイプの組織を含む、ひろいシェルタード・ワークショップ観を 採用した。しかしながら、その組織がワークショップに含まれているには、最 小限の生産活動が必要である。通常、そのような施設がシェルタード・ワーク として考えられない国に関しては、比較を可能にするためさらにいくつかの情 報を収集した。

欧州評議会(1992年)も保護雇用については、以下のように広い定義を使用 している。

「保護雇用は、援助付きかどうかに関係なく、障害のために一般の仕事で就 職、雇用維持をすることができない人々にひらかれているべきである。そこ には、シェルタード・ワークショップと作業センターを含む多様な状況を含 めることができる。シェルタード・ワークは、二重の目的があるべきである。

つまり、障害のある人々がやりがいのある活動に従事することができるよう にすること、ならびに、できるだけ一般雇用の仕事に向けた準備をすること である。そのため援助付き雇用から一般雇用への移行を促進するすべての方 法を、次のような形で工夫すべきである:作業センターにシェルタード・ワー

ク部門、あるいはシェルタード・ワークショップに作業センターを設置する こと、通常の企業内にシェルタード・ワーク部門あるいは作業センターを設 置すること、シェルタード・ワークショップあるいは作業センターで働く者 を単独またはグループで一般企業に派遣することである。」

いくつかの国では、計画目的で、一定の労働と雇用形態を区別するのが有用 であることがわかった。例えば、アイルランドでは、保護と援助付きの労働・

雇用に就いている障害者の雇用戦略について助言を与えるために設立された委 員会では、以下の定義を使用した。

作業 とは、何らかの形態の報酬を伴う、組織化された仕事のことであるが、

それは雇用保護法制や賃金と関連する社会保険でカバーされているわけで はない。

雇用 とは、雇用保護法制、賃金と関連する社会保険、所得税納税に関して 法的要件に準拠した報酬をともなう仕事のことである。

シェルタード・ワーク とは、ある目的のために特に設立されたワークショ ップで障害者によって行なわれる仕事のことである。シェルタード・ワーク ショップで働いている人々は、社会保険給付を継続受給し、通常、仕事の提 供者から毎週わずかな額の追加的支払いを受け取っている。シェルタード・

ワーカーは、雇用されているわけではなく、また、雇用保護法制によってま もられているわけではない。

保護雇用 とは、障害者の雇用のためにとくに設立され、国からの特別な資 金を受け取っている企業での雇用のことである(NRB 1997年)。

多くの国が何らかの形の保護雇用をもっている(より詳細な検討は、Samoy and Waterplas 1992年と1997年、Thornton and Lunt 1997年を参照のこと)。たと えば英国では1945年にレンプロイが、「通常の」雇用の確保を援助すべく、障害 者の社会復帰と訓練を行うために設立された。それは、発足当初から政府基金 による支援を受けている。2006年には、レンプロイは83の工場と他のサービス で、約9,000人の障害者を支援した。レンプロイの工場ネットワーク以外では、

障害者の求職活動について保護的環境よりもメインストリームの職場を目指す ことに政府の政策のより大きな力点が置かれるようになっていることや、製造 産業の衰退もあって、地方当局や民間の非営利部門によって運営されている保 護工場の数は減少してきている(総理府戦略部(Prime Minister’s Strategy Unit

2005年)。

国別の比較は、多くの理由で困難であるが、とくに保護雇用の概念がすべて 同じ意味を持っているわけではないし、同じ国の中でさえそうであるからであ る。しかしながら、いくつかの一般的なことは指摘できるだろう。

 保護雇用の哲学については、近年いくつかの国(たとえばオーストラリア、

米国)で、援助付き雇用の施策がより受け入れられるようになるなかで論 争のまととなってきた。ヨーロッパのいくつかの国では、他より非常にわ ずかな人数の保護雇用の場所(労働力1,000人あたり)を提供するなど、ほ とんどコンセンサスがあるようにみえない。

 多くのシェルタード・ワークショップは、任意の努力、しばしばチャリテ ィー、宗教団体、関係家族のグループにその起源をもっている。それらは 徐々に、国の規制にしたがうようになり、国の助成金の支給対象者となっ た。

 一般的にいって、保護雇用は、重度の障害や制限された労働能力のため一 般労働市場で就職、雇用継続ができないような人々のために意図された。

多くの場合、障害の最低水準が受け入れ要件として指定される。いくつか のケースでは知的障害と精神障害の間でどんな区別もみえないが、雇用さ れている大部分は、知的障害をもつという傾向がみられる。

 ほとんどの国で、通常の労働市場への移行を進めることが、保護雇用につ いて述べられた政策目標となっている。現実には、移行率は1%未満から 約5%にわたるが、ほとんどの国はその範囲で低い方に近い(たとえば以 下の文献を参照のこと。Thornton and Lunt 1997年、Samoy and Waterplas 1992年と1997年、欧州評議会 1993年)。移行率が低い理由には、使用者の

(障害者を)採用することへの嫌気、核となる従業員を手放すことへの ワークショップサイドの抵抗、従業員の潜在的技能水準を制限するワーク ショップ活動の技術水準の低さ、しばしば労働市場の要請を反映できない 技能訓練、が含まれる。

 保護雇用は、適切な労働条件と雇用契約が提供できないことに対して、い くつかの国で批判された。多くの場合、従業員は最低賃金以下の報酬を得 ている。いくつかのケースでは、通常の障害給付に加えて、「ポケットマ ネー」程度のものを受けとる。雇用や職業上の安全・衛生法は、しばしば 適用されない。一般には、(労働組合を結成する)結社の自由への権利は ない。

低い移行率、雇用契約の欠如、不十分な賃金などと関連した保護雇用に対す

ドキュメント内 Microsoft Word - (ページ 66-70)