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微気流による快適範囲の拡大

ドキュメント内 2 章 微気流併用型放射空調を行うオフィス (ページ 93-96)

4 夏季冷房検証結果

4.7 微気流による快適範囲の拡大

2014年に行ったモックアップ実験室を用いた被験者実験結果の分析を再度行うことで微気流 による快適範囲拡大効果に関して考察を行った。実測手法と分析に用いた測定パターンは第2章 に記す通りである。

4.7.1 分析に用いた実験条件

実測値との設定温湿度中央値の誤差を図4.50、図4.51に示す。誤差は0.5Kや3%以内に収ま っているケースも多いが、温度差1Kや相対湿度差5%を超えるケースも出現したため、分析は 室内設定条件のパターンではなく実測値を基に行うこととした。このように設定値との誤差が 発生したのはモックアップ実験室のため断熱が足りなかったことが原因の 1 つとして考えられ る。図4.52に実測値における乾球温度中央値と作用温度中央値の差を示す。この結果より、乾 球温度から作用温度を引いた値がマイナス1K以上となった1aは、人体の発熱等の影響による グローブ温度異常値とみなし、分析に使用しなかった。

4.50 設定温度と乾球温度実測値の差

4.51 設定湿度と相対湿度実測値の差

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

9a 10a 11a 7a 6a 5a 1a 1b 5b 11b 9b 10b 6b 7b 2 3 4 8

温度差[K]

-6 -4 -2 0 2 4 6

9a 10a 11a 7a 6a 5a 1a 1b 5b 11b 9b 10b 6b 7b 2 3 4 8

相対湿度の差[%]

4.52 実測値における作用温度と乾球温度の差

4.7.2 分析結果

結果を表4.7に示す。快適度は既報を参考に被験者のか中でも気流を感じると回答したものの 中で分析を行った。

4.7 実測中央値及び被験者数と結果 温度

[℃]

作用温度 [℃]

絶対湿度 [kg/kg(DA)]

男性 [人]

女性 [人]

快適度 [%]

26.9 26.7 0.010356 3 1 100

27 27.05 0.013433 3 2 50

28.2 27.35 0.013348 2 3 100

27.5 27.4 0.011813 5 1 100

27.6 27.5 0.01205 3 3 75

28.1

27.55

0.010102 2 3 33.3

28.1 0.01161 2 3 66.7

27.8 27.6 0.010498 3 1 100

27.9 27.65 0.011473 6 0 50

27.3 27.75 0.012813 3 2 66.7

27.9 27.8 0.00989 3 2 100

28

27.85

0.012072 5 1 75

28 0.01336 5 1 100

28 27.9 0.012607 6 0 100

28 27.95 0.011009 5 0 100

28.4

28.25

0.011992 1 4 100

28.4 0.013059 1 4 0

-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5

9a 10a 11a 7a 6a 5a 1a 1b 5b 11b 9b 10b 6b 7b 2 3 4 8

作用温度と乾球温度の差[K]

図4.53に被験者実験結果を空気線図上にプロットし、快適度75%以上が見込まれるゾーンに 着色をした「快適範囲」を示す。各パターンにおける温湿度も共にプロットを行った。青◇が階 程度75%以上であった条件を、赤△が空き適度75%未満であった条件を、灰色×は範囲を決定 する際に用いなかった条件を示す。図より、微気流を併用することで設定室温を26°Cから緩和 し て も 執 務 者 は 快 適 で あ る と 感 じ る 可 能 性 が あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 絶 対 湿 度 約

0.013kg/kg(DA)以上または約 0.0105kg/kg(DA)となると不快者回答率が増加することも、快適

度 75%未満の回答傾向をみると推測できる。この結果より、微気流には設定温度緩和効果は大 きいものの、設定湿度緩和効果は小さく、皮膚表面温度に冷涼感を与える効果が強いと考察でき る。よって図から微気流併用型放射空調により執務者快適性を向上させる運用は、設定温度を 27°Cまたは28°C緩和し、絶対湿度は0.105kg/kg(DA)以上0.013kg/kg(DA)未満に制御するこ とを提案できる。

図4.54に図4.53の快適範囲とASHRAEの快適範囲を示した空気線図上に2015年に行った 夏季入居前検証にて測定した高さ1100mmにおける定常時1分値をプロットした散布図を示す。

図より、27°C設定でも微気流による冷却感による快適範囲拡大効果により快適性は保たれると いうことが示唆される。以上の結果と運用時アンケート調査結果からも快適度 75%以上である ことが示されたことから、快適範囲拡大効果が明らかとなった。

4.53 被験者実験結果に基づく快適範囲の検討

4.54 快適範囲と実測値の散布図

ドキュメント内 2 章 微気流併用型放射空調を行うオフィス (ページ 93-96)