3. 介護ロボット別の評価の実施結果
3.2 実施結果 2:パロ
3.2.2 導入方法と評価項目
貸与先の決定からパロ導入に際し、施設には様々な準備が必要であった。まず、導 入前および導入直後の準備を次に示す。
[1] 導入前と導入直後の準備
No. 実施事項 説明
1 使用説明会の参加
内容: パロの使い方に関する説明 所要時間: 90分/回
開催回数: 1回
担当: パロの開発者
2 試用者から同意書の 取り付け
内容: 施設にてパロを試用する方(または家族)から下記に 関し、書面にて承諾を貰う
(ア) パロの試用
(イ) 収集データの本事業での利用
【参考】 第2部資料編資料3.2 対象者: パロの試用をする全ての施設利用者
3 契約の締結 内容: 無償貸与品(パロとその付属品)を一定期間借りるた めに、貸出し元との契約の締結
4
評価方法に関する説 明会の参加
内容 評価方法および「評価シート」の利用・記録方法に関 する説明
所要時間: 50-60分/回 開催回数: 2回
担当: 当事業の担当者
[2] 導入中(導入後)の準備
また、導入前と導入後の準備に追加して、施設には次のような準備が必要で あった。
No. 実施事項 説明
1 パロの使い方に関す る追加説明会
内容: パロの使い方に関する追加の説明会 所要時間: 90分
開催回数: 1回
担当: パロの開発者
2 評価方法に関する 軌道修正
内容: 評価方法および「評価シート」の内容に関する追加・
補足説明 所要時間: 40-60分/回 開催回数: 3回
担当: 当事業の担当者
3 担当職員による フォロー
内容: パロの導入に関し施設側が抱える問題に対する解決 の支援
所要時間: 40-70分/回
回数: 導入後2-3週間は、週に1-2回。その後は2-3週 間に1回。
担当: 当事業の担当者
[3] 試用の方法
パロの導入に際し、貸与先施設との話し合いの結果、次のように試用することを 決定した。
導入方法 説明 実施(試用)
回数 対象人数
1 グループセラピー パロとの触れ合いを通じて実施する グループによるセラピー
基本的に週2回
(各60~80分)
各施設 4名以上 2 パーソナル
(個人セラピー)
パロとの触れ合いを通じて実施する 個人を対象にしたセラピー
基本的に週2回
(各60~80分)
各施設 2名以上
[4] パロの評価項目
さらに、パロ試用の成果を確認する目的にて行う評価に関しては、大きく「A.ア セスメントスケール(評価尺度) 」 、 「B.生活記録」 、 「C.うつ診断」 、 「D.セラピーの観 察」 、 「E.意識調査」の計 5 エリアを対象にした。
次の評価項目に従って評価した、各試用者の個別事例に関する定性的および定量 的データを集めた。
評価項目 調査周期
評価者
評価方法 試用者 施設
スタッフ 第三者 A.アセスメント
スケール
(評価尺度)
a. 認知度(HDS-R)
毎月
(計5回)
○ 「評価シート」の記入 b. 精神状態尺度(NMスケール) ○
c. 痴呆行動状態尺度(DBD) ○
B. 生活記録
a. 日常動作の変化
毎週
○
b. 周辺症状の記録 ○
C. うつ診断 毎週 ○
D. セラピー の観察
a. 試用者の変化
(含:話の内容、態度)
週1回 ○
第三者による観察
(含:ビデオ撮影)
E. 意識調査
a. スタッフの期待感、他
試用前後
(計2回)
○ アンケートの回収
+インタビュー
b. スタッフのバーンアウト、他 ○
なお、各評価項目の説明は以下の通りである。
【注意】「評価シート」については、「第2部資料編 資料3.1」を参照。
評価項目 説明
A.アセスメント スケール
a. 認知度(HDS-R)
・施設スタッフの「評価シート」記録による評価。
・9つの設問をYES/NO、または6段階にて判断。
・「点数」による認知度の評価。最高30点、最低0点。
b. 精神状態尺度(NMスケール)
・施設スタッフの「評価シート」記録による評価。
・5つの設問を7段階にて判断。
・「点数」による精神状態の評価。最高50点、最低0点。
c. 痴呆行動状態尺度(DBD)
・施設スタッフの「評価シート」記録による評価。
・28つの設問を5段階にて判断。
・「点数」による痴呆行動状態の評価(点数が高いほど症状が重 い)。最高112点、最低0点。
B. 生活記録
a. 日常動作の変化
・施設スタッフの「評価シート」記録による評価。
・16つ設問を5段階にて判断。
・「点数」による日常動作の変化の評価。最高60点、最低0点。
b. 周辺症状の記録
・施設スタッフの「評価シート」記録による評価。
・周辺症状に関する特記事項。
・自由回答による記録。
C. うつ診断
・施設スタッフの「評価シート」記録による評価。
・6つの設問をYES/NOにて判断。
・NOの数により診断結果(計3段階)が決まる評価。
D. セラピー中 の観察
a. 試用者の態度
(含:話の内容、態度)
・「第三者」(当事業の担当者)の観察による評価。
・週に1回、グルーブセラピー中の試用者を観測する定点観測。
・評価対象は、話す内容、表情、態度などの変化。
E. 意識調査
a. スタッフの期待感、他 ・アンケート調査票の設問に回答してもらい集計する調査。
・スタッフに対するインタビュー。
b. スタッフのバーンアウト、他