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サービス評価

ドキュメント内 サービス仕様書 (ページ 36-40)

3.1  デジタル・オンデマンドサービス(D-オンデマンド)

3.1.8  サービス評価

(1)事業性 

 ブロードバンド・ネットワークを利用した映像配信サービス会社の立ち上げ発表が相次いでいるが、本「デジ タルオンデマンド」サービスの大きな市場として考えられるのは、光サービスネットワークを用いたレンタルビデ オの家庭向け(個人向け)オンライン配信サービスであろう。この場合の訴求ポイントは、画質及びアクセススピ ードである。 

 画質に関しては、BS デジタル放送、地上波デジタル放送(2003 年サービス開始予定)など、今後、TV 放送お よび受像機の画質向上が一般的になる事が予想されることから、BS デジタルハイビジョン放送〜DVD 並みの 画質が実現されることが望まれる。 

 アクセススピードではロードショー公開時に大ヒットした作品がオンライン公開されるような場合、一度に多数 のユーザが同一コンテンツにアクセスしても、ストレス無く視聴出来る事が最低条件であろう。同時接続数の目 安としては、3.1.6 要求条件にあるとおり 300 万世帯の端末に同時にコンテンツを提供出来る事を目標としたい。

ストレス無くとは、例えば、リクエスト(発注)してから 3 秒以内にコンテンツが見られる状態を言う。 

 更に、早送り、巻き戻し、一時停止が現行の家庭用ビデオ機器と同様の操作性で出来る事が望ましい。 

 ビジネスモデルとしては、視聴料を前提としたビジネスを基本とするべきである。この場合の視聴料金体系で あるが、各種価格のデフレ現象化、過当競争が進んでおり、一本あたりの価格はより安い方が普及面で望まし いが、反面、コンテンツホルダ、コンテンツプロバイダ、サービスポータルなどそれぞれが儲かるビジネスモデ ルを描く必要があり、今後より具体的なビジネス検証が必要である。当面は、現在のレンタルビデオ(DVD)の 料金体系を参考とすべきである。 

 

(2)社会性・受容性 

 大手レンタルビデオ店では、全国に 1,000 店舗の店を持っている。反面、全国数万店のレンタルビデオ店の 多くは零細店舗である。サービス開始初期はこれらの店舗との共存が望ましい。すなわち、「クリック&モルタル 方式」で、限られたレンタルビデオ店スペースではユーザのリクエストするソフトが無く機会損失を招いている。

これを「デジタルオンデマンド」サービスで補う形からスタートする事が望ましい。これにより、コンテンツホルダ、

レンタルビデオ店、ユーザともメリットのあるビジネスモデルを形成出来る。 

 また、過去の多くのメディア機器(VHS ビデオ、CD-ROM、DVD など)多くのものは、アダルトコンテンツからビ ジネスが飛躍した。レンタルビデオや CS デジタル放送も然りである。家庭向け「デジタルオンデマンド」も、ビジ ネスとしてはアダルトから飛躍する可能性があるが、半面、サービス総体としての品位と公共性を保持する配慮 やすべての年齢層の顧客がアクセスしうる家庭向けサービスであることから確固たるアクセス制限(ペアレンタ ルロック等)が担保されることが必要である。 

 

(3)知的財産・権利保護 

 映画やテレビ番組は、映画会社、放送局だけがコンテンツホルダではない。作家(脚本家)、音楽家、出演俳 優など多くの人や団体が制作にかかわっている。これら関係当事者間で「デジタルオンデマンド」サービス事業 の為の、著作権、著作隣接権などの権利問題の解決を図ることが、このビジネス普及の最大の解決課題と言っ ても過言ではない。 

 映像作品のネットワーク流通等に関する権利問題に関しては、一括して対応処理を行うような何らかの権利 処理機構が必要である、という議論も高まっている。また、放送番組等についてはコンテンツ制作の際の発注 事業者と制作事業者間の契約の在り方、海賊版コンテンツの国際間での取り締まり制度の必要性などについ ても、総務省、文化庁、経済産業省などにより、コンテンツ流通を促進させる為の各種の検討が始まっている。 

・ ネットワークでコンテンツを利用する許諾を得ていない場合には、原作者本人もしくは原作権者などと利用 許諾契約を結び、ネットワーク利用に伴う利用許諾の対価を支払わなければならない。 

