3.5 遠隔協調ワーク(遠隔教育)
3.5.7 応用・派生サービス
これまで、遠隔協調ワークとして遠隔教育と遠隔地共同作業を重点的に述べてきたが、本サービスの基盤は将来 的に様々なサービスの基盤となっていくと考えられるため、その応用範囲も広い。以下にいくつかのサービスイメー ジの一部を紹介する。
(1)遠隔地作業体験
例えば、東京や大阪などの子供が北海道の牧場にいる乳牛の搾乳をする。画面では牛の様子が表示され、
遠隔操作でロボットが搾乳してくれる。力の入れ具合や角度などを作業者(子供)が画面を見ながらロボット の動きを調節するとうまく搾乳できる。一人が作業しているのを各地の参加者みんなで見ながら、話しができ たり、各地から早押し順で参加できると盛り上がるかもしれない。その上、絞った牛乳を宅急便で送ってもら えるとうれしい。他に船や潜水艦、宇宙船等の体験操縦や壁画制作なども考えられる。
(2)バーチャル講演会(プラクティス)
海外での講演や学会での発表、企業の株主総会でのスピーチなどを予定している人が練習や予行演習を 行う。海外や学会など現地の講演会場の雰囲気をリアルに設定し、模擬講演を行う。さらに、オンデマンドで 限られた関係者やアドバイザリスタッフの評価を得たり、講演内容に関する専門家のチェック、英語等外国語 によるスピーチの場合は語学的なチェック、スピーチアドバイザによる演出面のチェックなどより効果的な講 演を行うための準備が可能になる。また、講演会に限らず海外旅行シーンやビジネスシーンでの英語等の 語学学習や、イギリスのティータイムから日本の茶会まで様々な場面においてのマナーや作法習得なども考 えられる。
(3)遠隔医療
既にサービス開始されている放射線医による遠隔読影を始めとする遠隔画像診断等も、高精細な画像を短 時間に送信可能となり、専門医不在地域においてもより的確な診断をスピーディに受けられるようになる。ま た、複数の病院間で医者同士がコミュニケーションを図りながら、治療を行ったり、専門外の診断や治療を行 わなければならない状況で他病院のサポートを受けたりするような場合にも、より的確な判断やサポートが可 能になる。現在は実際の治療は難しいが、高精細な映像のスムーズな配信とロボット等の作業技術の向上で 可能になるかもしれない。前記の遠隔作業体験と同様に画面を見ながら、診療や治療、更には手術等の作 業をロボットなどをコントロールしながら行う。
(4)バーチャルカウンセリング
悩みを持っている人が場面を任意に設定して、苦痛が少ない状態でカウンセリングを受けることができる。場 面は、海、山、郊外、街など自分の好きなものを設定し、海岸を散歩しながら、或いは街のカフェでコーヒー を飲みながらなど、よりリアルなシーン設定を行うことができる。また、画面上には本人ではなく、分身(アバ ダ)が現れたり、声も自由に変換して好きな声色で話すこともできる。カウンセラーも相談者が希望する分身、
声で対応できる。登場人物は相談者とカウンセラーの二人とする。会員制で、入会時に基本的な人物確認や 診断を行い、その後は月額料金に応じてバーチャルカウンセリングを行っていく。更に、カウンセリングの用 途に合わせた治療用映像素材の開発、制作等のサービスも考えられる。
(5)遠隔操作・監視システム
1台(あるいは少数)のカメラを多数のクライアントから操作、監視するシステム。観光地情報、道路交通情報 などをリアルタイムで得られるサービスや、保育園や託児所、高齢者のデイケアセンタや介護施設等、子供 や家族を預けている人がちょっとのぞいて見ることができるサービスなど、複数の人がそれほど頻繁にでは なく、カメラを遠隔操作して見たい場所や人を見ることができる。現在のインターネットライブカメラよりも、高 速な操作が可能で、高精細な映像を得られる。
(6)製造装置、検査装置等のリモートメンテナンス
装置設置先に出向くことなく、ネットを介して映像で確認しながらメンテナンスサービスを提供する。(3)の遠 隔操作・監視システムを更に進化させ、遠隔地に設置された装置とメンテナンスセンタをネットでつなぎ、 装 置で撮影した画像や装置情報をメンテナンスセンタで収集し、短時間で故障診断を行い、作業員が必要とな る場合にも適切な処置を迅速に行うことができる。
(7)オークション
多数のオークション参加者をシリンダ上の画面表示で回転させながら、見ることが出来る。その時点での最高 入札者を競売人が判断し、落札者を決定できる。または機械的に判断して落札者を決定する。参加者は出 品物を高精細な立体画像で、回転させたりしながら見ることができる。出品物の公開から、入札、落札の瞬間 までリアルなオークション会場さながらの臨場感を出すことができる。高精細な画像を含む詳細な目録も配布 可能。
(8)テレビ電話サービス
現状でもサービスが行われているテレビ電話であるが、高速広帯域なネットワークであれば映像、音声共に よりリアルな対面環境を実現できる。従来のテレビ電話のように、ネットワークによって制限されていた映像、
音声のクオリティが飛躍的に向上し、実際に会って話しをするのに近い満足感を得られるようになる。ついで に連動型晩酌マシーンが開発されればさしで飲むのも可能、会議システムのように複数で会話が可能にな れば遠隔地にいながら大宴会の実現も夢ではない。
(9)ネットセッション
世界各地にいる一流アーティストがバーチャルに一同に会する。なかなか一同に集めることが難しい大物ア ーティスト同士の顔合わせも時間さえ確保できれば可能になる。リアルに近い音声と映像で、さらにセッショ ンシーンを同一ステージに立っているかのように演出することもできる。
相談者が自分の好きなシチュエーショ ンやアバダを選んで、カウンセリング の環境を設定。
小舟に乗るカップルの シチュエーションでカ ウンセリング
アウトドアで親子のシ チュエーションでカウ ンセリング
ゆっくり釣りを楽しむ 友人同士のシチュエ ーションでカウンセリ ング
設定されたシチュエーションに、設定さ れたアバダのカウンセラーが登場。
相談者
大画面スクリーンや3D ゴーグル等によるバーチャル空間 カウンセラー
図 3.5.7.1 バーチャルカウンセリングイメージ