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年 応用環境生物学特論 講義内容

ドキュメント内 質の高い大学教育推進プログラム (ページ 74-89)

場所: 大阪大学薬学研究科2号館特別講義室 プログラム

平成 22 年 応用環境生物学特論 講義内容

担当教員:平田收正、原田和生、鍋師裕美(薬学研究科)

住村欣範、思 沁夫(GLOCOL)

単位:1 単位

開講期間:前期(前半)・水曜 1 限

(平成 22 年 4 月 14 日~平成 22 年 6 月 2 日)

開講場所:第 2 講義室、第 3 講義室

【授業の目的】

本科目は、薬学研究科とグローバルコラボレーションセンターが共同で実施する組織的な大学院 教育改革推進プログラム「健康環境リスクマネージメント専門家育成」の一環として開講する。本科 目では、まずヒトの健康に対して直接的、間接的に悪影響を与える食や環境の汚染、感染症など について、その現状と対策に関する基礎知識、基礎情報を習得する。さらに、これをもとに、研究 科横断型大学院科目の利点を生かした多様な領域における実践的な問題解決能力の養成や海 外情勢の調査活動を通して、国際的な視野で指導的な立場で『食と環境の安全・安心の確保』及 び『感染症の的確な予防を主導し、健康被害を未然に防ぐことができる人材、すなわち健康環境リ スクマネージメントの高度専門家の育成を目指す。

【講義の内容】

健康環境リスクマネージメントの高度専門家の育成を目的として、大阪大学が海外に展開する教 育研究拠点や、薬学研究科とグローバルコミュニケーションセンターの共同研究機関との密な連携 により、環境薬学教育の高度化、実質化及び国際化を図るプログラムを実施する。講義内容として は、課題探求能力及び問題解決能力の養成に有効な小グループ単位での講義や自己学習、演 習に加え、国際的かつ学際的視点にたった情報収集・解析能力及びリスクコミュニケーション能力 の養成に向けた海外調査研修及び海外招聘研究員との合同研修等を実施する。

【授業計画】

1) 食の汚染、環境の汚染、感染症の蔓延などの健康環境リスクに関する講義及び自己学習によ る現状及びその対策に関する情報の収集および解析

2) 最新機器及び最新技術を用いた実習による環境リスクの実践的解析手法の習得

3) 小グループ討論(PBL:チュートリアル教育)での健康環境リスクに対する適切な対応策の立案

等による問題解決能力の養成

4) 国内及び海外における調査研究、インターンシップによる実践的情報収集・解析能力及びリス クコミュニケーション能力の養成

【授業日程および内容】

基礎プログラム

1. 4 月 14 日(水):第 2 講義室

出席人数:47 人(薬学、保健学、人間科学、基礎工学研究科)

ガイダンス【平田、原田、鍋師、住村、思】

担当教員の紹介、授業内容、授業計画の説明など

講義【原田;40 分】

食の汚染、環境の汚染、感染症の蔓延等の健康環境リスク(1)

 ナイジェリアの食・環境の現状と社会的背景に関しての概説

2. 4 月 21 日(水):第 2 講義室 出席人数:35 人

講義 1【鍋師; 40 分】

食の汚染、環境の汚染、感染症の蔓延等の健康環境リスク(2)

 化学物質のリスクマネージメントの紹介としてナノマテリアルの安全性に関する研究およ び世界の取り組みを概説

 感染症問題として、結核の罹患の推移と世界の状況・対策に関する概説

講義 2【思; 30 分】

中国の現状の紹介

 中国の経済、日本との関係性などの概説

 海外研修での実習予定の紹介

小グループディスカッションのグループ分け【平田】

5 グループ(1 グループ 7 名~8 名)に配分

各グループに 1 人は薬学研究科以外の学生が入るように調整

グループメンバーの決定は教員で実施

3. 4 月 28 日(水):第 2 講義室、第 3 講義室 出席人数:32 人

講義【住村: 30 分】:第 2 講義室 ベトナムの現状の紹介

 ベトナムにおける「食の安全」に関しての概説

 海外研修での実習予定の紹介

作業内容の説明【平田】

テーマ決定に関する説明

下記の点を網羅できるテーマを設定すること

健康環境リスクに関わる問題(感染症、食の安全、環境衛生など)であること

国際的な視点で情報収集を行うこと

海外地域(タイ、ベトナム、中国あるいは他の地域)と日本との比較や関係性も調査・

解析すること

小グループディスカッション(1):第 3 講義室

調査テーマの決定

下記の点に留意して、学生が自由にテーマを設定、出席簿にテーマを記入して提出

健康環境リスクに関わる問題(感染症、食の安全、環境衛生など)であること

国際的な視点で情報収集を行うこと

海外地域(タイ、ベトナム、中国あるいは他の地域)と日本との比較や関係性も調査・

解析すること

学生の様子(鍋師主観)