・ コンテンツをサーバに蓄積する場合、著作者や著作権者から複製権の許諾を取得する必要がある。 

またこの場合、一般的にはマスタの貸し出しをしないのでマスタからのコピーを取り、それを元にデジタル化、

画像圧縮を行いサーバに蓄積を行う事になるが、マスタからのコピーにも費用が発生する。 

・ エンドユーザからのリクエストによってコンテンツを送信する事は、自動公衆送信が行われた事になり、著作 者や著作権者から自動公衆送信する権利の許諾を得る必要がある。 

・ 歌手やアーティストなどの実演家の公演をデジタル化してサーバに蓄積する場合には、実演家の録音、録 画権の許諾が必要になる。また、送信する場合には、送信可能化権の許諾を得る必要がある。 

 この様に、多様な許諾を得る必要とともに対価の支払いが発生する。これに要する諸費用は、勿論、視聴料 で回収するビジネスモデルになっていなければならない。 

   

(4)法制度・慣習 

(a)放送番組の二次利用を見越した契約 

 これまでに蓄積された放送番組のコンテンツは膨大であるが、TV 番組は基本的に本放送一回(および、一 定期間、一定回数の再放送)を前提に製作費を投入および回収している(著作権関係の契約・許諾も同様)。

このため、二次利用を行う場合、関係各当事者に改めて再契約や許諾交渉を行う必要が生じる。出演者など 当事者がプロの俳優やタレントばかりでなく、一般の市民の場合もあり、必ずしも経済的な対価だけで解決で きるとは限らない。必然的に、契約の手間と同意が取れるかという点が足かせとなり、提供されるコンテンツの 数は制約されてしまう。 

 既存の番組の二次利用については、こうした時間と労力をかけて契約・再許諾をとってでも、流通できるコ ンテンツをふやしていくしかないが、今後の契約については、予め二次利用を見越した契約を行うことで問題 の解決が図られる。 

 しかし、現状番組の二次利用を前提とするビジネスモデルや契約形態が確立されていない。権利関係者を 含めたコンセンサスの形成とビジネスモデル、契約内容の確立を行う必要性がある。 

 

(b)映画コンテンツの二次利用 

 映画コンテンツの場合、あらかじめ二次利用の際の利益配分などについて、最初の契約で明文化されてい るか、配給会社がオールライツを保持しているケースが多いため、放送番組に比べ権利関係上の問題は複 雑ではないが、劇場公開→ペイ・パー・ビューチャンネルでの公開(ほぼ同時期にビデオ/DVD 販売)→ペイ チャンネルでの公開→ベーシック・ケーブルチャンネルでの公開→地上波無料放送、という「ウィンドウ」戦略 が確立されているため、本サービスのようなネットワークを用いたコンテンツ流通がウィンドウ上のどこに位置 付けれらるかが問題となる。ビジネス上、ビデオと同じ時期となることが望ましい。 

 

(c)コンテンツの確保 

 サービス開始時点でコンテンツ量が豊富かつ質的にユーザの好奇心をそそるものであること。また、サービ ス開始後も随時コンテンツが追加される必要がある。コンテンツ質と量は、視聴者に視聴前の余裕と満足感を 与える。また、コンテンツの追加により、視聴者に刺激を与え続ける必要がある。 

ただし、コンテンツホルダとの交渉に依存する事項であるが、レンタルビデオと同時期のリリースを目指したい。

(パッケージ化しない分、より迅速に、かつビデオより少量のリクエストに対してでも、事業が可能になると思わ れる) 

 

(5)インフラ・技術 

(a)コンテンツホルダ・コンテンツプロバイダ側の課題 

(ア)画質の向上 

 画質は、視聴者にニーズを考慮し今後再検討を行う。DVD〜デジタルハイビジョン放送程度の高画質(エ ンコードレート 20Mbps 程度)のサービスを提供することも視野に入れる。 

 

(b)配信・配送プロバイダの課題 

(ア) 配信ネットワークの品質保証 

 パケットロスやデータ遅延などによる映像・音声品質への影響がないことは必須条件である。 

 

(イ) アクセスネットワークにおける必要帯域の確保 

 良質の映像コンテンツ配信サービスのためには、現行のインターネットサービスの基本である「ベストエフ ォート」ではなく、最低限のスループットを保証する「ミニマム・ギャランティ」型の帯域サービスが実現される ことが望ましい。 

 

(ウ)端末の特定 

 端末がネットワークのトポロジ的にどの位置にあるかを把握する方法の確立。これが明確でないと、確実 性のある認証ができないばかりか、最適なコンテンツ格納場所を特定できない。また、端末を特定すること

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