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付録 A
-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0
0.98 0.99 1.00 1.01 1.02
ωr/ω
0
∆ω/ω xy
-1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0
0.6 0.8 1.0 1.2 1.4
∆ω/ωxy
ωr/ω
0
近似無し1次近似
近似無し 1次近似
図A.1 (a) ωxy/ω0 = 10−3の時の式(A.9)(青線)、及び式(A.11)(赤点線)。(b) (a) を0.98< ωr/ω0<1.02の範囲を拡大してプロット。
GPEは上記2種類の平面内磁場が原因で生じる。この平面内磁場の合計Bxy を
Bxy =Bv+B0xy (A.6)
と定義する。この平面内の磁場によるスピン歳差運動の変動は dF
dt = µ
F¯h(F×Bxy) =γ(F×Bxy) (A.7) と書ける。γ は対象原子の磁気回転比である。
ここで次のような状況を考える。ラーモア周波数ωL =ω0=−γB0でスピン歳差運動 をしている原子に、xy平面上を角速度ωr で回転している回転系における強さがBxy の 磁場が印加されたとする。この時、ラーモア周波数ωLはω0から∆ωだけシフトする。
∆ωは1次のオーダーで
∆ω= ωxy2
2 (ω0−ωr) (A.8)
∆ω ωxy
= 1 2
ωxy
ω0
1 1−ωr/ω0
(A.9) と与えられる[48]。ここでωxy =−γBxy である。このシフトはRamsey-Bloch-Siegert
(RBS)シフトと呼ばれる。RBSシフトは、より正確には
∆ω=
√
(ω0−ωr)2+ωxy2 −(ω0−ωr) (A.10)
∆ω ωxy
= ω0
ωxy
√(
1− ωr
ω0
)2
+ ω2xy ω02 − ω0
ωxy
( 1−ωr
ω0
)
(A.11) と表される。式(A.8)と(A.10)の違いはωr =ω0付近の振る舞いである。図A.1は式 (A.9)と式(A.11)をωxy/ω0 = 10−3とした時のグラフである。近似式(A.9)の方では、
ωr =ω0付近で発散してしまうのがわかる。一方、ωr=ω0付近の狭い範囲以外では、式
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B
0zE
R α
B
vB
rv
xyx y
B
rB
vv
xy図A.2 容器のxy平面図。粒子は側面に当たって反射を繰り返し、環状運動をすると仮定する。
(A.9)と(A.11)の振る舞いに大きな違いは見られない。後に述べるように、我々のセッ
トアップではωr/ω0∼0.3程度であるので、以降の議論では、式(A.8)を使用する。
ここで以下のような状況を仮定する。測定対象粒子は静磁場B0 と電場Eが印加され た半径Rの円柱状の容器に閉じ込められている。円柱の軸方向と電磁場の方向は一致し ており、これをz軸とする。円柱の側面に当たった粒子は全反射し、粒子同士の衝突は無 いものとする。粒子の速度のz 成分はv×E効果には寄与しないので、GPEを生じさ せない。そこで、粒子はxy平面のみを速度vxyで運動すると仮定する。図A.2に側面付 近の粒子の軌跡を示す。壁面付近(微小角α)ではB0r とBv は平行であると考えること ができる。このとき、粒子と共に動く系で見た場合、次のような回転磁場を感じることに なる。
B0//E: Bxy+=B0r− |Bv|, Bxy− =B0r+|Bv| (A.12)
−B0//E: Bxy+=B0r+|Bv|, Bxy−=B0r− |Bv| (A.13) ここで、Bxy+ の+はB0と平行な軌道角運動量ベクトルが回転する向きを表している。
このような周期的な粒子の運動を考えた場合、ωr =vxy/Rと書ける(Rは容器の半径)。 パラメーターをまとめると
|Bv|= |vxy| · |E|
c2 (A.14)
|ω0|=|γB0r| (A.15)
|ωr|= |vxy|
R (A.16)
B0r →B0R=−∂B0z
∂z R
2 (α→0) (A.17)
これらの回転磁場が式(A.8)のシフトを生じさせる。最終的には平均の回転速度における シフトを考えればよいが、式(A.12),(A.12)に示したように2種類の回転成分があること に注意するとシフト量は
∆ω= (γBxy+)2
4 (ω0− |ωr|) + (γBxy−)2
4 (ω0+|ωr|) (A.18) となる。式(A.12),(A.13)を式(A.18)に代入すると
∆ωgeo↑↑ = γ2 4
(B0R− |Bv|)2 (ω0− |ωr|) + γ2
4
(B0R+|Bv|)2 (ω0+|ωr|)
= γ2(
B20R+Bv2) 4
[ 1
(ω0− |ωr|) + 1 (ω0+|ωr|)
]
−γ2B0RBv
2
[ 1
(ω0− |ωr|)− 1 (ω0+|ωr|)
]
(A.19)
∆ωgeo↑↓ = γ2 4
(B0R+|Bv|)2 (ω0− |ωr|) + γ2
4
(B0R− |Bv|)2 (ω0+|ωr|)
= γ2(
B20R+Bv2) 4
[ 1
(ω0− |ωr|) + 1 (ω0+|ωr|)
]
+γ2B0RBv
2
[ 1
(ω0− |ωr|)− 1 (ω0+|ωr|)
]
(A.20) となる。式(A.19),(A.20)の共通項である第1項はB0z にBxy が追加されたことによる 共通のシフト、及びE2に比例する2次の項(E×v)2(参考文献[49]参照)の効果を表し ており、Eの向きに依存しないのでGPEの効果を生じさせない。一方、B0R|Bv|を含む 交差項(第2項)はE の1次に比例するのでGPEの効果をもたらす。よって、GPEに よる平均蓄積位相は
∆ωgeo↑↑−∆ωgeo↑↓=−γ2B0RBv
[ 1
(ω0− |ωr|) − 1 (ω0+|ωr|)
]
(A.21)
=−2γ2B0RBv |ωr|
ω02−ωr2 (A.22)
となる。ここで我々の実験条件|ω0|>|ωr|を考慮すると式(A.22)は
∆ωgeo↑↑−∆ωgeo↑↓=−2γ2B0RBv|ωr| ω20
( 1− ω2r
ω20 )−1
(A.23) と変形される。式(A.3)により
df = ∆ωgeo↑↑−∆ωgeo↑↓F¯h
2E (A.24)
=−2γ2B0RBv|ωr| ω20
( 1−ωr2
ω02 )−1
F¯h
2E (A.25)
=−γ2 (
−∂B0z
∂z R
2
)|vxy| · |E| c2
1 γ2B0z2
|vxy| R
( 1− ω2r
ω20 )−1
F¯h
E (A.26)
= 1 2
∂B0z
∂z
|vxy| c2
1 B0z2 |vxy|
( 1−ωr2
ω02 )−1
F¯h (A.27)
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よって、GPEより生じる疑似EDMの値は df = F¯h
2
∂B0z/∂z B0z2
v2xy c2
( 1−ωr2
ω02 )−1
(A.28) と表される。
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