全体的に感染症に関連する問題をテーマにするグループが多い

日本と海外地域の比較は、住居地域、食生活、水、生活環境など、グループごとに異 なる観点からアプローチしようとしている

社会人修士の方や人科の学生が中心となってディスカッションしているグループが多 い(A、C、E グループ)

各グループの大まかなテーマ内容 A:『感染症と水質;ベトナム』

B:『感染症と住居地域(農村部⇔都市部);ベトナム』

C:『感染症と給食;中国、タイなど』

D:『食の安全、法の整備;中国』

E:『感染症と下水整備(トイレ);南アフリカ』

4. 5 月 12 日(水):第 3 講義室 出席人数:32 人

作業内容の説明【平田】

テーマの確定(見直し可)

現状分析(主作業)

対策の立案

今後のスケジュールについて【平田】

5 月 19 日

対策の立案

発表用プロダクトの作成

海外研修希望調査

5 月 26 日

発表・討論

発表準備 10 分

発表・討論 各 12 分(発表 9 分、質疑応答 3 分)

総合討論 20 分

小グループディスカッション(2)

テーマの確定

前回の講義で決定したテーマの見直し)

現状分析・対策の立案

各自持ち寄った資料や、インターネット検索を用いて、テーマに関連する情報を収 集、グループ内でディスカッション

学生の様子

B グループは薬情の研究室に移動して作業、他のグループは第 3 講義室内でイン ターネット検索をしながら、テーマの見直しと現状分析を実施

A グループは、当初設定したテーマでは情報が集められなかったため、テーマを変 更した様子

5. 5 月 19 日(水):第 3 講義室 出席人数:31 人

小グループディスカッション(3)

情報収集・解析

対応策・解決策の策定

発表用パワーポイントの作成

海外研修の希望調査→5 月 26 日に希望者のみ提出

学生の様子

B グループは薬情の研究室に移動して作業、他のグループは第 3 講義室内でイン ターネット検索をしながら、テーマの見直しと現状分析を実施

図表など、スライドの作成も並行して進めているグループが多い

2 限目が休講であったこともあり、B グループと E グループ以外は作業を続行

各自分担を決めてスライド作成を宿題としていた様子

レポートについて【平田】

提出期限:6 月 2 日(水)

内容:各グループの研究テーマについて

情報収集の結果

策定した問題解決策・対応策に関して

その他

形式:指定なし

6. 5 月 26 日(水):第 2 講義室 出席人数:29 人

本日の内容に関して【平田】

発表準備(10 分程度)

発表(9 分発表、3 分質疑)

海外研修アンケートについて(講義終了後に回収)

講義に関するアンケートについて(講義終了後に回収)

レポート提出について

A4 サイズ 2 枚程度

提出は、6/2 までに教務係か平田先生のメールボックスへ

6/2 にガイダンスに参加する人はその時でも可

プロダクトを盛り込む

メモリスティックの回収も 6/2 に行う

発表準備

グループごとに集まり、最終調整

発表(9 分、質疑・コメント 3 分)

A:水系感染症 ~吹田市とバンコクの比較~

発表内容

タイでは水系感染症である急性下痢症の罹患率が高い

吹田市の上下水道と比較して、バンコクの上下水道には下記のような問題点が ある

上水道の普及率は高いが、整備不良によって汚水の混入がある

下水処理として、日本のように塩素消毒が実施されていない

汚水と雤水を混合処理しているため、雤季には汚水処理能力を上回る水 が流れ込む

対策

上水道の配管のメンテナンスを行う

水道水をそのまま飲まないように心掛ける

汚水と雤水を分離して処理する

処理した汚水は塩素消毒後放流する

衛生教育を徹底する

質問・コメント

下水道は人口当たりに足りているのか(加藤さん)

だれが中心となってやっていくのか(思先生)

現地を調査し、現状を知った上でマスタープランを立案できればよいのではな いか(平田先生)

B:ベトナムにおける感染症 -都市・農村の比較を通じて-

発表内容

ベトナムでは都市部と農村部で、所得や医療の差が大きいという現状がある

農村・都市部で罹りやすい感染症も異なっている

農村部では、マラリア・デング熱など蚊が媒介する感染症が多い

原因:自然環境、ライフスタイル、医療の不備など

対策:衛生教育、殺虫スプレーの配布など

都市部では、水系感染症が多い

原因:下水処理施設がない、川で物を洗う生活習慣、生野菜を好む食習 慣、人口の急増、川の氾濫、運河の利用など

対策:上下水道の整備、住民教育、川の氾濫の防止など

これらの対策には、ベトナムだけではなく、他の国からの援助が必要

質問・コメント

他国からの援助とは具体的にどのようなことを考えているか(三田先生)

ベトナムのデータはどこから得たのか、市場とはどのくらいの規模か(尐し、現 状と乖離している情報があった)(住村先生)

C:ベトナムの食と衛生

発表内容

ベトナムでは、現在食品衛生調査に力を入れている

ドキュメント内 質の高い大学教育推進プログラム (ページ 74-89)

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